分析
[1]
- (1)浸透圧はπ = nRTと表されるので重力加速度は無関係。
- (2)ショ糖は二糖類スクロースのことだが、糖類は非電解質だ。
- (5)凝固点降下度や沸点上昇度は分母が溶液ではなく溶媒となっているので注意。
[2]
様々な数値が出ており把握しにくいので、図と共に整理するのが良い。
問ii
ある物質の気体に対するヘンリーの法則は、容器内の気体部分が混合気体となっていても成立する。2020年度入試[4]でも同じ考えを使う。
状態A, Bでの不変量は温度や酸素の物質量なので、これを元に立式する。
気液平衡の問題では、状態変化の前後でボイルの法則(PV = const.)を適用する場合が多い(実験5で気体と溶解した酸素の物質量が示されている事も気づく為のヒントだ)。このときVには溶解した気体も加味するのだが、体積で見たヘンリーの法則で算出する。
問iii
燃焼反応が起きているので、反応式を立てて物質量の増減を確認することになる。
ところが物質量について分かっているのは酸素のみなので、メタンと酸素の分圧を状態方程式を使って物質量で表す。物質量として溶解した気体の体積も含める必要があるので、ここでも体積で見たヘンリーの法則を使う。
[5]
情報量が非常に多く、如何にも時間が掛かりそうな中問である。
- (実験1)アルカリ金属、アルカリ土類金属は水と激しく反応する。
- (実験2)銀はイオン化傾向が非常に小さいので、単体になり易い。銀鏡反応はアルデヒドと硝酸銀の酸化還元反応である。
- (実験4)Pb, Cu, Agは熱濃硫酸と反応し、かつZnと反応して黒色沈殿を生じる。青錆の正体はCu(OH)2である。酒石酸と来たらフェーリング反応だ。Cu2+(酸化数2)を還元してCu2O(酸化数1)となる。
- (実験4)白い硫化物を生じるのでZnと容易に分かる。水酸化物はアルカリ金属・アルカリ土類金属以外は沈殿するので、KOHにより錯イオンを生じたと分かる。電気分解では、イオン化傾向はZn > Hなので単体が生じない。
- (実験5)イオン化傾向がPb以上なら塩酸と反応する。
[6]
問題文から緩衝液がテーマだと分かる。
問i
計算は特に要らない正誤問題。
- (1)NH3 は弱塩基なので[NH4+] = [OH–] = √cK が成り立つ。
- (4)弱塩基と強酸の中和なのでpH ≠ 7だ。中和後のH+ の在り処を探すとNH4+ にあるので、このイオンについて電離平衡を考えよう。
問ii
問i(1)で使った式を再利用して値を代入していく。
問iii
問iiを利用する事を念頭に置こう。Dは緩衝液なのでH+は追加投入した溶液Aに全て由来する。NH4+とNH3の濃度比を確定できるので、電離平衡の式と問iiの解を組み合わせる。
[7]
問iでは目的化合物は製法1~3は同じなので、xで割る計算は不要。
[8]
問i
- (1)価電子数は最外殻電子の数、原子価は不対電子の数。
- (2)意地悪な問題。「すべて」という言葉には要注意だ。
[9]
Dは自身がエステルの環構造を持っている。還元性があると言うのでアルデヒド基だと思ったらシュウ酸。とことん盲点を突いてくる難問だった。