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令和3(2021)年度大学入学共通テストの解答・解説

本試験

現代社会(公民)

センター試験から共通テストに移行して最も大きな変化を遂げたのが社会科ではないだろうか。純粋な暗記科目であったのが情報処理能力を要求されるようになった。「現代社会」では、ディベートやデータの処理などの問題が増加した。

国語

評論文のテーマは「妖怪の現代における解釈」だった。受験生が小学生の頃に妖怪ウォッチが大ブームとなっているので、「受験生が出来るだけ関心を持てるテーマを出題したい」という意図があったと思われる。全体的に難易度は高かった。

第1問[12]は不適切問題。ドッペルゲンガー見たのは主人公である「僕」ではなく”K君の夫人”や”隻脚の翻訳家”であるので、彼らが不安定な存在とは言えるが、主人公に対しては言えないからだ。

英語

発音の問題は完全に廃止され、イディオムの知識も余り必要なくなった。その一方で読むべき英文の量は顕著に増加し、時間内に全てを解き切るのは難しくなった。

  • factとopinionについての問題は、選択肢を読むだけで正解が得られる場合があった。
  • 第5問: 問1と問2は文章全体を読んで判断する必要がある問題なので、後回しにするのが良い。

リスニングは配点が今回から50点から100点になった。試行調査ほど難しくはない。

数学

出題形式は、共通テスト試行調査とセンター試験の中間といった印象。状況設定が実用的であったり複雑になったので読解に時間が掛かる。その代わり問題数は減少したので難化したとは言えない。

IAは第5問が難関大レベルの超難問だった。

IIBは、伝統的に三角関数の合成が頻出だったが、まさかのcosバージョンが出題されて出鼻を挫かれた人は多かったのでは?しかし全体的には易しかった。

物理

「2本の動く導体棒」や「ブリッジ回路」など、二次試験レベルのテーマが出題されたのが特筆に値する。問題の難易度は上がった代わりに問題数が減ったので、出来不出来が大きく分かれるだろう。

第2問問6は難問。ネット上でまともな解説をしているのは東進くらいだ。

化学

化学も本来は知識量が物を言う科目だが、思考力を要求する科目へと変貌した。ポリペプチドの計算問題は過去に東工大でも類題が出題されている。他にも周期表や水素結合など、東工大入試の化学を参考にしたとしか思えないような問題がいくつか見られた。

考察

センター試験が平均点6割となるように作られていたのに対して共通テストは5割となるように作られているので難化は予想できた。それにも関わらず平均年が例年並みだったのは、コロナ禍に伴う高校行事や外出機会の減少により勉強時間が増えたことが大きいと思う。来年度はその反動で更に難化しそうだ。

暗記では太刀打ちできない問題が大幅に増えたので、得点に差が付いただろう。

共通テスト試行調査の問題内容と比べると、国語や数学は従来のセンター試験と大差ない内容だった。これは、記述式の削除などの混乱があり共通テストの出題方針を十分に反映した問題を作成する余裕が無かったためかもしれない。来年度以降、新傾向の出題が増えるだろう。

共通テストへの移行による出題傾向の変化は、暗記主体の勉強からの脱却を促す狙いが感じられて概ね歓迎すべきものだ。ただし、我が国の大学教育制度は「入学し難く卒業し易いもの」から「入学し易く卒業し難いもの」に根本的に改革すべきで、今回の入試制度改革は単なるその場しのぎに過ぎないことを教育関係者は理解するべきだ。

追試験

数学に関しては、多くの解説サイトがあるが、そのの多くは質が低い。「やさ数」が良質なのでオススメ。

高校数学IIB センター追・再試験 H31 (2019)年度の解説

本試より全体的に難しい。

問題, 解答

第1問

〔1〕

(2)

直線が接している曲線が円であるので、「点と直線の距離の公式」を利用するのが筋が良く、この解法が最も速い。また、二つの図形の共有点が一つである事に着目して二次方程式の判別式を用いる方法もあるが、遅い。

接線の傾きと法線が円の中心を通る事を組み合わせると良い。

(3)

線分OB – 線分OAという計算は余りに煩雑。円の弦の長さを求めるという事なので、(2)で使った「円Cの中心と直線lの距離」と三平方の定理を使って解く。4点という高配点なのは、円の性質を活かさないと解けないからだろうか?

AB=2 という事は円Cの中心を通るので計算するまでもない。

〔2〕(3)

数学的読解力が必要な応用問題。

[ヌ]でlog k 2 が正の小数となる事を確認している。

[ネ]は、対数記号の無い式を作るために左辺にも対数記号を導入した上で両辺を比較する事で打ち消している。

[ハヒ]は、kが大きくなればmは小さくなるという対数の性質に注意。与えられた不等式からはkを幾らでも小さくできそうだが、小数点第一位が3になってはいけないので、2/10 ≦ log k 2< 3/10 である。

第2問

誘導が下手で、数学とは無関係の推理力が試されている。

(1)

q=-3p と分かったので、今後はqを使わないで計算が進んでいく。

接線の傾きが最小となるのは、曲線Cは奇関数なのでs=0と分かる。

(2)

ここまでで躓いていても、y=-x との共有点は、曲線Cは奇関数なので1か3しか有り得ない所までは絞れる。グラフを描いて接線と y=-x を比較すると分かりやすい。

[セ]は、「r=∞」∧「pの値に上限と下限がある」ならば共有点は1しかない。[ソタ]は接線の傾きが-1以下なら共有点が1個に抑えられるので、-3p=-1 より1/3と分かる。

(3)(4)

(2)で躓いていても全て解けるし難しくない。13点分あるので捨てるのは勿体ない。大問の終盤問題は配点が高いので目を通しておこう。

第3問

(1)部分分数分解した式の各項の分母の差がこの問題のように「2」であれば、数列の和は、初めの2つの正数と最後の2つの負数が残る。

(2)難しくはないが、計算量がやたら多くて辟易する。コンピューターがある時代に計算力を求めるのは甚だ時代錯誤である。

第4問

(1)仮にOPとOQの長さが異なっていても、長さを揃える事でOAを求められる。

高校理科(化学) センター本試験 H31(2019)年度の解説

解説

第1問

問2

計算しなくても、単位格子の原子の数と求めた後にモル質量Mとアボガドロ定数が比例する点に着目すれば正しい選択肢を選べる。

問5

  • (4)アルキル基の炭素数が増えると無極性を帯びてくる。
  • (5)四塩化炭素は正四面体の構造なので無極性。

第2問

問1

過酸化水素は「2H+2O」という最も高いエネルギー状態にするために、「O-Oの結合エネルギーを与える」という操作を一回、「O-Hの結合エネルギーを与える」という操作を二回する必要がある。

問3

硝酸銀水溶液と塩化ナトリウム水溶液を同体積ずつ混合するとモル濃度をそれぞれ1/2で計算する必要がある。

問5

選択肢の数式の複雑さを見てやる気が失せるね。まず、問題内容を正確に把握する必要がある。硝酸アンモニウムの溶解熱が溶液全体に広がり熱を下げたのだ。

初めにこの溶解熱を算出する。- 26 kJというのは硝酸アンモニウム1 molあたりの熱量なので、1 gあたりにすると- 26 / M (kJ / g)だ。実際に発した熱量は – 26 m / M (kJ) である。

これが溶液全体に広がり温度を変化させた。なのでこの熱量と比熱c と水溶液の質量 Vd+m を使って立式する。

計算する前に、吸熱反応なので符号がマイナスのものと、単位がKになるものを選ぶことで選択肢2と4に絞れる。また、温度が変化するのは水そのものではなく硝酸アンモニウムも含んだ水溶液なので、対象となる質量は「Vd+m」である。

第3問

問2

  • (2)アルカリ金属とアルカリ土類金属は激しく反応する。 Beは高温水蒸気、Mgは沸騰水と反応する。
  • (3) BeとMgは炎色反応陰性。
  • (4)炭酸塩と硫酸塩はアルカリ金属は可溶だがアルカリ土類金属は難溶。

問3

  • (1)ちなみに過剰のNaOHを加えても溶解しない。
  • (2)ちなみに過剰のNaOHを加えても溶解しない。
  • (3)ちなみにFe2+だと青白色の沈殿。また、[Fe(CN)6]3-にFe3+を加えると褐色溶液になる。
  • (4)配位数4の錯イオンは基本的には正四面体。Cu2+が正方形となるのは、実はこの錯イオンは[Cu(NH3)4(H2O)2]2+という配位数6の正八面体であり、H2O を省いて表している為(セルロースを溶かすシュヴァイツァー試薬がこの構造を持つ)。

問4

  • 1.白金触媒を使うのは一酸化窒素が不安定で生成しにくいのを補うため。
  • 3.ちなみに一酸化炭素も水に不溶だ。二酸化窒素は可溶。
  • 4.有色の気体としてCl2(黄緑)、NO2(赤褐)、O3(淡青)がある。

問5

それぞれの分子式とAg2CrO4が沈殿すると知っている必要がある。クロム酸カリウムイオンと銀イオンの比が1:2なので、試験管番号4で最大量の沈殿を得られる。選択肢は1と2に絞られたので試験管番号4の具体的な沈殿生成量を計算する。計算は積より和を優先して全体の分子量は332、物質量は4.0 * 10-4。桁を計算するまでもなく(1)が正解。

第4問

問1

5.置換反応によりクロロベンゼンが生じる。ヘキサクロロシクロヘキサンは紫外線照射による付加反応で生じる。ベンゼン環は安定した構造なので、それを壊す付加反応は置換反応より大きなエネルギーが必要となる。

問3

還元されているわけだから、Hが多くOが少ないものを候補として選ぶと良い。

問4

カルボニル基を持つので、環状構造は除外される。その上で分岐構造物も含めて数える。

問5

メタンの沸点は- 162℃なので装置Bは不適。メタンの分子量は16で空気は平均分子量29 なので装置Cは不適。

第5問

問2(1)アセテート繊維は、セルロースをアセチル化して加水分解して作られる。

第6問

問1

ホルムアルデヒドは基本的には分子同士を繋げて網目状にする為に脱水縮合して用いられる。したがって樹脂はホルムアルデヒドを用いる。

また繊維の一種であるビニロンは、ポリビニルアルコールがポリマー内に持つ ヒドロキシ基の幾つかをホルムアルデヒドが脱水縮合(アセタール化)して作られる。アセタール化によってヒドロキシ基が減少し、水に溶けなくなり繊維として使える。

アクリル繊維はアクリロニトリルが付加重合したもの。

第7問

問1

  • (2)二糖類は全てC12H22O11で表される異性体である。
  • (3)スクロースは果糖とブドウ糖になる。転化糖は蜂蜜やジャムなど身近にある。
  • (4)糖類の還元性は、グルコースの炭素1位が開環して鎖状に変化した際に、アルデヒド基を持つため(ヘミアセタール構造)。マルトースは1位と4位がグリコシド結合するので1位が一つ残り、還元性を持つことになる。
  • (5) ラクトースはβガラクトースとβグルコース に分解する。二分子のグルコースになるのはマルトースやセロビオース。

高校理科(化学) センター本試験 R2 (2020)年度の解説

東進の解説

第1問

問1

(2)一価の陰イオンになっても半径は変わらなそうだが、価電子同士が反発しあって大きくなる。これを知っている人は少ないだろう。

(4)の内容が誤りを含むので正答。単体の酸化作用が原子番号が小さいほど強いのは、最外殻と原子核との距離が短くクーロン力が強いため。(5)も同じ理由である。

問3

混合気体の状態方程式で扱う場合は平均分子量を算出する必要がある。

問4

液面より上にある試験管内の物質の重量は常に等しいという点に着目して立式する。水銀柱の問題は、気圧=P、水銀柱の高さ=a、気液平衡時の水銀柱の高さ=b とすると、飽和蒸気圧はP(a-b)という簡単な式で表される。

問5

この問題はファントホッフの法則を知っていないと解けない。計算が煩雑な割に選択肢から正答を特定しにくい。

第2問

問1

生成熱の反応熱を求める場合は、反応式を、右辺の生成物を1 mol として揃える。したがって熱化学方程式は「3Fe + 2O2 = Fe3O4 + Q(kJ)」となる。

問4

元のグラフに変化を及ぼす要素として、反応速度とルシャトリエの原理の二つが絡んでくる。条件Iでは、反応速度が下がる事に加えて、温度を下げる事でそれを補おうと熱を発する状態に平衡が移動する。

問5

この色素は、pH5以下の時にハッキリと赤くなり、pH7以上の時にハッキリと黄色くなる。したがって指示薬として利用するには、中和点に達した際に「黄→赤」または「赤→黄」という色の変化を観察できることが条件だ。ゆえに滴定曲線が急峻になっている領域にpH5~7を含んでいるアとエが正解。

第3問

問1

(4)ストロンチウムはアルカリ土類金属なので炎色反応(深紅色)を示す。

問2

  • (1, 2)水酸化銀と水酸化銅は共に熱的に不安定なので、脱水して酸化物となり沈殿する。
  • (3)二酸化マンガンは触媒として働いている。H2O2がもう一つのH2O2に水素を与えて水を生成しているので還元剤。
  • (4)フッ化水素酸と反応して錯体のヘキサフルオロケイ酸H2[SiF6]になる。

問3

操作Iは塩化物イオンと沈殿を作る主な塩を問われた簡単な問題。系統分析の問題は必ず錯イオンの発生を扱うので、操作IIは錯イオンを作るものと分かる。

過剰NaOHで錯イオンを作る金属イオンは両性元素。AlとZnはどちらも両性元素なのでろ液となってしまうので不適。したがって過剰アンモニアと分かる。

ちなみに、硝酸は沈殿を作らないので不適。硫酸もアルカリ土類金属と鉛以外とは沈殿を作らない。過剰アンモニアで作られる配位子はNH3で、金属イオンはCu2+, Ag+, Zn2+

問4

A: Ca(OH)2, B: CaCO3, C: Ca(HCO3)2, D: CaO

(1)アルカリ金属とアルカリ土類金属の水酸化物は全て強塩基。

問5

この反応式は、正極と負極それぞれの反応式を纏めたものなので、電子のやり取りが分かり難い。それでも、放電時のNiの酸化数の変化量が-1であることや、水素吸蔵合金が一つの水素をやり取りしている事から、Niの1 molに対して電子も1 mol がやり取りされていると分かる。

この電池については松永プレシジョンの解説が詳しい。

第4問

問1

化合物の物質量を立式すると 30 * 10-3 / (140 + n) となるが、これを上手く約分するnの値は選択肢2だ。

問4

含まれている原子の種類が多いものが光学異性体である確率が高い。

問5

a

  • (1)エステル化を促すために濃硫酸の脱水作用を利用した。
  • (2)H2SO4 + NaHCO3 → NaHSO4 + H2O + CO2
  • (3)エーテルは水より軽い。
  • (4)酢酸エステルは果実臭を持つ。

第5問

問1

実は分子構造や構成分子を憶えていなくても解ける。

  • a: アミド結合を持つポリアミド系合成繊維はナイロン6とナイロン66の2つであり、ナイロン66の「66」の由来はアジピン酸とヘキサメチレンジアミンがそれぞれ炭素原子を6個持っているから。
  • b: ゴムは主鎖に二重結合を持っている。またゴムは付加重合または共重合によって出来ているので、二重結合を持つ分子が元になっている。また、SBRは ベンゼン環を含んでいるので強度が高く、「スチレン・ブタジエンゴム(styrene-butadiene rubber)」の略でもある。

第6問

問1(2)架橋構造は、ホルムアルデヒドを脱水縮合して橋渡して出来ている。

第7問

問1

(1)三次構造を安定化させる結合にはジスルフィド結合(S-S結合)、イオン結合、水素結合、疎水結合がある。

高校公民(現代社会) センター追再試験 H31 (2019)年度の解説

問題 , 解答

第1問

問1

  • (2)第一反抗期は幼児期にあるもので、 第二反抗期 は青年期。
  • (4)レヴィンは青年期について「マージナルマン」として分析した。

問3

  • (1)説明文はキチンの波。クズネッツの波は 建設投資の変動による 約 15 年~ 25 年周期の波。
  • (2)説明文はジュグラーの波。コンドラチェフの波は 技術革新による約 50 年~ 60 年周期の波。
  • (3)デフレーションの説明。

問4

(3)労働組合法が労働三権を規定している。労働関係調整法は労働争議や争議行為について規定している。

問6

  • (1)1998年に金融監督庁、2000年に金融庁が設立。
  • (3)不動産市場や株式市場への資金流入という需要サイドが原因。
  • (4)引き下げが一因。

問7

  • (2)外貨準備ではなく硬貨。
  • (4)これは「銀行の銀行」の説明。紙幣を独占的に発行するのが発券銀行。

問8

(3)日本企業はドルを手に入れる事になる為、ドルを売って円を買おうとする。ゆえに円高ドル安になる。

第2問

問1

(1)国連の経済社会理事会(ECOSOC)が認定する。

問2

  • (1)PKO協力法に基づいている。
  • (2)憲章上の規定はない。
  • (4)平和のための結集決議は朝鮮戦争を巡るもの。

問3

  • (2)説明は長距離越境大気汚染条約。ワシントン条約は絶滅の恐れのある野生動植物の取引を規制する条約。
  • (3)説明はウェストファリア条約。不戦条約は第一次世界大戦後に締結された。
  • (4)国際人権規約ではなく女子差別撤廃条約。

問4

ICCは個人を対象として非人道的犯罪を裁く。国家間の紛争を解決する機関は国際司法裁判所(ICJ)。

第3問

問1

  • (1)『沈黙の春』の著者はレイチェル・カーソン。ボールディングは「宇宙船地球号」という比喩を用いたことで有名。
  • (2)説明はフランシス・ベーコン。
  • (4)アメリカは同年にパリ協定離脱を宣言して他国と足並みを揃えなかった。

問2

(2)後期高齢者医療制度は、医療費の財政負担を緩和するために、老人医療を無償から有償にしたもの。

問4

  • (1)説明はシュヴァイツァー。
  • (3)説明は曹洞宗の道元。浄土宗の法然は、ただ「南無阿弥陀仏」を唱えるだけで誰もが救われるという専修念仏を説いた。
  • (4)説明は真言宗の空海。日蓮は南無妙法蓮華経を唱える事で永遠の真理の象徴である久遠実成の仏と出会い、誰もが現世に浄土を見て即身成仏できるとした。

第4問

問6

(1)裁判官の身分を失うほか様々な権利を失う

問7

  • (2)内閣総理大臣ではなく内閣。
  • (4)内閣ではなく国会。

問8

(4)「国際連合中心」「自由主義諸国との協調」「アジアの一員としての立場の堅持」が三原則。

第5問

問1

  • (1)説明はデモンストレーション効果。
  • (3)ペイオフ解禁は、バブル崩壊後の金融危機を受けて、金融機関の預金の保証額に上限が与えられたこと。

第6問

問3

(3)説明は固定価格買取制度。コージェネレーションはエネルギー源の排熱からもエネルギーを取り出す仕組み。

問4

  • (1)行政手続法は、法的根拠のない行政指導という慣習を改善するのが狙い。
  • (2)予算委員会は国会の常任委員会である。
  • (3)行政裁判所は大日本帝国憲法下で規定されていた、司法権から独立した特別裁判所。行政訴訟は民事裁判の一種である。
  • (4)国や地方公共団体に請求できる国家賠償請求権が憲法第17条に記されている。

高校理科(化学) センター追再試験 H31 (2019)年度の解説

問題 , 解答

第1問

問2

質量モル濃度は分母が「溶媒の質量」である点に注意。質量モル濃度は、沸点上昇・凝固点降下の場面でしか出番がない。

問3

操作Iで体積を減らすと、気体の状態方程式に則れば圧力は増える筈だが、実際には圧力は変わらない。このような直感に反する現象が起きる原因は、容器内が気液平衡…つまり蒸気圧が飽和蒸気圧に達しているからだ。この状態だと圧力が増した分の水蒸気が液体に変わるので蒸気圧はそれ以上は上がらない。

気体の状態方程式は、物質が気体以外の相へは変化しないという条件の上でのみ成立するのだ。

問4

  • (2)配位数は、体心立方格子ならすぐに分かるが、面心立方格子はイメージし難いので絵を描いてみると良い。
  • (4)「すべて」という表現は注意。共有結合結晶は種類としては寧ろ少ない。他に分子結晶、イオン結晶、金属結晶がある。

問6

(1)滴下したそれぞれのNaCl水溶液とNa2SO4水溶液に含まれるNa+の物質量は同じだ。にもかかわらず沈殿発生に違いが出ているという事は、沈殿に作用したのは陰イオンの方だという事だ。すなわちこのコロイドは正に帯電している。

(2)実験Iから0.1mol/L のSO42-があれば沈殿が生じる事が分かったので、K2SO4でもOK。

ちなみに実験Iで、塩化ナトリウム水溶液を滴下しても沈殿しなかったのに、濃度が半分の硫酸ナトリウム水溶液で沈殿したのは、凝析の効果がイオンの価数の6乗に比例するという「シュルツ・ハーディの法則」によるもの。

(3)白濁したのは、FeCl3と水の反応後に生じたHClがセロハンを透過し、硝酸銀と反応してAgClの沈殿を生じたため。

(4)HClの水素イオンが透過した事を示している。

第2問

問1

混合気体の物質量は2mol なので、プロパンの物質量をx mol、 ブタンの物質量をy molとして連立方程式を解くことでxが求められる。しかし選択肢の数値を代入した方が速いだろう。

酸素の物質量は、5 * 0.6 + 6.5 * 1.4 = 12.1となるが、「 6.5 * 1.4 」を「6 * 1.5」にして暗算すると速い。

問2

電流の向きはイオン化傾向を知っていれば解ける。

質量の変化を求めるには、まず亜鉛イオンと銅イオンの価数を知っている必要がある。金属イオンの内、アルカリ金属と銀以外の価数は基本的に2以上である。 亜鉛イオンと銅イオンはともに2価なので物質量の変化はないが、原子量は亜鉛の方が大きいので減る。

問3

陽極と陰極から気体が発生したと書かれているので、陰極で発生した気体は水素である。したがって電解質の内、陽イオンのイオン化傾向が水素より小さいものは不適。ゆえに(1)か(3)だ。

陽極と陰極で発生した気体の物質量が1 : 2 であるので、陽極では2価の陰イオンが反応していると分かる。それは酸素なので(1)が正解。

問4

与えられた式に数値を代入すると、p NH3は9.0 * 105になる。指数を含む計算ではあるが出題者も煩雑にならない様に配慮しているので安心しよう。

気体の分圧と物質量は比例するので、左辺の物質量の総和が右辺のそれの2倍という事は、 NH3 の反応前の分圧は2倍だったという事だ。したがって合計18 * 105 PaのN2とH2が反応したわけだ。この内の1/4にあたる4.5 * 105 Paが反応したN2なので、反応前には5.5 * 105 Paだったわけだ。

問5

緩衝液は、弱酸(塩基)とその塩による水溶液である。中和してしまっている水溶液は緩衝液ではないので、(2)と分かる。

問6

まず、pHが大きいほどxも大きくなるので、右肩上がりのグラフに絞られる。

正攻法は[H+] = (CKa)0.5 の公式を用いる事。代入して10-pH = (10-1 * 10-x)0.5 となる。

公式を使わずとも、与えられた式を使う事もできる。[H+] = [A]より、10-pH * 10-pH / 10-1 = 10-x である。

いずれも 2pH = x + 1 というグラフになる。

第3問

問1

シリカゲルは、網目状の構造をしているので吸水作用があり、乾燥剤などに利用されている。この網目構造を作るには鎖状のケイ酸H2SiO3を脱水縮合させる必要があるのだが、二酸化ケイ素SiO2は4配位の結晶であり水と反応しない為、直接はケイ酸にならない。

そこで、まずはケイ酸をNaOHなどと反応させケイ酸ナトリウムNa2SiO3にして、更に水に溶かす事で鎖状構造の水ガラスを作る。ここにHClを反応させる事でケイ酸を得るのだ。

ソーダ石灰ガラスもシリカゲル同様に乾燥剤。名前から分かるようにCaが含まれているが、問題文ではCaは関わっていないので不適と分かる。

問2

(3)濃硝酸が酸化剤として銀に作用し二酸化窒素を発する。

(4)ギ酸はアルデヒド基とカルボキシ基を併せ持つ。これに濃硫酸を反応させると脱水作用によってH2OとCOに分解される。

問3

金属はそれぞれ、(A)Hg, (B)Sn, (C)W, (D)Ti, (E)Ag である。遷移元素の特徴として融点が高い事、硬い事が挙げられ、この特徴に合わない金属を元素を特定せずに絞り込む事ができる。

問4

実験I: まず、KとNaはアルカリ金属なので沈殿しない。Na[Al(OH)4]に希塩酸を加えるとAl(OH)3の白色沈殿が生じ、更に加えるとAlClとなり溶ける。

実験II: 硝酸イオンは沈殿を生じないので、銀イオンと溶液の陰イオンが沈殿を作ったと分かる。KBr は硝酸銀との反応で淡黄色のAgBrの沈殿を生じる。KOHはAgOHを作るが、Cu(OH)2と同じく熱的に不安定な為Ag2Oとなり褐色の沈殿となる。

問5

炭素の2つの反応式を使って生成したAlの物質量を特定する訳だが、電子と酸素のどちらに着目しても使っても導ける。流れた電子は7000mol、消費した酸素は3500molだ。何れにせよ、2つの式から導いた電子または酸素の物質量は予め足し合わせておいた方が計算は速い。

第4問

問1

結合した原子同士はできる限り離れようとする。共有結合を4つ持つ炭素原子は、他の原子と正四面体型に繋がるので直線状にならない。二重結合を持つ炭素原子は、三角形型になるので同様。三重結合を持つ場合は直線状になる。

問2

アルカンが置換反応を起こすには光が必要なので、これは付加反応である。ハロゲンは、付加反応に紫外線が必要で、置換反応には触媒が必要なので、反応しない。したがって2か3に絞られる。

問3

  • (1)ギ酸はアルデヒド基が酸素を奪うので還元性を持つ。
  • (2)オレイン酸は二重結合が1個、リノール酸は2個、リノレン酸は3個。C17HnCOOHが直鎖アルカンならば、Hがカルボキシ基を除く炭素原子16個に2個ずつ、末端Cに3個あるのでn=35だ。ここではn=29なので二重結合が三つあると分かる。
  • (5)マレイン酸はシス型なのでカルボキシ基同士で脱水縮合し五員環となるが、フマル酸はトランス型なのでカルボキシ基同士が離れており反応しない。

問4

問題文から、構造は五員環とC一つであると分かる。この結合が飽和であればC6H12であるがHが2個少ないという事は二重結合を一つ持っているという事だ。この構造の結合を二重にできるのは4か所。

問5

a

化合物Cは安息香酸、化合物Dはアセトフェノン。NaOHで反応するのは化合物Cで、中和反応によりカルボン酸ナトリウム塩になるので水層に移る。塩酸を加えると弱酸遊離反応で元の安息香酸に戻りエーテル層に移る。

b

  • (1)アルデヒドに対する銀鏡反応
  • (2)ヨードホルム反応
  • (3)アニリンを加えると紫になる。
  • (4)フェノール類に加えると青~赤紫色になる。

第5問

問1

  • (1)ポリプロピレンは容器などに用いられる。接頭辞として「ポリ」が付くなら熱可塑性樹脂だ。
  • (2)紙おむつは、吸水性樹脂であるポリアクリル酸ナトリウムが電離する事で、浸透圧と膨張により吸水する。
  • (3)デンプンの中ではアミロースは鎖状だがアミロペクチンは分岐を持つ。
  • (4)アラミド繊維は テレフタル酸ジクロリド と p-フェニレンジアミンのHClを排出して縮合するアミド結合の一種だ。

問2

エステル化はカルボン酸とアルコールの脱水縮合なので、メタノールが正解。アセチル化というくらいなので無水酢酸とすぐわかる。

第6問

問1

Aはクロロプレンを付加重合したクロロプレンゴム。高校化学で登場する高分子化合物は主鎖に二重結合を持たないが、ゴムは全て持っている。

Bはεカプロラクタムを開環重合したナイロン6。

第7問

問1

  • (1)ヨウ素はデンプンの螺旋構造の中に入り込む事で呈色するが、加熱すると螺旋構造がほどけるため色が消える。冷却すると構造が復活するので再び呈色する。
  • (2)トリペプチド以上が条件である。これは、まずNaOHによって二つのペプチド結合からH+を奪い、そこにCu2+を配位させるためである。
  • (4)赤紫〜青紫色に呈色する。

問2

塩基アがAdenine、イがGuanine、ウがCytosine、エがThymine。名前が分からなくても解けるが。

塩基対を作るのはA-T (水素結合2個)、G-C (水素結合3個) の組み合わせ。したがって、アとエをそれぞれ2倍、イとウ をそれぞれ3倍したものの和が正解。

高校国語 センター追・再試験 R2 (2019)年度の解説

問題 , 解答

大学入試センターの資料

第1問

問2

「この」という指示語は直前の「空いている処をふさぐ、ふさいでいたものをとりはらう」を指し、それは第2段落の要約になっている。

問3

  • (1)「西洋的な思想を遠ざける」という趣旨の文は無い。
  • (2)建築で不動性を忌避してきたとは読めない。
  • (3)(4)行や道は、情が移るというより執着を忌避している。
  • (5)ものづくりは「わざ」として挙げられていない。

問4

  • (1)実を人の作ったあらゆるものの上位に位置付けるという記述はない。
  • (3)抽象的な法則から具体的な問題を捉えようとしたとという記述はない。
  • (4)文中で「知性の標本」として示されているのは「考える事をもって抽象を作る働き」であり、「消えることなく固定化されている具体的な物事」ではない。

問5

「虚とは法則の有無を分ける境目そのもの」という意味の記述はない。

第2問

問2

  • (1)入学準備はまだ進めていない。
  • (2)気遣いではないのは第一段落に書かれている。
  • (3)ひろ子はフジ子との同居を決めてから「生活を変える必要はない」と言っている。

問3

傍線部Bの一文を読んだだけでも、緊迫する状況をどうも真に受けられない雰囲気が伝わってくる。

問4

ここは該当する傍線部の段落を読めば解ける。

問5

105行目の段落から主に読み取っていく。

  • (1)このゴミは確信を得る上での切っ掛けに過ぎない。
  • (2)ひろ子やフジ子が書くことを促し励ました記述はない。
  • (3)当該段落ではフジ子にそこまで焦点が当てられていない。
  • (4)当該段落では地元や勤務先の事も言及されているが、選択肢ではひろ子やフジ子との生活しか述べられていない。

問6

(1)「四畳半と三畳」は隠喩ではなく換喩。

第3問

『恨の介』は江戸時代初期の仮名草子で、実在の密通事件を題材とした恋愛譚である。 問題文は、近衛家の養女雪の前を見初めた葛の恨の介が、雪の前からの手紙に託された内容を解読し、庄司の後家や菖蒲の前の助けを借りて八月十五夜に雪の前の局に忍び入り、ついに契りを結ぶ場面である。

問1

(イ)は現代文なら選択肢3が正解だろうが、当然ながら捻りを入れている。

問3

恨の介が分からなかった和歌表現は、どれも名歌を引用したものだ。

「なき世なりせばの、上の五つの文字なくは」とは、歌「偽りのなき世なりせばいかばかり、人の言の葉うれしからまし」の「いつわりの」が無いのであれば、という意味。

「真葛」とは三条右大臣「名にし負はば逢坂山の真葛、人に知られでくるよしもがな」を指す。誰にも知られないように会いたい、という歌である。

「月の最中」は「水の面に照る月浪をかぞふれば、今宵ぞ秋の最中なりける」を引用して八月十五夜を指す。

  • (1)問6にて「恨の介は雪の前との対面を果たす」と書かれているので考えにくい。
  • (2)身分の高い者が相手に会いに行くとは考えにくいし、本文からも恨の介が会いに行っている様子が伺える。
  • (3)八月十五日夜の情報が入っていない。
  • (5)宗庵の言う「そなたの心に偽りなく」の情報が入っていない。

問4

「いわむや」が「いわんや」という意味なので、選択肢は4と5に絞られる。知らない単語の意味に気づく為に発音を再現してみるのは良いだろう。また、「この由を恨の介聞きて」とあるので、和歌表現の由来を知らなかった事に言及していると分かるので5が正解。

問6

恨の介は下の句として洒落た返しをしている筈だ。しかも最後に「帳台に入らせ給ふ」とあり思いが実ったと察せられるので、口説き文句を言ったに違いない。したがって5が正解。

第4問

問1

(ア)と(イ)のどちらの意味も、日本語では用いられない。そして態々「すれ違う」「残す」という最も近いと思われる選択肢を誤答として出しているので質が悪い。文脈から判断せねばどうしようもない悪問。

問3

  • (1)筆者は二人を賢人として慕う関係性なので、考えにくい。
  • (5)傍線部の直前に「聖人の言行はどうして二つとあるものか」と書かれているのでこれが正解。

問4

傍線部に「お互いを信じあって疑わない」と書かれているので2が正解。

問5

この書き下し文は、「乎」の解釈に懸かっている。各文を読むと「乎」は置き字としては使われていないので反語の様だ。したがって4。

書き下し文(4)の解釈としては(3)が妥当。(5)は、子固が著者に贈った言葉としては関係性上考えにくい。

高校数学IA センター追・再試験 R2 (2019)年度の解説

数学IA

問題, 解答

第2問

〔2〕

(3)この手の問題は仲間はずれのデータに着目すると一瞬で解ける。

第3問

確率の問題は、計算過程で算出した各確率の値を再利用する事が多いので、計算過程の数値にラベリングしておくとか、図にして纏めるなと良い。

第4問

(1)

c=0の場合を考えるとすぐ解ける。

(3)

q=0、rが16の倍数、kが13の倍数ということは、不定方程式16x + 1 = 13yを立てられる。(1)の不定方程式に当てはめるとc=-1なので、xの整数解はx = 13s – 35 である。s = 3 のときxが最小の正数4をとる。したがってr = 64だ。

高校英語リーディング・リスニング センター追再試験 H31 (2019)年度の解説

問題, 正解

リーディング

第3問

A問3

選択肢の対象となる文は、すべて心理学者が発見した事実の列挙の中にある。この中で(1)だけが単なる一般論である。

B

先に選択肢の文を読むのが効率的。

30はHirokiの最初の一文, 31はMinae とLouisだけ読めば良い。32は全員の意見を総合したものなので、何も読まなくても解ける。

リスニング

問題

第3問

B

不適切問題。Room Request Form に既に記入されている項目は誰が書いたか不明。しかも事務員が説明する予約済の部屋が何故かこのform に記載されていない。

問18、19も二重の引っ掛けになっていたりと難問だ。

高校理科(物理) センター追再試験 H31 (2019)年度の解説

問題, 正解

第1問

問3

(カ)は、抵抗値が上がれば電子の流れは悪くなるのでVt/eR と分かる。

問4

問題文に容器が断熱である事が示されており、外部からの力も働かないという事から、断熱自由膨張であると気づく事が肝である。したがって栓を抜く前後で内部エネルギーは不変なので内部エネルギーで等式を立てられる。

TB = TA、nB = nAと問題を単純化するテクニックが使える。この場合、全体の温度はTA のままであるはずなので、選択肢1と5に絞れる。

問5

ある地点を回転軸として、それらを回転させる複数の力が働いた結果、釣り合っていると考える。これが力のモーメントである。

第3問

問2は、問題文の誘導が無ければ光速の求め方に迷いそう。この実験は波の性質を利用したものなので、速度はfλで表される事を思い出せば、回折格子の式を作れるだろう。

第4問

問3は、「t秒後に高さ0の地点に戻ってくる」という事に着目して等式を立てる。