大学入試センターの資料
第1問
問2
「この」という指示語は直前の「空いている処をふさぐ、ふさいでいたものをとりはらう」を指し、それは第2段落の要約になっている。
問3
- (1)「西洋的な思想を遠ざける」という趣旨の文は無い。
- (2)建築で不動性を忌避してきたとは読めない。
- (3)(4)行や道は、情が移るというより執着を忌避している。
- (5)ものづくりは「わざ」として挙げられていない。
問4
- (1)実を人の作ったあらゆるものの上位に位置付けるという記述はない。
- (3)抽象的な法則から具体的な問題を捉えようとしたとという記述はない。
- (4)文中で「知性の標本」として示されているのは「考える事をもって抽象を作る働き」であり、「消えることなく固定化されている具体的な物事」ではない。
問5
「虚とは法則の有無を分ける境目そのもの」という意味の記述はない。
第2問
問2
- (1)入学準備はまだ進めていない。
- (2)気遣いではないのは第一段落に書かれている。
- (3)ひろ子はフジ子との同居を決めてから「生活を変える必要はない」と言っている。
問3
傍線部Bの一文を読んだだけでも、緊迫する状況をどうも真に受けられない雰囲気が伝わってくる。
問4
ここは該当する傍線部の段落を読めば解ける。
問5
105行目の段落から主に読み取っていく。
- (1)このゴミは確信を得る上での切っ掛けに過ぎない。
- (2)ひろ子やフジ子が書くことを促し励ました記述はない。
- (3)当該段落ではフジ子にそこまで焦点が当てられていない。
- (4)当該段落では地元や勤務先の事も言及されているが、選択肢ではひろ子やフジ子との生活しか述べられていない。
問6
(1)「四畳半と三畳」は隠喩ではなく換喩。
第3問
『恨の介』は江戸時代初期の仮名草子で、実在の密通事件を題材とした恋愛譚である。 問題文は、近衛家の養女雪の前を見初めた葛の恨の介が、雪の前からの手紙に託された内容を解読し、庄司の後家や菖蒲の前の助けを借りて八月十五夜に雪の前の局に忍び入り、ついに契りを結ぶ場面である。
問1
(イ)は現代文なら選択肢3が正解だろうが、当然ながら捻りを入れている。
問3
恨の介が分からなかった和歌表現は、どれも名歌を引用したものだ。
「なき世なりせばの、上の五つの文字なくは」とは、歌「偽りのなき世なりせばいかばかり、人の言の葉うれしからまし」の「いつわりの」が無いのであれば、という意味。
「真葛」とは三条右大臣「名にし負はば逢坂山の真葛、人に知られでくるよしもがな」を指す。誰にも知られないように会いたい、という歌である。
「月の最中」は「水の面に照る月浪をかぞふれば、今宵ぞ秋の最中なりける」を引用して八月十五夜を指す。
- (1)問6にて「恨の介は雪の前との対面を果たす」と書かれているので考えにくい。
- (2)身分の高い者が相手に会いに行くとは考えにくいし、本文からも恨の介が会いに行っている様子が伺える。
- (3)八月十五日夜の情報が入っていない。
- (5)宗庵の言う「そなたの心に偽りなく」の情報が入っていない。
問4
「いわむや」が「いわんや」という意味なので、選択肢は4と5に絞られる。知らない単語の意味に気づく為に発音を再現してみるのは良いだろう。また、「この由を恨の介聞きて」とあるので、和歌表現の由来を知らなかった事に言及していると分かるので5が正解。
問6
恨の介は下の句として洒落た返しをしている筈だ。しかも最後に「帳台に入らせ給ふ」とあり思いが実ったと察せられるので、口説き文句を言ったに違いない。したがって5が正解。
第4問
問1
(ア)と(イ)のどちらの意味も、日本語では用いられない。そして態々「すれ違う」「残す」という最も近いと思われる選択肢を誤答として出しているので質が悪い。文脈から判断せねばどうしようもない悪問。
問3
- (1)筆者は二人を賢人として慕う関係性なので、考えにくい。
- (5)傍線部の直前に「聖人の言行はどうして二つとあるものか」と書かれているのでこれが正解。
問4
傍線部に「お互いを信じあって疑わない」と書かれているので2が正解。
問5
この書き下し文は、「乎」の解釈に懸かっている。各文を読むと「乎」は置き字としては使われていないので反語の様だ。したがって4。
書き下し文(4)の解釈としては(3)が妥当。(5)は、子固が著者に贈った言葉としては関係性上考えにくい。