中小企業診断士 一次試験 令和三(2021)年度 「B 財務会計」の解説

B 財務・会計

問題(PDF), 解答(PDF)

第1問

  • 値引: 品質などの理由でより安くすること
  • 割引: 掛取引で支払期限より早く支払があった際に利息相当分を安くすること
  • 割戻: 大量の取引を理由に安くすること

第2問

支店間で取引があったとする。支店分散計算制度では、そのままそれらの支店が記帳し、本店は何も記帳しない。本店集中計算制度では、取引は必ず本店を経由するものとするので、本店も記帳する。

支店分散計算制度における支店の仕訳を統合すると、本店集中計算制度における本店の仕訳が得られる。

第3問

定率法では、毎年、残存簿価に年率を掛けた額を償却する。

第4問

自己創設のれんとは、自社ののれんのこと。我が国の会計制度では計上が認められていない。

第5問

引当金は評価性引当金と負債性引当金とがあり、負債性引当金はさらに非債務性引当金と債務性引当金とに分類される。法律上の支払い義務があるのが債務性で、ないのが非債務性。

第6問

取引の一般的な流れは「受注→出荷→納品(引渡)→検収→請求→入金」である。

  • (ア)契約の解消や返品リスクがあるからこそ検収基準で取引するのである。
  • (ウ)長期請負工事では、工事完成基準と工事進行基準のいずれも選択できる。

第8問

販売価格差異とは、実際販売量の下での実際販売価格 と予算販売価格との間の売上の差異である。

「予算実績差異=販売実績-販売予算」が成り立つので、販売価格差異を「販売数量差異=予算実績差異-販売価格差異」から求めることもできる。

第9問

  • (ア)売掛金として現金を回収しているのでCFは増加する。
  • (イ)仕入れ債務を現金で返済しているのでCFは減少する。
  • (ウ)棚卸資産を現金で購入しているのでCFは減少する。
  • (エ)長期借入金を現金で返済しているのでCFは減少する。

第10問

設問1

「固定比率 = 固定資産/自己資本」。長期的投資である固定資産は自己資本や他人資本で購入するが、自己資本で賄われている方が経営は安定していると言える。その安定性の指標となる固定比率は低い方が良い。

「固定長期適合率=固定資産/(固定負債+自己資本)」。固定比率に似た指標で、長期的な支払能力を表す。

設問2

インタレスト・カバレッジ・レシオ= (営業利益+受取利息+受取配当金) /支払利息

interestは利息という意味。インタレスト・カバレッジ・レシオは支払利息をカバーする何倍の利益を上げているかを表す。

第11問

役務収益と役務原価は、サービスの提供が完了した時点で初めて計上することができる。役務が成立するまでは、仕掛品勘定に計上する。

第12問

  • 変動費率=変動費/固定費
  • 損益分岐点売上高=固定費/(1−変動費率)=固定費/貢献利益率
  • 損益分岐点比率=損益分岐点売上高/売上高
  • 損益分岐点比率+安全余裕率=1

(エ)「売上高=利益+費用」なので、明らかに誤り。

第14問

  • (ア)株式分割はそもそも資金調達ではない。
  • (イ)減価償却費は非現金支出費用であるため、減価償却費相当分だけ毎期現金が溜まっていく(自己金融効果)。
  • (エ)株式や社債の発行は直接金融である。

第15問

加重平均資本コスト(WACC)とは、必要な資本を調達するためにその資本の何%を余分に支払う必要があるかを表す。WACCは税引後負債コストと株主資本コストをそれぞれ総資産に占める負債と純資産の割合で重みづけして算出する。負債コストに税引き後のものを使用するのは、支払利息が費用として計上することができる(負債の節税効果)からだ。

税引前負債コスト=支払利息 ÷ 負債総額

株主資本コストの算定方法は色々あるが、中小企業診断士試験では専らCAPMが用いられる。

第16問

(ウ)配当額を自己資本で除した比率はDOE(株主資本配当率)である。配当利回りは「配当金÷時価総額」である。

第17問

  • (ア)株式配当金は自己資本コストの一つである。法人税が存在するならば負債比率が高いほど企業価値は高まる。
  • (イ,ウ)負債比率が高いと、資金繰りが悪化して倒産するリスクが高まる。このためリスクプレミアムや負債コストも上昇する。倒産リスクを下げたい場合は自己資本比率を高めると良い。

第20問

(イ)が正解とされるが、「リスク・ポートフォリオ」などという言葉は存在しないので不適切問題。

安全資産とリスク資産を組み合わせてポートフォリオを構成する場合、投資家のリスク選好によって最適なポートフォリオは異なる。そのポートフォリオの集合は資本市場線と呼ばれる。資本市場線の中で、リスク資産のみで構成されるポートフォリオは一意に定まる。これが選択肢(イ)の意味するところだろう。

第21問

定率成長配当割引モデルは、各年における配当の割引現在価値の総和から企業価値(時価総額)を推定するモデルである。割引現在価値を算出する上で金利ではなく株主資本コストを採用しているのは、株式投資においては倒産やゼロ配当といったリスクがあり、金利にはそれが反映されないためである。

無限等比級数の和として理論株価を求められる。

第22問

略称が何を表すのかを憶えておくとよい。

  • DCF: Discounted Cash Flow
  • IRR: Internal Rate of Return
  • P: Price (株価)
  • E: Earnings (収益)
  • B: Book value (純資産)
  • S: Share (株式総数)

マルチプル法は倍率法や乗数法とも呼ばれ、同業他社の財務比率を自社と比較し、他社の企業価値に乗数を掛けることで自社の企業価値を推定する。

第23問

  • (ア)ドルを円で買うとする。円(権利行使価格)は安いほどドルを買う(コール)ことの利益(オプションの価値)は大きくなる。
  • (イ)行使までの期間は長いほど権利の価値は高く、時間的価値と呼ばれる。賞味期限のようなものだ。
  • (ウ)原資産の値上がりがプレミアムを上回った場合、売却(プット)せずに保持した方が良いので権利を放棄する。これによって損失額はプレミアムとなる。
  • (エ)オプションの売却は義務なので権利放棄はできない。

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