高校数学 東京大学1991 (平成3)年度 理系前期入試問題の解説

「大学への数学」における各大問の難易度: A, B,D, B, D, C

解答例

第2問

点光源を固定すると影はRに相似な長方形になるというのが重要なのだが、意外と気付きにくい。空間図形問題では、3つの視点の向き(x, y, z軸平行)で考察するのを心掛けると良い。また、点光源が作る影は点光源と直線で結ばれるという特徴がある。

思考の負担を減らすために図を伸縮して楕円を真円に変換して計算するのも良い。

影の概形が分からなくても勘で描いておこう。

第3問

(1)|p| < 2のときは、f(p)をβで表すと説明が楽だが、αγを含む方程式を作り、y = p2に交わるαγを示す方法もある。

(2)「概形を描け」という指示からは、グラフの凹凸も正しく示す必要があるのか分からない。凹凸まで調べると難しい微分が必要になるので難度が上がる。採点対象かどうか分からない処理に時間を費やすのは勿体ないので、時間が余った場合に示せばよい。大数のD難度という評価は凹凸も示すことを加味したものだろう。

第4問

チェビシェフ多項式に関するでは必ず加法定理を利用する。両方の小問で数学的帰納法を使うが、「数学的帰納法で示す」と書くだけでも部分点が得られるかも。

(1)題意の把握が難しい。関数の添え字が違うと別の関数を表す。例えば関数psとpt は全く無関係な関数だ。よって関数pを多項式で表そうとするのは間違い。

(2)(1)が解けていなくても、(1)に示すべき式が問題文に記載されているので、これを利用して(2)は解ける。

第5問

格子点が登場しているので、本質は整数問題である。

整数m, nと互いに素な整数p, qを用いたmp+nqで全ての整数を表せる。解法に発想力を要するが、実際のところ5×2の格子内を考察すればよいので、力技で解ける。

第6問

(1)対数微分法の逆操作をする。

(2)(1)で求めたf(x)-2f(x)がa(x)の階差数列となっていることを見抜く。

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