高校数学 東京大学1982 (昭和57)年度 理系前期入試問題の解説

解答例

第2問

空間図形の問題は対称性に着目するのが常道。与えられているデータは球Sの半径で、求めるのは正四面体Tの一辺の長さだから、これらが現れる断面を考察するのが筋がいい。

正三角形の重心は高さ1/3の位置にあるが、正四面体の重心は高さ1/4の位置にある。この知識を使っても解ける。

この問題にはエレガントな解法がある。頂点を正四面体Tと共有する立方体を考えると、球Sはその内接球である。

第4問

難しい微分方程式の問題。

x, yはtの関数として不明なので、tを消去する方針で行こう。まずは、合成関数の微分を利用してyを消去。するとv1, v2をxで表せる。さらにそれらを用いてdv1/ dt, dv2/ dtを作れる。

問題の簡素さとは裏腹に計算量は多く、尚且つ答えは非常にシンプルなのが面白い。

第5問

zの不等式は複雑だから一先ず置いておいて、x, yの不等式で範囲を確認してみよう。すると立体の底面は平行四辺形の内部だと分かる。y軸に垂直な平面で切断すれば断面の幅は一定値で求めやすい。

zの不等式の右辺はyの2次式になっており、yを固定すると断面が単純なものになると期待できるのだ。

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