高校理科(化学) センター本試験 H31(2019)年度の解説

解説

第1問

問2

計算しなくても、単位格子の原子の数と求めた後にモル質量Mとアボガドロ定数が比例する点に着目すれば正しい選択肢を選べる。

問5

  • (4)アルキル基の炭素数が増えると無極性を帯びてくる。
  • (5)四塩化炭素は正四面体の構造なので無極性。

第2問

問1

過酸化水素は「2H+2O」という最も高いエネルギー状態にするために、「O-Oの結合エネルギーを与える」という操作を一回、「O-Hの結合エネルギーを与える」という操作を二回する必要がある。

問3

硝酸銀水溶液と塩化ナトリウム水溶液を同体積ずつ混合するとモル濃度をそれぞれ1/2で計算する必要がある。

問5

選択肢の数式の複雑さを見てやる気が失せるね。まず、問題内容を正確に把握する必要がある。硝酸アンモニウムの溶解熱が溶液全体に広がり熱を下げたのだ。

初めにこの溶解熱を算出する。- 26 kJというのは硝酸アンモニウム1 molあたりの熱量なので、1 gあたりにすると- 26 / M (kJ / g)だ。実際に発した熱量は – 26 m / M (kJ) である。

これが溶液全体に広がり温度を変化させた。なのでこの熱量と比熱c と水溶液の質量 Vd+m を使って立式する。

計算する前に、吸熱反応なので符号がマイナスのものと、単位がKになるものを選ぶことで選択肢2と4に絞れる。また、温度が変化するのは水そのものではなく硝酸アンモニウムも含んだ水溶液なので、対象となる質量は「Vd+m」である。

第3問

問2

  • (2)アルカリ金属とアルカリ土類金属は激しく反応する。 Beは高温水蒸気、Mgは沸騰水と反応する。
  • (3) BeとMgは炎色反応陰性。
  • (4)炭酸塩と硫酸塩はアルカリ金属は可溶だがアルカリ土類金属は難溶。

問3

  • (1)ちなみに過剰のNaOHを加えても溶解しない。
  • (2)ちなみに過剰のNaOHを加えても溶解しない。
  • (3)ちなみにFe2+だと青白色の沈殿。また、[Fe(CN)6]3-にFe3+を加えると褐色溶液になる。
  • (4)配位数4の錯イオンは基本的には正四面体。Cu2+が正方形となるのは、実はこの錯イオンは[Cu(NH3)4(H2O)2]2+という配位数6の正八面体であり、H2O を省いて表している為(セルロースを溶かすシュヴァイツァー試薬がこの構造を持つ)。

問4

  • 1.白金触媒を使うのは一酸化窒素が不安定で生成しにくいのを補うため。
  • 3.ちなみに一酸化炭素も水に不溶だ。二酸化窒素は可溶。
  • 4.有色の気体としてCl2(黄緑)、NO2(赤褐)、O3(淡青)がある。

問5

それぞれの分子式とAg2CrO4が沈殿すると知っている必要がある。クロム酸カリウムイオンと銀イオンの比が1:2なので、試験管番号4で最大量の沈殿を得られる。選択肢は1と2に絞られたので試験管番号4の具体的な沈殿生成量を計算する。計算は積より和を優先して全体の分子量は332、物質量は4.0 * 10-4。桁を計算するまでもなく(1)が正解。

第4問

問1

5.置換反応によりクロロベンゼンが生じる。ヘキサクロロシクロヘキサンは紫外線照射による付加反応で生じる。ベンゼン環は安定した構造なので、それを壊す付加反応は置換反応より大きなエネルギーが必要となる。

問3

還元されているわけだから、Hが多くOが少ないものを候補として選ぶと良い。

問4

カルボニル基を持つので、環状構造は除外される。その上で分岐構造物も含めて数える。

問5

メタンの沸点は- 162℃なので装置Bは不適。メタンの分子量は16で空気は平均分子量29 なので装置Cは不適。

第5問

問2(1)アセテート繊維は、セルロースをアセチル化して加水分解して作られる。

第6問

問1

ホルムアルデヒドは基本的には分子同士を繋げて網目状にする為に脱水縮合して用いられる。したがって樹脂はホルムアルデヒドを用いる。

また繊維の一種であるビニロンは、ポリビニルアルコールがポリマー内に持つ ヒドロキシ基の幾つかをホルムアルデヒドが脱水縮合(アセタール化)して作られる。アセタール化によってヒドロキシ基が減少し、水に溶けなくなり繊維として使える。

アクリル繊維はアクリロニトリルが付加重合したもの。

第7問

問1

  • (2)二糖類は全てC12H22O11で表される異性体である。
  • (3)スクロースは果糖とブドウ糖になる。転化糖は蜂蜜やジャムなど身近にある。
  • (4)糖類の還元性は、グルコースの炭素1位が開環して鎖状に変化した際に、アルデヒド基を持つため(ヘミアセタール構造)。マルトースは1位と4位がグリコシド結合するので1位が一つ残り、還元性を持つことになる。
  • (5) ラクトースはβガラクトースとβグルコース に分解する。二分子のグルコースになるのはマルトースやセロビオース。

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