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中小企業診断士 一次試験 令和四(2022)年度 「G 中小企業経営・政策」の解説

G 中小企業経営・中小企業政策

問題(PDF), 解答(PDF)

第1問

我が国の企業のうち99.7%を中小企業を占めることを知っていれば選択肢を絞り込める。また、中小企業従業員の平均年収が400万円程度であることを知っていれば、従業員一人当たりの付加価値を計算することでも絞り込める。

第2問

小規模企業数割合は、製造業86%、小売業82%と拮抗しているため、(イ)と(エ)が紛らわしい悪問である。中規模企業数割合は卸売業が29%で最も高いが、こんなことは知る由もないので、「製造業と小売業は小規模企業が多い」ということから推測するしかない。

第3問

対象期間は2010年度から2019年度、つまりリーマンショック後・パンデミック前なので不景気ではないことから絞り込める。

持続的な市場金利の低下や借入金依存度の減少が利払い額を減らし、売上高経常利益率の改善に寄与しているとみられる。

第4問

中小企業の労働生産性は、2003年度から2019年度の長期に渡って残念ながら横ばいである。後に出てくる中小企業向け賃上げ促進税制、経営革新支援事業、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金のように、政府は生産性向上に関心がなく賃上げでごまかしているためである。

第5問

平成20 (2008)年度第2問でも類似の出題があったが、当時は労働生産性の格差は宿泊業・飲食サービス業より製造業の方が大きかった。それから10年経ち、宿泊業・飲食サービス業では大企業においてITシステム導入や省人化が進んだため格差が広がったとみられる。

小売業は主に最寄品を扱うため企業規模によって価格差があるとは考えにくく、これが生産性格差の小ささに反映されている。

第6問

廃業率は、2010年度から一貫して開業率を下回っており、減少傾向。リーマンショック後の持ち直しを反映している。

第7問

設問1

自己資本比率の2000年度から2019年度の変化は、中規模企業では20%⇒43%、大規模企業では30%⇒45%といずれ大幅に増加している。中小企業基本法の基本方針第4項に適う変化であるが、その理由として次が考えられる。

  • バブル崩壊を機に自己資本比率が重視されている
  • 我が国の経済成長が停滞し投資ができず、利益剰余金が蓄積している
設問2

借入金依存度=借入金/総資産

宿泊業・飲食サービス業は巨額の先行設備投資が必要なため、借入金依存度が高い。

第9問

損益分岐点比率は経営の安定性に関わる指標である。中小企業の損益分岐点比率は大企業に比べて高く、1990年からほとんど変化がない。中小企業基本法の基本方針第三項に適わない事態である。

第10問

中小企業は大企業に比べて、IT人材の獲得が難しく、従業員の年齢層が高いためITリテラシーが低いことがソフトウェア投資率の横ばい傾向を反映していると考えられる。

第11問

設問1

導入におけるコストや難易度が低いITツール・システムほど導入されやすい。

設問2

デジタル化による投資収益率は一般的に高いので、「資金不足」が大きな要因ではないことは推測できる。「アナログな文化・価値観が定着している」と「組織のITリテラシーが不足している」は似たような説明なので、悪問だ。

第12問

建設業に休廃業・解散が多いのは、近年の人手不足と資材高によるもの。中小企業診断士として覚えておきたい話だ。

第13問

事業引継ぎ支援センターの相談社数、成約件数は増加傾向だったが、相談社数が2020年度に初めて減少した。パンデミックの影響とみられる。

第13問

ここでは1986年と2006年を比較しており、30年もの間隔があることに注目。この30年でサービス業が大きく成長したことを踏まえると絞り込める。

第15問

設問1

経営課題として小規模事業者が挙げた以下の三つを、回答割合の大きい順に並べる問題。

  • 営業・販路開拓(営業力・販売力の維持強化、新規顧客・販路の開拓)
  • 人材の確保・育成、働き方の改善
  • 生産・製造(設備増強、設備更新、設備廃棄)

中小企業白書によると、「営業・販路開拓」が圧倒的に大きい。このアンケートは複数回答形式なので、あらゆる業種や規模の企業が同意できるこの選択肢が圧倒的に選ばれたと考えられる。個人や家族経営の企業ならば「人材の確保・育成、働き方の改善」には関心がないし、非製造業には「生産・製造」は関係ないので票が集まらないわけだ。

設問2

非製造業には小売業やサービス業が含まれるが、これらの業種における商品は差別化が難しい。それがブランド化が困難な原因である。

第16問

製造業においてはサプライチェーンの維持の要請から、BCP (事業継続計画)の策定が進んでいる。

第17問

資本性劣後ローンの金利は固定ではなく業績連動型。業績が悪い時の金利負担を抑えることができる。

第18問

設問1
  • 中小企業に該当する製造業等: 資本金が3億円以下または従業員数が300人以下
  • 中小企業に該当する卸売業: 資本金が1億円以下または従業員数が100人以下
  • 中小企業に該当する小売業: 資本金が5000万円以下または従業員数が50人以下
  • 中小企業に該当するサービス業: 資本金が5000万円以下または従業員数が100人以下
設問2
  • 小規模企業に該当する製造業等: 従業員数が20人以下
  • 小規模企業に該当する商業・サービス業: 従業員数が5人以下

第19問

「中小企業向け賃上げ促進税制」は補助金を餌にして強引に企業に賃上げさせる政策。なぜか教育訓練費がインセンティブに含まれていて、愚策を強調する出題となっている。

第20問

設問1

経営革新支援事業の経営計画は、ものづくり補助金の事業計画とほぼ同じ。

第21問

下請代金法は「委託内容」と「資本金を区分する境界」で覚えると良い。

  • 物品の製造・修理委託の場合は3億円と1千万円
  • 情報成果物の作成、役務提供委託の場合は5千万円

第22問

「小規模事業者持続化補助金(一般型)」の補助金の対象は、各業種における一般的な人員規模に基づいて定められている。

第23問

経営セーフティ共済は、迅速かつ手間をかけずに資金調達できる制度だ。

  • 貸付けを受けた共済金の10分の1に相当する額が積み立てた掛金総額から控除される。
  • 償還期間は貸付け額に応じて5年~7年の毎月均等償還
  • 取引先企業が倒産し、売掛金や受取手形などの回収が困難となった場合、この回収困難額と、積み立てた掛金総額の10倍のいずれか少ない額の貸付けを受けることができる。貸付限度額は8,000万円。

第26問

「女性、若者/シニア起業家支援資金」の対象者は

  • 開業7年以下
  • 女性 or 35歳未満 or 55歳以上

第27問

JAPANブランド育成支援等事業費補助金

  • 1 ~ 2 年目は3分の2補助
  • 補助額の上限は500万円
  • 支援期間は最長3年
  • 複数者による連携体として共同で応募する場合、1社ごとに最大500万円を上限額に嵩上げし、最大で2000万円

第29問

成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)は、戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)と商業・サービス競争力強化連携支援事業(サビサポ事業)が2022年度に統合したもの。

第30問

PMI (Post Merger Integration)とは、M&Aによって引き継いだ事業の継続・成長に向けた統合やすり合わせなどの取り組みのこと。

(ア)の「M&Aで株式譲渡、事業譲渡などに係る最終契約を締結した後、株式・財産の譲渡を行う工程」はclosingを説明している。

(ウ)の「後継者不在などの中小企業の事業を、廃業に伴う経営資源の散逸回避、生産性向上や創業促進などを目的として、社外の第三者である後継者が引き継ぐこと」は中小M&Aを説明している。

(エ)の「対象企業である譲渡側における各種のリスクなどを精査するため、主に譲受側が専門家に依頼して実施する調査」はdue diligenceを説明している。

第31問

経営力再構築伴走支援の資料では、「経営者、その支援者が取るべき基本的なプロセスは、本来、課題設定を入口として課題解決を出口とするもの」と述べられている。

中小企業診断士 一次試験 令和四(2022)年度 「E 経営法務」の解説

E 経営法務

問題(PDF), 解答(PDF)

第1問

株式を併合は、既存の株主が不利益を被る場合に対処するため、株主総会の特別決議が必要になる。

第2問

監査役は中立性が重要であるので、恣意的な選任を避けるために任期の短縮が認められていない。

第4問

  • (ア)H30年度第一問に似た選択肢がある。資金調達の方法には債券と株式があるが、「出資による資金調達」とは株式発行のこと。出資金は原則として全額を資本金に計上する。また、合同会社は出資額のいくらを資本金とするかを業務執行社員を決めれる。
  • (イ)合同会社では、法人が業務執行社員となることはできるが、実際にその業務を執行する社員を選任する必要はある。
  • (ウ)合会社の社員は二名以上が必要。
  • (エ)株式会社と合同会社の社員はすべて有限責任。合名会社ではすべて無限責任。合資会社では有限責任と無限責任が混在している。

第5問

設問2
  • (ア)買取請求権は、あらゆる組織再編の方法において認められている。
  • (イ)事業譲渡も吸収分割も、契約書に定めた効力発生日に効力が発生する。
  • (ウ)事業譲渡は取引に相当するので、書類の備置は不要。
  • (エ)説明が逆で、債権者保護手続は事業譲渡にはなく、会社分割にはある。

第6問

設問1

(ア)この説明は非公開会社ではなく公開会社である場合のもの。

設問2

(ア)株式会社の絶対的記載事項は「目的」、「名称又は商号」、「主たる事務所又は本店の所在地」、「発起人又は設立時社員の氏名又は名称及び住所」、「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」、「発行可能株式総数」である。

第12問

  • (ア)四つの産業財産権のうち、特許権、実用新案権、意匠権の三つは存続期間の起点が出願時となっている。一方、商標権は登録時が起点。
  • (ウ)実用新案法では「物品の形状、構造又は組合せに係る考案」を保護している。
  • (エ)「事業者は特許を侵害していないかぐらいは事前に調べるべき」というのが法のスタンスなので、特許侵害は過失推定される。実用新案は数が多いので過失推定されない。

第13問

パリ条約に基づく優先期間は、意匠権と商標権では6ヶ月、特許権と実用新案権では1年と定められている。

第14問

特許法第30条には、「新規性喪失が特許を受ける権利を有する者の行為に起因する場合には、出願から30日以内に例外規定の適用を受けることができることを証明する書面を提出する」という規定がある。

第15問

著作権は著作財産権、著作者人格権、著作隣接権の三種類があるが、このうち著作者人格権は文字通り著作者の人格に裏付けられたものであり、授受できない特殊な権利である。

第17問

独占禁止法が禁止する「不公正な取引方法」には、共同の取引拒絶、不当廉売、優越的地位の乱用、差別対価、再販価格の拘束がある。

第18問

(ア)共同相続とは、相続人が複数いる際に分割相続する前の段階のことで、この段階では遺産は共有状態とみなされる。相続回復請求権の時効は、「人の生命又は身体を害する不法行為」と同じ。

第19問

(ウ)民法に「保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなす」という規定がある。一方で電子署名は不要。

第20問

(ア)

差押禁止財産とは具体的に、

  • 66万円までの現金
  • 債務者等の生活に必要な衣服や寝具、家具、台所用具、建具
  • 債務者等の1か月分の食料や燃料
  • 債務者の職業で必要な器具やその他の物
  • 実印、職業又は生活で必要な印鑑

が対象となる。このような生活に最低限必要な財産を奪うことはできない。

(ウ)

民法第510条で「債権が差押えを禁じたものであるときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。」と定められている理由は、条件を付することは相手方の地位を不安定にし、期限を付することは相殺の遡及効により無意味となるため。

第21問

相続問題はパズルのようで面白い。この問題のポイントは次の通り。

  • 相続の資格を持つのは、原則として配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹
  • 被相続人の子孫の配偶者には、被相続人との血の繋がりが無いので相続されない
  • 相続人が死亡している場合、その子が代襲相続する
  • 被相続人の死亡時に胎児が相続人である場合、死産なら相続せず、生きて生まれれば相続する。このため、相続手続きは出生を待つのが一般的である。

中小企業診断士 一次試験 令和四(2022)年度 「F経営情報システム」の解説

F経営情報システム

問題(PDF), 解答(PDF)

第1問

2.4GHzの電波は遠くに届きやすい反面、干渉を受けやすい。対照的に5GHzは遠くに届きにくく、干渉を受けにくい。

  • (b)11gは2.4GHz帯。11gと同じ54Mbpsで5GHzなのは11a帯。
  • (c)Bluetoothの電波は2.4GHz帯なので電子レンジ等からの干渉を受けやすいが、周波数ホッピングによって対処している。

第3問

Perlは国際規格ではなく、開発者はアメリカ人のLarry Wall氏。RubyはISO/IECの国際標準規格であり、開発者は日本人の松本行弘(Matz)氏。

第8問

  • (ウ)と(オ)は用語と説明が逆。
  • (エ)TLDはGeneral TLDとCountry Code TLDに大別される。

第12問

  • (c)選択肢はマイグレーションを説明した文である。リファクタリングとは、ソフトウェアの挙動を変えることなく、その内部構造を整理すること。
  • (d)と(e)は説明が逆。

第13問

システム開発の方法論についての設問だが、カッコいい名称を付ける割には具体性が無いという印象だ。

(ウ)と(オ)は説明が逆。

第14問

  • (c)更新前のトランザクションログを用いてシステム復元をするのがロールバック、更新後のトランザクションログを用いるのがロールフォワード。
  • (d)列指向DBMSは列方向(縦)のデータをまとめて処理するのに長けている。

第18問

  • (ア)トレッドウェイ委員会支援組織委員会(Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission, COSO)とは、企業の不正行為に対応するための仕組み。IT サービスマネジメントのベストプラクティス集とはITIL(Information Technology Infrastructure Library)のことである。
  • (ウ)情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)が運用しているITSMSの適合性評価制度の認証を受けると、認定マークを取得できる。

第19問

AC(コスト実績値)が費用、EV(出来高実績値)が収益を表すと捉えればよい。コスト効率指数(CPI)やスケジュール効率指数(SPI)は財務指標分析のようなものだ。

第21問

(e)機密性(Confidentiality)、完全性(Integrity)、可用性(Availability)は情報セキュリティの3要素CIAのこと。RASISとは文字数が異なるので明らかに誤り。

第22問

(c)と(d)は説明が逆。

第23問

あるサイコロが正常かどうかを調べたいとする。正常なサイコロであれば、1の目が出る確率はp=1/6、正常でなければp≠1/6である。このとき、帰無仮説は「1の目が出る確率は1/6」である。

実際にサイコロを6回振ってみるとする。正常なサイコロであれば、1の目が出る回数は1回だけ出そうである。でも実際にはサイコロの出目はランダムなので、0回だったり2回だったりもする。

このとき、1の目が何回出たらこのサイコロが正常でないと判断すれば良いだろうか。例えば「3回以上出たら正常でない」という基準を決めたら、「4回以上出る確率」が有意水準(危険率)に相当する。このとき、サイコロが正常(帰無仮説が真)であるにも関わらず1の目が4回以上出たら私達は「このサイコロは正常でない」と誤った判断(帰無仮説の棄却)をしてしまう。これが第一種の過誤である。

第25問

(オ)各ブロックに保持される値はハッシュ値である。ナンス値とは、新たなブロックを生成する際の検証(マイニング)に用いられる使い捨ての数値であり、ハッシュ関数に代入して新たなハッシュ値を生成するためのものである。

中小企業診断士 一次試験 令和三(2021)年度 「B 財務会計」の解説

B 財務・会計

問題(PDF), 解答(PDF)

第1問

  • 値引: 品質などの理由でより安くすること
  • 割引: 掛取引で支払期限より早く支払があった際に利息相当分を安くすること
  • 割戻: 大量の取引を理由に安くすること

第2問

支店間で取引があったとする。支店分散計算制度では、そのままそれらの支店が記帳し、本店は何も記帳しない。本店集中計算制度では、取引は必ず本店を経由するものとするので、本店も記帳する。

支店分散計算制度における支店の仕訳を統合すると、本店集中計算制度における本店の仕訳が得られる。

第3問

定率法では、毎年、残存簿価に年率を掛けた額を償却する。

第4問

自己創設のれんとは、自社ののれんのこと。我が国の会計制度では計上が認められていない。

第5問

引当金は評価性引当金と負債性引当金とがあり、負債性引当金はさらに非債務性引当金と債務性引当金とに分類される。法律上の支払い義務があるのが債務性で、ないのが非債務性。

第6問

取引の一般的な流れは「受注→出荷→納品(引渡)→検収→請求→入金」である。

  • (ア)契約の解消や返品リスクがあるからこそ検収基準で取引するのである。
  • (ウ)長期請負工事では、工事完成基準と工事進行基準のいずれも選択できる。

第8問

販売価格差異とは、実際販売量の下での実際販売価格 と予算販売価格との間の売上の差異である。

「予算実績差異=販売実績-販売予算」が成り立つので、販売価格差異を「販売数量差異=予算実績差異-販売価格差異」から求めることもできる。

第9問

  • (ア)売掛金として現金を回収しているのでCFは増加する。
  • (イ)仕入れ債務を現金で返済しているのでCFは減少する。
  • (ウ)棚卸資産を現金で購入しているのでCFは減少する。
  • (エ)長期借入金を現金で返済しているのでCFは減少する。

第10問

設問1

「固定比率 = 固定資産/自己資本」。長期的投資である固定資産は自己資本や他人資本で購入するが、自己資本で賄われている方が経営は安定していると言える。その安定性の指標となる固定比率は低い方が良い。

「固定長期適合率=固定資産/(固定負債+自己資本)」。固定比率に似た指標で、長期的な支払能力を表す。

設問2

インタレスト・カバレッジ・レシオ= (営業利益+受取利息+受取配当金) /支払利息

interestは利息という意味。インタレスト・カバレッジ・レシオは支払利息をカバーする何倍の利益を上げているかを表す。

第11問

役務収益と役務原価は、サービスの提供が完了した時点で初めて計上することができる。役務が成立するまでは、仕掛品勘定に計上する。

第12問

  • 変動費率=変動費/固定費
  • 損益分岐点売上高=固定費/(1−変動費率)=固定費/貢献利益率
  • 損益分岐点比率=損益分岐点売上高/売上高
  • 損益分岐点比率+安全余裕率=1

(エ)「売上高=利益+費用」なので、明らかに誤り。

第14問

  • (ア)株式分割はそもそも資金調達ではない。
  • (イ)減価償却費は非現金支出費用であるため、減価償却費相当分だけ毎期現金が溜まっていく(自己金融効果)。
  • (エ)株式や社債の発行は直接金融である。

第15問

加重平均資本コスト(WACC)とは、必要な資本を調達するためにその資本の何%を余分に支払う必要があるかを表す。WACCは税引後負債コストと株主資本コストをそれぞれ総資産に占める負債と純資産の割合で重みづけして算出する。負債コストに税引き後のものを使用するのは、支払利息が費用として計上することができる(負債の節税効果)からだ。

税引前負債コスト=支払利息 ÷ 負債総額

株主資本コストの算定方法は色々あるが、中小企業診断士試験では専らCAPMが用いられる。

第16問

(ウ)配当額を自己資本で除した比率はDOE(株主資本配当率)である。配当利回りは「配当金÷時価総額」である。

第17問

  • (ア)株式配当金は自己資本コストの一つである。法人税が存在するならば負債比率が高いほど企業価値は高まる。
  • (イ,ウ)負債比率が高いと、資金繰りが悪化して倒産するリスクが高まる。このためリスクプレミアムや負債コストも上昇する。倒産リスクを下げたい場合は自己資本比率を高めると良い。

第20問

(イ)が正解とされるが、「リスク・ポートフォリオ」などという言葉は存在しないので不適切問題。

安全資産とリスク資産を組み合わせてポートフォリオを構成する場合、投資家のリスク選好によって最適なポートフォリオは異なる。そのポートフォリオの集合は資本市場線と呼ばれる。資本市場線の中で、リスク資産のみで構成されるポートフォリオは一意に定まる。これが選択肢(イ)の意味するところだろう。

第21問

定率成長配当割引モデルは、各年における配当の割引現在価値の総和から企業価値(時価総額)を推定するモデルである。割引現在価値を算出する上で金利ではなく株主資本コストを採用しているのは、株式投資においては倒産やゼロ配当といったリスクがあり、金利にはそれが反映されないためである。

無限等比級数の和として理論株価を求められる。

第22問

略称が何を表すのかを憶えておくとよい。

  • DCF: Discounted Cash Flow
  • IRR: Internal Rate of Return
  • P: Price (株価)
  • E: Earnings (収益)
  • B: Book value (純資産)
  • S: Share (株式総数)

マルチプル法は倍率法や乗数法とも呼ばれ、同業他社の財務比率を自社と比較し、他社の企業価値に乗数を掛けることで自社の企業価値を推定する。

第23問

  • (ア)ドルを円で買うとする。円(権利行使価格)は安いほどドルを買う(コール)ことの利益(オプションの価値)は大きくなる。
  • (イ)行使までの期間は長いほど権利の価値は高く、時間的価値と呼ばれる。賞味期限のようなものだ。
  • (ウ)原資産の値上がりがプレミアムを上回った場合、売却(プット)せずに保持した方が良いので権利を放棄する。これによって損失額はプレミアムとなる。
  • (エ)オプションの売却は義務なので権利放棄はできない。

中小企業診断士 一次試験 令和二 (2020)年度 「C 企業経営理論」の解説

C 企業経営理論

問題(PDF)解答(PDF)

第1問

VRIOフレームワークとは、企業が有する経営資源について4つのチェックポイントを課するものだ。

VRIO Framework
一つも満たしていない競争劣位
Value: 価値がある競争均衡
Rarity: 希少性がある一時的競争優位
Inimitatability: 模倣困難である持続的競争優位
Organization: 組織的に管理されている経営資源の最大活用

第3問

(エ)垂直統合には、供給元や原材料生産者を統合する後方統合と、販売チャネルや小売業者を統合する前方統合とがある。

(オ)ハーフィンダール・ハーシュマン指数(HHI)がゼロに近づくと市場は完全競争に近づき、最大値の10000では独占市場である。

第5問

SWOT分析では企業の内外の環境を強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)に分類している。強みと弱みは内的な成長誘因、機会と脅威は外的な成長誘因である。

第11問

保有している株式が少なくても、株主であればその会社に対してオーナーシップがある。

第13問

(ア)公式機関が規格を制定することをde jure standardという。

第14問

C. I. Barnardは経営者や従業員のモチベーションに焦点を当てて組織論を説いた人物だ。

Barnardの理論を知らなくても、問題文の「経営者の役割」という文言から選択肢を絞り込める。

第17問

  • 単純組織: 同等な立場の人物で構成される。創業初期のベンチャー企業などが該当する。
  • 単一職能別組織: 部門毎に職能が分かれており、ボトムアップで意思決定が行われる。
  • 集権的職能部門: 単一職能別組織が進化したもの。研究開発・調達・生産・販売といったプロセスごとに部門を作り、それらが集権的に管理される(垂直統合)。
  • 複数事業部制組織: 集権的職能部門が関連多角化し、製品や地域に応じて事業部を持ったもの。
  • 世界的職能部門制組織: 世界的複数事業部制組織では事業部毎の独立性が高いため、それらの事業を統合することで規模の経済を発揮できるようにしたもの。

「イギリス大企業の経営戦略と組織」(中本)も参考になる。

第19問

動機づけの過程理論と呼ばれるものには、目標設定理論(goal-setting theory)や公平理論(equity theory)、期待理論(expectancy theory)などがある。

公平理論が他者との比較によって動機づけられるのに対して、期待理論は仕事の報酬によって外発的に動機づけられる。

V.Vroomの期待機論では、モチベーションは「報酬の実現確率」✕「誘意性(報酬の魅力)」で決まる。

第22問

competencyは仕事の成果については評価しない。

第24問

(ア)ここでいう「役務」とは、サービス業やコンサルティングを指す。

第25問

  • (イ)「休憩時間の一斉付与」とは、事業場の従業員に対して休憩時間を一斉に与えること。フレックスタイム制においても例外ではない。
  • (ウ)高度プロフェッショナル制度を導入できる年収要件として「年間平均給与額の三倍の額を相当程度上回る水準」というものがある。また労働基準法第37条では、休日労働に対する割増賃金は、通常の賃金の3割5分以上、深夜業に対する割増賃金は2割5分以上と定められている。

第29問

設問1

セグメンテーションとは、標的とする市場の適切な範囲と規模を見定めることである。

設問2
  • (ア)この文は、市場浸透戦略(ペネトレイション戦略)ではなくスキミングプライシング(上澄み吸収価格)を説明したものだ。
  • (イ)この文は、威光価格を利用した価格戦略を説明したものだ。
  • (ウ)この文は、コストベース価格設定を説明したものだ。
  • (エ)非常に多くの競合企業間で激しい競争が展開されているということは完全競争市場であるので、生産者と消費者はいずれもプライステイカーである。
  • (オ)この文は、需要志向型価格設定を説明したものだ。

第30問

(エ)この文は、ティザー広告を説明したものだ。

第31問

  • (ア)O2O戦略 (Online to Offline戦略)とは、オンライン上で潜在顧客の関心を引き、実店舗(オフライン)に誘導するマーケティング手法のこと。
  • (ウ)プラットフォーマーは自社のプラットフォーム上で必ずしも自社の製品・サービスの販売をしない。

第32問

設問2

製品ミックスについてはIndeedの記事が分かりやすい。

(ウ)製品ラインが深すぎた可能性もある。

第34問

設問2
  • (イ)想起集合とは、消費者が製品を購入したいときに想起するブランドの集合のこと。
  • (ウ)製品に使用されている材料などについてのブランディングを成分ブランディングという。

第36問

  • (ア)Affordanceとは、人が物に対してどのように扱うことができるかを意味する。
  • (ウ)視神経は交差しているので、どちらかと言えば画像は左、文字は右が適当だ。いずれにしてもこのようなルールは一般的ではない。
  • (エ)製品価値には、基本価値・便宜価値・感覚価値・観念価値がある。
  • (オ)この文は、移転可能性を説明したものだ。防御可能性とは、ブランド要素を法律上・競争上の観点から守れるかということ。

第37問

  • (ア)現場スタッフが顧客と接する瞬間のことを「真実の瞬間」という。真実の瞬間を重視して現場スタッフの権限を強化した組織構造を「逆ピラミッド」という。
  • (ェ)高度成長期は国内の市場が拡大していた時期なので、新規顧客獲得が重視されていたと推測できる。

中小企業診断士 一次試験 令和三(2021)年度 「A 経済学・経済政策」の解説

A 経済学・経済政策

予想外に長引くCovid-19の影響を反映した試験問題が多かった。

問題(PDF)解答(PDF)

第2問

aが中央銀行であることは明白だが、bとcを特定するのは難しい。市中銀行が個人に比べて遥かに多くの国債を保有している背景として次のようなことがある。

  • 財政法第5条に基づく「国債の市中消化の原則」によって、発行された国債は民間金融機関に売却することが原則となっている。
  • バーゼル規制では、市中銀行の自己資本比率において「自国通貨建ての国債は、格付にかかわらず、信用リスクをゼロにすることができる」という規定がある。

第4問

コロナ禍を絡めた意欲的な設問となっているが、残念ながら(a)と(b)は文が意味不明だ。それでも、いずれの選択肢も偽なので不適切問題の扱いにはならない。

  • (a)この文は恒常所得仮説ではなく絶対所得仮説の説明と思われるが、仮に絶対所得仮説の説明だとしても、一時金の給付によって経済全体の消費が増加するとは限らない。
  • (b)「生涯の所得が生涯の消費を決定する」という文はライフサイクル仮説の説明だ。また、「新しい生活様式」という語の定義が不明。
  • (d)「XのY弾力性が高い」という語は、「X/Yの絶対値が1より大きい」と読み替えれる。

第5問

設問1

(a)記事「均衡予算乗数=1になる理由」が分かりやすい。均衡予算とは、赤字国債は発行せずに政府の支出はすべて税収によって賄うということ。

乗数はG, T, I が所得の増加にどれくらい寄与するかの指標なので、(b), (c), (d)についてはそれぞれdY/dG, dY/dT, dY/dI を求めればよい。

設問2

問題文の「景気の落ち込みを回避するための財政政策の効果」という文言から、選択肢を絞り込める。

限界消費性向はc < 1 であるため、国民は所得の一部を消費ではなく貯蓄や投資に回す。一方で政府は国民から徴収した税を全て当期の消費に充てるため、政府支出による景気拡大の効果の方が大きい。

注意すべきなのは、景気拡大の効果が増税分より大きくなるのは当期だけである。将来の効果を先食いしているのである。

第6問

設問2

財政拡張政策や金融緩和政策によってIS曲線やLM曲線は右に移動し、GDPの増加に寄与する。経済政策にフリーランチはないので、受益を先食いしている。

第7問

  • マネタリーベースとは、日本銀行が金融部門を含めた経済全体に供給する通貨量。
  • マネーストックとは、金融部門(通貨発行主体)から経済全体に対して供給される通貨量。マネタリーベースに含まれている日銀当座預金や金融機関の保有現金は含まない。

預金には、家計等が市中銀行に預ける預金と、市中銀行が中央銀行に預ける日銀当座預金とがある。「家計の預金✕法定準備率 ≦ 日銀当座預金 ≦ 家計の預金」が成り立つ。

第8問

(c)stagflation を理論的に説明するために構築されたのがMonetarism である。マネーストックの操作による政策が特徴で、k%ルールが含まれる。Keynesianが絶対所得仮説を支持するのに対して、Monetarismは恒常所得仮説を支持する。

第9問

外国貿易乗数は、純輸出が所得の増加にどれくらい寄与するかの指標。第5問で登場した乗数の仲間だ。

第11問

(エ)有効求人倍率=月間有効求人数/月間有効求職者数

第12問

経済成長率=(労働分配率 × 労働投入の成長率)+(資本分配率 × 資本投入の成長率 )+ 全要素生産性の成長率

という関係式は、コブ=ダグラス型生産関数Y=NαKβ を対数微分して得られる。

第19問

独占市場における価格決定プロセスは「独占市場の利潤最大化「MC=MR」と価格の決まり方・余剰分析と独占利潤など」を読むと直感的に理解できる。

第20問

(c)は、「太郎さんは点Aではなく点Bで消費するのではないか」と物議を醸した文だ。

需要曲線は限界費用曲線のように、生産量で微分した関数だ。よってQ=0のときは埋没費用のp=700になる。

中小企業診断士 一次試験 令和元(2019)~二(2020)年度 解説記事のまとめ

令和元(2019)年度

令和二(2020)年度

令和三(2021)年度

令和四(2022)年度

中小企業診断士 一次試験 令和二(2020)年度 「B 財務会計」の解説

B 財務・会計

問題(PDF), 解答(PDF)

第1問

棚卸資産の評価方法には、原価をそのまま採用する原価法と低価法がある。

低価法とは、資産の取得原価と期末における時価(正味売却価額)とを比較し、金額の低いほうを採用する方法だ。流行性の高い商品に適した評価方法。商品評価損は損金算入でき節税になる。

低価法を棚卸資産評価法として選定する場合には、税務署へ「棚卸資産の評価方法の届出」を提出する必要がある。提出しない場合は、最終仕入原価法を用いることになる。

売上原価: 販売する品物の売上高に対する仕入の原価、あるいは販売する品物の製造に必要な原価。「売上高=売上原価+売上総利益」が成り立つ。

  • 棚卸減耗費=原価✕(帳簿棚卸数量-実地棚卸数量)
  • 商品評価損=(原価-正味売却価額)✕実地棚卸数量

売上原価は「 期首商品棚卸高+当期商品純仕入高-期末商品棚卸高」で定義される。問題文に「棚卸減耗損および商品評価損はすべて売上原価に含める」と書かれているので、低価法を採用する。

第2問

貸倒引当金は前期末の余りを翌期に引き継いで不足分を追加することになるが、この方法には洗替法と差額補充法がある。洗替法は前期末の余りを会計上差し引いてから、当期の総額を計上する。差額補充法は文字通り、差額(つまり不足分)のみを計上する。

問題文では、売上債権には受取手形と売掛金が該当する。

正解は(エ)であり、(イ)は洗替法による方法。

第3問

有価証券は貸借対照表に表示する。将来的に売買すると想定されている場合は時価、それ以外は取得原価を計上する。

取得原価と時価の評価差額は基本的に、売買目的なら損益計算書、それ以外は貸借対照表に計上する。

企業は債券を投資家にとって魅力的なものにするために、価額を額面金額より高くする代わりにクーポン利子率を高く設定したり、クーポン利子率を低くする代わりに価額を額面金額より低く設定したりできる。これを「金利の調整」という。価額と額面金額との差異が企業の信用リスクに起因している場合は金利の調整とは認められない。

  • (イ)「その他有価証券」は、いずれ売却すると想定されているので、時価で記帳する。取得原価と時価の評価差額は全部純資産直入法または部分純資産直入法によって記帳する。
  • (ウ)売買目的なので、評価差額は損益計算書の営業外損益として計上する。
  • (エ)満期保有目的の債券の取得価額と額面金額との差額が金利の調整と認められるときは、償却原価法に基づく償却原価を貸借対照表に計上する。

第4問

企業は原則として、資本金の1/4の額の法定準備金として積み立てる必要がある。それができない場合は次のいずれか低い金額を積み立てることができる。

  • 資本金/4-(資本準備金+利益準備金)
  • 配当金/10

法定準備金は、繰越利益剰余金を原資とする場合は「利益準備金」という扱いであり、その他資本剰余金を原資とする場合は「資本準備金」という扱いになる。

第5問

減損損失を認識するのは「割引前将来キャッシュフロー < 帳簿価格」のときだ。

減損損失を認識したら、帳簿価額と回収可能価額との差額を損益計算書において「特別損失」として計上する。回収可能価額は正味売却価額と使用価値(将来キャッシュ・フローの割引現在価値)のいずれか高い方である。

平時においては、企業が保有する固定資産の帳簿価格と正味売却価額と使用価値(将来キャッシュ・フローの割引現在価値)は近い金額になる。一方で、割引前将来キャッシュフローは文字通り割引前なので割高の数値であるはずだ。それが帳簿価格を下回るということは明らかに異常事態なわけである。

第6問

のれん=取得額-被取得企業の純資産

D社の純資産は、貸借対照表を元にすると「資本金+資本剰余金+利益剰余金=70,000」と算出されるが、ここにヒッカケがある。問題文の「商品の時価は24,000千円」を考慮しなければならないのだ。「その他の資産および負債の時価は帳簿価額と同額である」とも書かれているので、商品の簿価と時価の差額は純資産の増加分である。

第7問

  • (ア)リース取引はファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に大別されるが、前者は通常の売買に近い取引で、一般人が想像するリース取引は後者である。
  • (イ)リース料のうち未経過リース料という。解約不能なリース取引の場合は、保守主義の原則に従って未経過リース料を注記する。
  • (ウ)1年の債務期限を境に、流動負債と固定負債に区別する。

第8問

買収した被取得企業の超過収益力を「のれん」といい、無形固定資産に計上できるが、自社の超過収益力は計上できない。

第9問

損益計算書に仕入や売上を仕訳する際、消費税分を分けて記入するのが税抜方式で、分けないのが税込方式。税込方式では、決算時に納めるべき消費税を計算必要があり、その金額を租税公課として仕訳する。

第10問

製品の製造を担当する工員を直接工といい、直接労務費の対象となる。

予定賃率✕作業時間=賃金

資料の1で予定賃率の計算をさせている。

資料の2で直接労務費と間接労務費とを区別できるかを試されている。間接作業時間と手待時間は間接労務費の対象である。手待時間とは、作業中ではないが指示されればすぐに作業に取り掛かれる状態の時間のこと。

第11問

  • (ア)「固定長期適合率=固定資産/(固定負債+純資産)」。固定比率に似た指標で、長期的な支払能力を表す。低いほど安全性が高く、一般的に100%以下が望ましい。
  • (ウ)利益というと営業利益、経常利益などがあるが、利益率の計算では断りがなければ税引き後当期純利益を指す。このことを知らなくても、どの利益を用いて算出しても30%にはならないのでこの選択肢は誤りだとわかる。
  • (エ)「当座比率=当座資産/流動負債」。短期支払能力の指標。流動比率は流動資産/流動負債で表されるが、流動資産に含まれる棚卸資産(商品)はすぐには現金化できないので、流動資産の中ですぐに現金化できる当座資産を分子としている。

与えられた資料における科目は次のように分類される。

  • 固定資産: 建物、備品
  • 当座資産: 現金預金、売掛金
  • 流動負債: 売掛金

第12問

自己株式を株式市場から現金で買い戻し、自己株式を消却している。

まず、現金を支払うことで流動資産が減少する。

そして、自社で保有している自己株式は資産として扱われないため、買い戻した時点で株主資本は減少する。よって純資産が減少する。

固定比率=固定資産/純資産

第13問

(ア)「営業活動によるキャッシュ・フロー」は直接法と間接法のいずれかの表記法を選べる。損益計算書の税引前当期純利益は「営業活動によるキャッシュ・フロー」と大体同額なので、これをそのまま記載して、誤差を調整するのが間接法だ。

(ウ)キャッシュ・フロー計算書における「現金及び現金同等物期末残高」は3ヶ月以内に現金化できるもの、貸借対照表における「現金及び預金の期末残高」は1年以内に現金化できるものを指す。

第14問

  • (ア)製造間接費の配賦計算が困難である伝統的原価計算にたいして考案されたのがABC である。
  • (イ)製品の製造プロセスを分類したのが活動(cost pool)であり、それを元に製造間接費を算出するための基準がcost driverである。
  • (ウ)製造業において多品種少量生産の傾向が強まったことにより、間接費の算出が難しくなってきたのがABCが考案された背景にある。

第15問

  • (ア)問題文中の「売り手」と「買い手」が原資産のことなのかオプションのことなのか不明瞭。
  • (イ)オプションの「買い」は権利放棄ができるが、「売り」の場合はできない。そのため、リスクヘッジの目的では「買う権利」のみが購入対象である。
  • (オ)先物取引の代表としてオプション取引、スワップ取引、為替予約がある。

第17問

複利現価係数は等比数列、年金現価係数は等比級数とそれぞれ関連している。

第18問

超過収益力=「ポートフォリオのリターン」-「ベンチマークのリターン」

株価はベンチマークの代表例だ。株価は企業や市場環境に関する情報に応じて随時変動しているが、情報に対して即座に変化できるわけではなく、ラグがある。このときポートフォリオのリターンとベンチマークのリターンとの間にも差が生まれ、超過収益率が0からズレる。その後、株式市場はその情報を織り込んで取引されるため超過収益率は0に戻る。

第20問

債権には利付債と割引債がある。利付債は発行金額と額面金額が等しく、単利の利息が毎期得られる。割引債は利息が得られないが、発行金額が額面金額より安く、その差額は複利で算出される。

rを利回りとすると、121=100*(1+r)^2が成り立つ。121=11^2 だからといって(イ)の11.0%を選ぶのは軽率だ。

第21問

  • 損益分岐点比率=損益分岐点売上高/売上高
  • 変動費率=変動費/売上高=売上高✕変動費率

第22問

リターンやリスクの大小を元に選んだ合理的なポートフォリオを「効率的ポートフォリオ」と呼び、その集合を効率的フロンティアという。資本市場における資産の価値の比率を元に組んだポートフォリオを市場ポートフォリオといい、これは効率的ポートフォリオの一つである。

ポートフォリオを組むための予算に限りがある時は効率的ポートフォリオは曲線になるが、無制限の借入金が可能だとすると、直線になる。これを資本市場線という。

効率的ポートフォリオを「安全証券と市場ポートフォリオとの組み合わせ」とした問題文の正確性は怪しい。

第23問

減価償却費は費用の一種だが現金の支出は伴わない。この減価償却費には当期の利益を目減りさせることで節税する効果がある。

第24問

  • (ア)「PER=時価総額/当期純利益」である。資金を自己資本で調達すれば時価総額が高まることになる。
  • (ウ)「企業の市場価値」の定義が不明。

中小企業診断士 一次試験 令和2(2020)年度 「A 経済学・経済政策」の解説

A 経済学・経済政策

問題(PDF)解答(PDF)

第1問

日本は2016年に安倍晋三首相、黒田東彦日銀総裁の元でマイナス金利政策が導入された。

第2問

日本の輸入元は中国が圧倒的。輸出先はアメリカと中国がほぼ同規模。

中国からの主な輸入品は電気機器。中国への主な輸出品は半導体や集積回路。

アメリカへの主な輸出品は、自動車や自動車部品。アメリカからの主な輸入品は大豆や集積回路。

第3問

第5問

45度線分析(Keynesian cross diagram)の問題。デフレ・ギャップは、潜在GDP(完全雇用が実現している状況でのGDP)における需要量と供給量の差である。対義語にインフレ・ギャップがある。

AE = BE なので、どちらか一方だけが正しい選択肢ということは有り得ない。よってデフレ・ギャップの意味を知らなくても(ア)と(ウ)は除外できる。

第6問

IS-LM分析の問題。IS (Investment-Saving)曲線は財市場、LM (Liquidity preference-Money supply)曲線は金融市場の均衡を表している。貨幣市場(money market)は金融政策によって操作でき、財市場(goods market)は財政政策によって操作できる。

GDPが増えると、貨幣需要が高まり、利子率も高まる。これがLM曲線が右上がりとなる理由だ。

不況のとき、金利を引き下げても投資が増えないことがある。このとき、投資関数(縦軸が利子率、横軸が投資水準)は垂直である。同時にIS曲線も垂直である。

不況のとき、マネタリーベースを増やしても金利が下がらないことがある。このとき、流動性選好関数(縦軸が利子率、横軸が貨幣量)は水平である。同時にLM曲線も水平である。

投資関数が垂直ということは、政府支出を増加させても民間投資が減ることはないということだ。

第7問

Tobinのq とは、「企業の市場価値 / 資本の再取得価格」で表される。ここで言う資本とは資本ストック(減価償却控除前の固定資産)を指し、総資本ではない。

  • (ア)企業の市場価値は「株式時価総額+負債総額」だ。
  • (ウ)企業の市場価値はストックであるのに対して投資費用はフローなので、比較するのは無意味。

第8問

  • (ア)労働力調査は15歳以上を対象としている。
  • (イ)「賃金の伸縮性」とは、賃金が変動する柔軟性のこと。この用語は高度に専門的なので受験者が知っていることを想定して作問したとは考えにくい。選択肢に分からない用語が含まれている場合は偽として良さそうだ。構造的失業とは、就業条件のミスマッチによる失業のこと。
  • (ウ)循環的失業とは景気循環に伴う失業のこと。
  • (エ)摩擦的失業とは求職中における失業のこと。

第9問

  • (ア)Menu Costとは、メニューの書き換えといった価格変更に伴う費用のことで、価格の硬直性の原因になる。
  • (エ)「実質賃金=名目賃金 ÷ 物価」なので、名目賃金よりも価格が下方硬直的ならば実質賃金は下がりやすくなる。

第10問

現金・預金比率cとは「現金÷預金」のこと。「monetary base=現金+準備預金」と「money stock=現金+預金」から、「貨幣乗数=(c +1) /(c +預金準備率)」が得られる。

このような考え方をしなくても、現金の保有性向が高まるということは「money stock-monetary base」が減るので貨幣乗数が下がることが直感的に分かる。

第11問

(a)財政拡大によって通貨高となり、純輸出が減る。これによって民間需要が相殺される。

第12問

生産量がQ0のとき、生産者側は価格をP1に設定したいが、生産者間の価格競争により限界費用P2にまで下落する。生産量がQ0のとき、生産者側は価格をP1に設定したいが、消費者は最大でも限界便益のP2でしか買ってくれないので、この価格まで下落する。

第18問

SとS’の価格差が「単位数量あたりの外部不経済」である。よってピグー税を導入しないとき、四角形EFGHが外部不経済である。

第19問

課税による社会的余剰の減少分を死荷重または超過負担という。

第20問

完全競争市場では多数の供給者が存在していることを想定しており、その市場における財は同質であるため企業の価格支配力は効かない。このような企業をPrice Takerという。

一方で独占的競争市場では財の差別化を可能としているため、企業は価格支配力を持つことができる。このような企業をPrice Makerという。

居酒屋は製品差別化ができる独占的競争市場の一例だが、厳密に製品差別化できるわけではないので、需要や利潤が現象することは有り得る。

第21問

2部料金制は、基本料金と従量料金の二段構え。最適な生産水準は需要曲線Dと限界費用曲線MCの交点にあるが、この点が平均費用曲線ACより下にある場合は企業は赤字になる。そこでこの差額を消費者に負担させるのが基本料金である。

中小企業診断士 一次試験 令和元(2019)年度 「C 企業経営理論」の解説

C 企業経営理論

問題(PDF)解答(PDF)

第1問

  • (ア)「事業の定義」とは、「誰に・何を・どのように提供するか」を決めることである。
  • (イ)事業ドメインの説明をしている。
  • (ウ)全社戦略策定は企業ドメインで行う。
  • (エ)企業ドメインの説明をしている。
  • (オ)事業ポートフォリオの決定は企業ドメインで行う。

第2問

  • (ア)事業間のシナジーが考慮されていないのがPPMの欠点とされている。
  • (イ)衰退市場にある「金のなる木(Cash Cows)」は、資金投入ではなく削減による事業合理化が望ましい。また、成長市場にある「問題児(Question Mark)」には資金投入が望ましい。
  • (ウ)「花形(Stars)」は成長市場にあるので、資金投入すべきであり資金供給源にはならない。
  • (オ)「金のなる木(Cash Cows)」の余剰資金を、成長市場にある「花形(Stars)」や「問題児(Question Mark)」に注入する。

第3問

Ansoffは部分的無知(partial ignorance)の状況下での意思決定として、組織の上層部から順に戦略的、管理的、業務的意思決定を定義した。

選択肢にある「非対称情報」は情報の非対称性のことだと思われる。

第5問

(イ, ウ)戦略的提携では、織的な統合や経営資源の合体は行わない。

第6問

「業界の構造分析」とはM. Porterが論じた「5つの競争要因」を指す。

  • (ア)成長市場では市場が飽和していないため、競合は発生しにくい。
  • (イ)顧客のスイッチング・コストは買い手の交渉力の一要素。
  • (ウ)固定費が高いと利益率が圧迫される。
  • (エ)多様なバックグラウンドを持つ企業はシナジー効果を利用できるので、業界の競合が緩和するとは限らない。
  • (オ)撤退障壁が高いと、プレイヤーが減りにくいので競合は緩和しにくい。

第7問

  • (ア)この選択肢が正解なのだが、大抵「コスト優位」は「高い市場シェア」の結果というより因子である。コスト優位を実現するために高い市場シェアを維持できるのは、コストを吸収できるだけの資金力のある企業だけだろう。
  • (イ)規模の経済が単位製品あたりの固定費を減少させる効果に起因するのに対して、経験効果は技術の精錬による生産の効率化に起因している。
  • (オ)シナジー効果は規模の経済ではなく範囲の経済に因るもの。

第8問

デジタル化された製品は複製が容易なため、固定費が相対的に高くなる。

「P = MC」は完全競争市場における利潤最大化の必要条件である。「IoTの普及によって限界費用ゼロ社会が訪れる」と予言するJeremy Rifkinの著書がある。

「デジュール標準(de jure standard)」はデファクト標準の対義語で、公式に制定された標準を指す。

「リバース・イノベーション」とは、途上国で起こしたイノベーションを先進国に導入すること。一般的にイノベーションは先進国で起きることからリバースの名が付いている。

第9問

キャズムの理論では、顧客層はInnovator, Early adopter, Early majority, Late majority, Laggardに分けられ、Early adopterとEarly majorityとの間にchasm(市場の分断)があるという。

大きな収益が見込める市場はEarly majority, Late majorityなので、彼らへのマーケティングが重要である。Laggardを振り向かせようとする必要はない。

第10問

  • (ア)社内ベンチャー新規事業に関する学習装置としての機能も果たす。
  • (エ)他社への経営について、「ハンズオン」は深く関わり、「ハンズオフ」は浅く関わることを指す。社内ベンチャーは文字通り社内の組織であるから、ハンズオフより親会社の関与は深い。

第13問

不確実性とは情報量の不足を指す。これを除去するためには効率的なコミュニケーションが望ましい。

多義性とは必要な情報に多様な解釈があって、どのような情報を集めればよいかわからない状態を指す。この場合、双方向性のあるリッチなコミュニケーションによって解釈の不一致をなるべく減らすのが望ましい。

第14問

シングルループ学習(低次学習)とダブルループ学習(高次学習)はChris Argyrisが提唱したものだ。シングルループ学習は、過去の成功体験を踏襲し、既存のプロセスを繰り返して効率化や改善を目指す手法。これに対してダブルループ学習には、価値観や行動基準の振り返りも組み込まれている。

  • (ア)Douglas McGregorは、「人は、強制や命令がないと働かない」というX理論、そして「人は、自ら設定した目標に対しては積極的に働く」というY理論を提起した。
  • (イ, オ)シングルループ学習は基礎的な学習と位置づけられており、忌避すべきものというわけではない。
  • (エ)シングルループ学習は過去の成功体験を踏襲するだけで原因の考察は行わない。そのため迷信的学習に陥りやすい。

第15問

  • (ア)スラックとは余裕資源のことで、リーン・スタートアップとは対照的な用語。スラックがあれば、部門同士の資源依存が減ることになるので、独立性は高まりコンフリクトは減る。
  • (ウ)「部門間の知覚」とは、部門毎の環境や目標に対する従業員の認識のこと。
  • (エ)「目標が共有されている」を「目標が共有されていない」に読み替えると正しい文になる。目標が共有されていない場合、従業員は自身が属する部門の目標の達成を目指すので政治的工作やバーゲニング(交渉)が起きる。

第17問

  • (ア)F. Fiedler は、リーダーを人間関係志向型とタスク志向型に分け、「リーダーと部下の関係」「課題の明確さ」「課題に与えられたリーダーの裁量の大きさ」によって適性が異なると論じた。
  • (イ)Situational Leadership理論では、リーダーシップを人間関係志向とタスク志向i応じて指示型・コーチ型・援助型・委任型の4種類に区分した。部下の成熟度によってリーダーシップの適性が異なる。
  • (ウ)「部下」と「フォロワー」は同義。Path-goal theoryでは、リーダーシップを指示型・支援型・参加型・達成志向型の4種類に区分した。達成志向型は困難な目標(ゴール)を設定しながら道筋(パス)は放任している点で、理論的な説得力に欠ける。
  • (エ)リーダー・メンバー交換理論では、リーダーが部下を差別して、内集団と外集団に区分するようになると指摘している。

第19問

協調戦略には交渉、包摂、結託がある。

第21問

職能資格制度は年功主義的な人事管理の基盤ではないが、年功序列に変容しやすい。また、社内等級というポストとは似て非なる制度も合理性がない。

第22問

従業員はマジメに働い(8割以上出勤し)ていれば誰でも有給休暇を得られるが、会社には著しい不利益を避けるために時季変更権が与えられている。

第23問

2020年度から、時間外労働の上限は月45時間となった。残業(平均して週あたり40時間を超える労働)が80時間以上で、疲労の蓄積があり、本人からの申し出がある場合は、医師による面接指導が企業に義務付けられている。

第24問

  • (ア)男女雇用機会均等法により、妊娠を退職理由として規定する契約は無効である。これは「契約自由の原則」に優越する。
  • (ェ)妊娠や出産を理由とした解雇は無効である。

第26問

  • (イ)顧客との関係構築を重視するマーケティングの考え方はBtoBからBtoCへ応用されている。
  • (ェ)顧客生涯価値 = 顧客単価 × 粗利率 × 購買頻度 × 取引期間 - 顧客の獲得・維持コスト

第28問

(ウ)導入期の主要顧客は”innovator”である。

第29問

  • (イ)の「専ら」、(ウ)の「常に」という限定的表現には注意。
  • (ウ)製品開発のための資金をオンライン上の多数の消費者から調達するのは”cloud funding”。”cloud sourcing”とはオンラインで業務の外部委託をすること。

第30問

設問1
  • (イ)dynamic pricing は昔から宿泊施設や交通機関で採用されてきた手法だ。
  • (エ)デジタル財には非排他性、複製可能性、非空間性という性質がある。非排他性とは、複数の人が同時に使用でき、しかも劣化しないという性質を指す。
設問2
  • (ウ)owned media が企業が運営するメディアを指すのに対して、earned media はユーザーや消費者が情報発信するメディアを指す。
  • (エ)企業と無関係な消費者であるかのように振る舞って情報を受発信するマーケティング手法は”stealth marketing”である。

第31問

設問1
  • (ア)需要の交差弾力性(Cross elasticity of demand)は「製品Bの需要量の変化率/製品Aの価格の変化率」で表せるが、この定義を知らなくても選択肢文の「製品Aの価格変化が製品Bの販売量にもたらす影響」からこの選択肢が偽なのが分かる。
  • (イ, エ)交差弾力性が正ならば代替財、0ならば独立財、負ならば補完財。
  • (ウ)「威光価格」は心理的価格の一種で、高品質、高級感などの価値を伝えるシグナルとして敢えて高価格で販売するマーケティング手法。購入頻度が少なく、品質や効果など製品価値の判断が難しい商品に多く用いられる。
設問2
  • (イ)skimming price (上層吸収価格)は、富裕層やinnovatorのような市場の上位層を狙った設定価格のこと。投資の早期回収が主な目的である。威光価格と類似した概念で、独自性が高く模倣されにくい製品に付けられる。
  • (エ)キャプティブ価格(Captive Product Pricing)とは、本体価格は安くし、付属品の価格を高くしてswitching cost を引き上げる戦略。

第32問

設問1

(ウ)知覚マップ(Perceptual Map)は、顧客があるブランドや製品に対して持つイメージを可視化したもの。これに対して、positioning mapは企業がブランドや製品に対して付与したいイメージである。

設問2

(エ)Lead Userは、イノベーター理論におけるInnovatorやEarly Adaptorに近いが、企業の製品開発に貢献する点が異なる。探索的調査は仮説を建てるための調査。検証的調査はその仮説を基にしてアンケートやインタビューを行い、問題の原因や解決策を調べる。

設問3

(エ)この選択肢を正しく解説できている人は少ないだろう。男女それぞれの母平均の差の検定を行いたいので、カイ二乗検定ではなくt検定を利用する。カイ二乗検定は母分散や適合度の検定に用いられる。

第33問

設問1
  • (ア)知覚品質とは、同じ目的の他の代替品と比べた時に感じる品質のこと。
  • (イ)不可分性(同時性)は、サービスの生産と消費が不可分であること。
  • (ウ)消滅性とは、在庫を持つことができないということ。
設問2
  • (ア)サービス・トライアングルは、顧客・サービス提供者・企業の関係を指し、三者関係のバランスを図ることが大事とされる。
  • (イ)サービス・プロフィット・チェーンは、「従業員の生産性が向上」⇨「顧客満足が向上」⇨「企業収益が向上」⇨「従業員の生産性が向上」というサイクルを説いている。
  • (エ)「真実の瞬間」は主にサービス業を用いられる用語で、従業員が顧客と直に接する状況を指す。顧客は従業員の態度から企業の印象を決めてしまうことに由来する。
  • (オ)SERVQUALは、サービスの品質を有形性、信頼性、応答性、確実性、共感性の5要素から評価するもので、二時点間の差を比較することが推奨されている。

第34問

マーケティングにおける関与(involvement)は、製品やサービスに対するこだわりの強さである。関与が強いからといってその製品に好意的だとは限らない。