高校数学 東京大学2018 (平成30)年度 理系前期入試問題の解説

「大学への数学」における各大問の難易度: B, C, B, B, D, C

分析: 東進, Z会, 河合塾, KATSUYA

解答例

第2問

(1)文字式としてはpn = n(n +1), qn = 2(2n +1)だが、nに数値代入してみると2で割り切れると分かるだろう。あくまで数値として既約分数でなければならない。そして既約分数とは、分母と分子が「互いに素」ということだ。

第3問

kの値で場合分けが必要になる。この点が本問の罠で、予備校すら誤った模範解答を公開してしまったらしい。多くの受験生は場合分けできなかったと思われるので、その減点は小さいだろう。細かいことに神経質になって調子を狂わすよりは大雑把に答えを出した方が良い。

kの値によって図形の概形が変わることは図形のセンスが無いと気付きにくい。東大は空間図形のように数学的センスを要する問題を出しがちだが、本問もその種の問題と言ってよいだろう。

第4問

非常に易しいと言われているが、必要条件を漏れなく拾い上げるのは案外気を使う。

第5問

簡素な問題設定でありながら、複素数平面や平面幾何、二次曲線の基本知識の的確な運用を必要とし、正解に辿り着くのは難しいという良問。こういった問題は、歴史的に見て複素数平面の出題頻度が少ないからこそ出せるのだろう。

(1)

複素数平面に慣れていなくても、幾何的に考察するだけで∠AOP = ∠APQと分かる。そして基本公式αα* = |α|2 を用いる。

(2)

意味ありげな「絶対値の商」を考察しよう。ここでは基本公式(α +α*)/2 = Re(α)や偏角を使う。

(z -1)2/(z* -1)2 の変形が一つの関門だが、図形的に考察すると z -1とz* -1 は実軸対称なので偏角はz-1の4倍で、zだけで表せそうだと目星が付く。

題材が円で、しかも複素数平面の問題だから、角度の情報を重視して解いていこう。

直交座標を用いて求める事も計算量は多いが可能。

第6問

空間認識力を要する求積問題。

誘導が丁寧なので方針で迷うことはないが、記述に骨が折れる問題だ。集合論で用いる論理記号を使えば、共通部分に関する記述を楽にできる。(1)の共通部分の図示は、「同一平面上に図示せよ」と指示されているだけなので図を1つ描くだけでも十分だろう。

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