高校数学 東京大学1985 (昭和60)年度 理系前期入試問題の解説

第5問が面白い。

「大学への数学」における各大問の難易度: B, B, C, C, C, C

解答例

第3問

空間認識能力を要する東大らしい求積問題だが、易しい。

問題文を読んだだけでは四面体の概形を想像することは難しいので、Q, Rの座標を求めてみよう。PとQはx軸を含む平面について対称だから、x軸に垂直な平面上で考える。RはQの座標のxとyを入れ替えるだけ。

すると四面体は平面x = yに対称だと分かるから、この平面で切断して合同な三角錐に分けて体積を求める。

第5問

これは期待値に関する発想力を要する難問だが、非常に面白い問題。

抽象的で取っつきにくいが、pnは何とか解きたいところ。一見すると如何にも難しそうだが、実験してみると案外単純だと分かる。確率や数列の問題は実験が大事なのだ。解法が分からなくても、数列の問題だから「数学的帰納法で示す」くらいは書いておこう。

p0を求める方法には意表を突かれる。更に期待値が1になるのも面白い。

第6問

意外と発想力が必要となる求積の難問。

(1)(2)で積分する為の誘導だから、z = 0の場合だけでなくz = tで一般化して立式しよう。空洞部分の面積を求めるのが難しく、分かったとしても計算が非常に煩雑になるので、この面積の部分だけSとでもおいて答えを書いておいても4点くらいは貰えるだろう。

(2)断面積の関数が求められなくても、これをS(t)とおいて体積を求める式を書けば2点は貰えるだろう。

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