高校理科 東京大学2003 (平成15)年度 物理・化学 前期入試問題の解説

物理

解説

第1問

二体問題。昨年度は難問だったが、大幅に易化してセンター試験レベルになった。全て基本的なので全問正解が求められる。

[I]

(1)完全弾性衝突なので、反発係数の公式を使わず相対運動を考えればよい。

第2問

難易度が高い訳ではないが、電流の向きがややこしく、符号で間違えやすい。理解度より注意力が明暗を分ける要因になっており、制限時間の厳しい東大入試でこのような問題を出すのは良くない。

[II]

文字通り「捻りを加えた」、東大らしい問題。この捻りを解消した回路図を描けば良いだけ。

[III]

問題文が不明瞭。

第3問

[I]

(1)定常波は逆向きに流れる波があれば発生するので、固定端でも自由端でも作れる。ただし、縁に生じるのは固定端では節、自由端では腹となる。

(2)直接波については簡単に答えを出せる。反射波については(4)がヒントになっている。中問全体を先読みするのは入試物理の技だ。

(5)これも(4)がヒントになっている。

[III]

(1)円形波がSから生じてから点Qまで到達するのにかかったを時間をTとすると、点Qにある円形波の中心は(VT, h)にある。反射波の中心は(VT, -h)だ。長さSQ = cTである。

(2)水面波は自由端反射するから、縁のどこで反射しても反射点は腹になっている。そこから(0. d’)までの距離は波長の1/4 になっている。

化学

第1問

[I]

ア.「反応速度式は化学反応式から求めることはできない」というのは高校化学の常識だから、いきなり奇妙な問題だ。答えは、次の(イ)でv1 = v2 であることから推測できる。

第2問

[I]

.塩の加水分解だと気づけなくても、シュウ酸イオン濃度がY/2にほぼ等しいこと、シュウ酸水素イオン濃度が水酸化物イオン濃度にほぼ等しいということが読み取れれば良い。

[II]

オ.SO2を水に溶かすとH2SO4ではなくH2SO3になる。これは CO2を水に溶かすとH2CO3 になるのと同じ。

キ.HFを除いてハロゲン化水素は強酸。よって硫酸とともに完全電離している。これらの水素イオンの数≒水溶液中の水素イオン。

第3問

全体的に易しい。

[I]

イ.ベンゼン環の二重結合は非局所化していて1.5重結合と呼ばれる。一方でフラーレンは二重結合であり、正六角形ではなくなる。置換反応が起きないことは流石に予想できない。

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