今年度までは常識的な難易度だったが、次年度から狂気が始まる。
分析
[1]
問i
- (ア)亜硝酸アンモニウムは水と窒素に熱分解する。いきなりマニアックな問だが、〔iii〕を先に読んでアンモニアとの関係から推測すればよい。
- (イ)ソーダ石灰は塩基性の乾燥剤で、これに通す事で水蒸気を除去している。
- (オ)水がHClを吸収し、濃硫酸が水蒸気を吸収する。
問iii
平衡を扱うのでバランスシートを使う。物質量は窒素は1、水素は2としてよい。
[2]
(ii)は解を得る為の条件が足りてないように見える。しかしボーキサイトの質量のほか、融解塩電解時の物質量に関しても制約を受けるので連立方程式を立てれる。
[3]
問iii
- (1)中和滴定と違い、酸化還元滴定は水溶液の水の量を考慮する必要はない。
- (3)デンプンはヨウ素ヨウ化カリウム溶液と反応して紫色になる(ヨウ素デンプン反応)が、この実験とは関係ない。
- (4)MnO4-は酸性条件下では還元されてMn2+ となるが、中性・塩基性条件下では MnO2となる。
- (6)この実験は、シュウ酸を軟マンガン鉱で酸化し足りない分を過マンガン酸カリウムで補う事で軟マンガン鉱の量を測っている。
[5]
化合物AがO原子2個を持つことと、加水分解により化合物Bのみが得られたことから、Aは環状化合物と分かる。東工大化学の構造決定問題は環状化合物が頻出だ。
問i
ヨードホルム反応陽性となる官能基にOが付いていると反応しないが、アルデヒド基にOが付いていても還元性を持つ。
[6]
酢酸ナトリウムをNaOHで脱炭酸反応を起こすというメタンの製法の一つ。
[7A]
問i
セルラーゼ、アミラーゼは名前から分解対象となる基質を推測できる。ペプシンの名前はペプチドと関連している。
ペプチドを分解する酵素には、タンパク質をポリペプチドに分解するペプシンとトリプシン、ポリペプチドをアミノ酸に分解するペプチターゼがある。
問ii
ビウレット反応は、二つ以上のペプチド結合を持つ場合に二つのNがCuに配位結合することで赤紫色となる。 と言っても、Aから二つのαアミノ酸が得られると書かれているので、この情報は特に必要ない。
化合物Aの分子式と、これを分解すると二つのαアミノ酸が得られるという情報だけから化合物B, Cが特定できる。
問iii
化合物Aの分子式から、BとCのいずれかが塩基性アミノ酸・リシンであると分かるので、塩基性かそうでないかで電気泳動の結果に違いが生まれていると予想できる。
DはCにメタノールを作用させている(カルボキシ基を無くした)ので、DとEも塩基性だろう。したがって、構造決定するまでもなくCが答えと分かる。
[7B]
そもそもスチレンとブタジエンの構造を憶えている必要がある。行程が長いので、図で書き出すと良いだろう。平均分子量が与えられているので、外堀から埋めるイメージで情報を確定させていこう。