高校数学 東京大学1996 (平成8)年度 理系前期入試問題の解説

「大学への数学」における各大問の難易度: B, C, D, C, B, C

解答例

第2問

文字がたくさん登場しているので難しそうだが、こういうのは「意外と簡単に解けるものだ」と心得て、躊躇いなく式変形を進めていくのがコツだ。

まず問題の意味を整理しよう。P「題意の正数s, tが存在する」⇒Q「題意の範囲に2実数解が存在する」を示す。

2次方程式にはs, tが含まれていないので、与えられた不等式に含まれるs, tを消去していこう。

第3問

十分な空間認識能力がある人にとっては最も易しい大問だが、無い人にとっては難問になる。

空間図形の問題なので、解答に於いて図を用いた論証は困難だから、簡素な説明でも減点はないだろう。

(1)

答えは直感的に分かるのでどう論証するかが焦点になる。最も楽だと思われる証明を以下に記す。

xyz空間に、立方体を各辺が座標軸に平行になるように置く。対称性に注目すると、立方体の1頂点がSのx≧0, y≧0, z≧0の部分の全ての点から見えれば十分。(0, 0, r)から頂点が見えるにはl≧2rが必要であり、この時に十分条件も満たしているので証明完了。

第4問

期待値や確率変数を扱う数列・極限の問題。題意の把握が難しい。

(1)「anの期待値」とは、an が取りうる値は1~6なのでそれらに確率の重みを付けて足したものだ。

(2)確率変数や「期待値の和」について理解しておく必要がある。

第6問

(1)図形的に考察して、Dの円周とCが接する又は共有点を持たない場合を考えるのが分かりやすいが、曲線同士が共有点を持つ条件は見た目以上に複雑だ。

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