「大学入試」カテゴリーアーカイブ

高校数学IA IIB センター本試験 R2 (2020)年度の解説

数学IA

東進の解説

第1問

〔2〕(1)は、選択肢毎に検証するより与えられた数「32」が満たす集合の式を自分で考えた方が効率的。

〔3〕(1)は、各値を与えられた関数に代入するして連立方程式を解く方法もあるが、y座標が0なので因数分解された形を作る方が速い。

第2問

〔1〕

余弦定理と正弦定理を使う問題。sin(BCD)を余弦定理を使って求める方法もあるが、正弦定理を使った方が速い。

第3問

〔1〕

選択肢0~2は簡単だが、3だけがややこしい。直感的には、表裏を評価するロボットの数が増えればそれだけ信頼性が増すので確率pは0.9より大きくなる。

しかし、「p = 0.92 < 0.9」という誤った計算をしがちだ。これは、「ロボットがともにオモテと発言したときに、表が出ている確率」と「表が出たときに、ロボットがともにオモテと発言する確率」を混同してしまうからだ。

〔2〕

(3)の分母をどう考えるかが厄介で、32とする必要がある。持ち点が0点になってもゲームを続けると仮定するか、持ち点が0点になって終了した場合の確率を4倍に重みづけして考える。

(4)では、(3)の分母を勘違いしても、(3)の分子が(4)の分母になるので正答は出せる。

第4問

p進法を扱ったハイレベル問題。習ってさえいれば簡単な計算をするだけだが、そうでなければ歯が立たない。

(2)は、循環小数の繰り返される桁が2桁なので、左辺でy * 72 – y として小数をキャンセルしているのだ。

第5問

チェバの定理、メネラウスの定理、方冪の定理を駆使する問題。誘導に従えば解けるが、誘導のない問題だとしたら解き方に迷う。

数学IIB

東進の解説

第3問

(2)[クケコ]部分分数の各分母の差が1なので、級数の最初の正数と最後の負数が残る。

(4)これは3k, 3k+1, 3k+2を(n+1)(n+2)/2 に代入する事で解けるが、計算の手間を省く為に具体的な数値を入れた方が早い。

第4問

問題中では図が示されていない場合は、自作すると分かりやすくなる。

(2)点Cの性質について、与えられた内積の情報と平面αに含まれているという事を元に明らかにしている。

(3)点Cと他の点との関係性を調べる事で四角形OABCの性質を明らかにしている。

高校理科(物理) センター本試験 R2 (2020)年度の解説

問題, 正解

第2問

問3。運動エネルギーが変わらないのは、荷電粒子に対するローレンツ力が常に直角に掛かるから。振り子の質点に対して張力が直角に掛かっても力学的エネルギーが変わらないのと同じだ。

第4問

問1

2019年度版センター試験で出題させた振り子の問題に似ているが、これは応用的な問題である。

小物体Cは運動エネルギーが0になった状態で最高点Pに到達する事はできないという事に気づく必要があるのだ。重力に対して 遠心力(向心力)が少なくとも釣り合うだけの速度を残しておく必要がある。

これに気づくには、 小物体C が点Pに到達した場合の物理状態を確認する事が必要。ハイレベル問題として頻出の形式ではあるが、問題ごとに物理状態を確認する習慣を付けよう。

第5問

問1

次の考察により、計算せずに答えを出せる。

  • 容器の質量mが大きくなれば、その分気体の体積も増やす必要がありl1は大きくなる。したがってmは分子に現れる。
  • 気体の体積が一定なら、断面積Sが大きくなると l1 は小さくなる。したがってSは分母に現れる。
  • 選択肢4の分母は、異なる単位同士を足しているので不適。

容器の質量と浮力が釣り合っているという点に着目する問題だった。

問2

垂直抗力が0なのは明らか。p2 は当然にその気体と接している水圧と等しくなっているので、これを立式する。

問3

「気体の体積が図1の場合より大きくなると」という点に着目して等式を立てる。

第5問

問2は律儀に最後まで計算しなくても、有効数字部分だけ、もしくは桁数を算出すれば正答を得られる。

東京・東京工業・筑波大学の難易度(偏差値)と過去問の解説・分析

筑波大学

競争の難易度(偏差値)

過去問の解答と解説

入試問題の分析

東京工業大学

競争の難易度(偏差値)

過去問の解答と解説

入試問題の分析

東大

競争の難易度

過去問

京大(参考)

高校数学IA IIB センター本試験 H31(2019)年度の解説

数学IA

問題, 正解

第3問

(3)

1回目の操作で赤球を取り出す確率を、pの余事象としてp-1で表さないと穴埋に合う答えは出ないが、p-1ではなく確定した値を求めることも出来るので、その場合は与えられた数式に合わないので混乱する。一般的に未知数を使うのは避けるべきなので、これは不適切問題である。

(4)

「各独立事象を足してから掛けていく」と「独立事象毎に掛けたものを最後に足す」の二種類の方法があるが、後者は複雑な分数を足す作業が面倒なので、基本的に前者の方法が優っている。

(3)で求めた値を利用することになるので、ここまでの問の内容を確認しながら解こう。

第4問

(1)や(2)は、普通は総当たりでの算出は難しいように作られているが、解答アやサなどは一桁なので解き方を忘れたのなら1~9を代入して特定する方法もある。出題者も馬鹿ではないので大きい数字から試したほうが良い。

第5問

解き方に依っては大きく時間を取るので、ハイリスク。

数学IIB

問題, 解答

東進の解説

第2問や第3問は、設問の誘導の意図が不明確だ。

第1問

(3)の三角関数の合成は、解答キとクが自然数なので、解答コ, サにはキ2+ク2に対応する数が入り、さらに解答シは4であると計算せずに特定できる。

第2問

(3)

接線の方程式を改めて求めているが、(2)で求めた方程式は利用しない。これについて言及されていないので混乱を来すが、文を読み進めると「1と2の表す直線の傾きを比較する」と述べられていることから推測できる。したがって問題文を先に全て目を通しておくのが良いだろう。

f(x)-g(x) = x3 – 3b2x + 2b3 を因数分解することが求められているが、x = b のとき与式は0となるので、(x – b)が一つの因数だ。問題文からもう一つの因数も(x – b)と分かる。(x – b)2 = x2 – 2bx + b2よりb2の係数は1である事と、与式のb3の係数が2である事から、解答ネは2だと分かる。

第3問

大問の目的は、 an の一般項を求めること。(1)と(2)は基本的な問題で、(3)からが本番。

(3)

何の脈絡もなく「bn = (an + 2Tn) / n」という数式が出てきているが、これはこの後の計算の結果得られるものなので、現時点でその由来を考えても時間の無駄だ。この辺りが設問の雑な所だが、慣れるしかない。

[セソタ]は、4nの項を連立方程式の未知数を処理するかの様に消去する。

[チツ]は、ここまでの流れから方針が見えにくいが、bn+1がここまで登場していないので、これを求める。先にbnが定義されているという事は、この形に計算を誘導しようと工夫しなくても自然とbnを含む形に帰着する事を示唆していると言える。

計算にかなり時間が掛かるので手がかりを元に解答するのも一つの手だ。問題文中に出てくるnan+1の式は、anの係数がnに関わるものを除くと4になっており解答チを示唆している。またTn+1の式の末項が3であり、それを2倍して代入しているので解答ツが6であることを示唆している。

第4問

題材は四角錐。最終的な目的は、この立体の高さを求めること。

基本的には、三角錐OABCに関するベクトルや内積の値の情報が豊富な点に着目して攻める。

序盤の問題は次のベクトルを解く上でのコツに従えば解ける。

  • あるベクトルや式に具体的な値が与えられている場合はそれらが含まれる形に式を作っていく
  • ベクトルの長さはベクトルの式を二乗してみる
  • 互いに並行な2つのベクトルは向きが同じなので置き換えられる

(1)真っ先に注目すべきなのは「a・b=0」すなわちOAとOBが直角であるという性質だ。さらにaとbの長さも分かっているので三角形OACの面積が分かる。

(2) 三角錐OABC の情報が豊富なので角ABCが求まる。更にこれと四角形ABCDの性質を組み合わせてABCDの面積を求める。

(3) 四角錐OABCDと三角錐OABCの体積比は明らかなので、 三角錐OABCの体積 をまず求めるという方針。

高校国語 センター本試験 H31(2019)年度の解説

問題, 正解

東進の解説を読んでいると、「主観的に捉えるな」と言いつつ主観的な決めつけで解説しているので不快である。しかしこの理不尽さが国語なのである。

第2問

相変わらず小説の問題はどれも理不尽だが、正答率を高める上で大事なのは、物語の全体の流れを押さえてそれに沿った素直な選択肢を選ぶことだろう。先に問題文と選択肢に目を通すことでも効率的に話の概要を掴めるだろう。

この小説では、主人公が失意のどん底から希望を少しずつ見出していくという流れになっている。

問1

文脈よりその語句の定義に忠実に解釈した方が正答になる。文脈に合わせると不正解になるということは、この小説は駄文だと言うことだ。

問4

主人公の奇妙な言動があればそれに言及している選択肢が正解という問題だ。ここでは、サナトリウムに向かって突き進むという描写がそれに当たる。

第3問

これも古文を読む前に問題文すべてに目を通しておくといい。特に問5で「狐が娘に化けた」と言及されているのは大きなヒントだ。

高校理科(物理) センター本試験 H31(2019)年度の解説

問題, 正解

第1問

問1

意外と引っかかりやすい問題。「運動エネルギーと運動量について」というよりスカラーとベクトルの違いの理解を問われていると言っていいだろう。

正解は選択肢2だが、 運動エネルギーと運動量のそれぞれの和が保存されるかどうかは、 突き詰めればスカラーとベクトルの違いに起因している。衝突する前後の運動エネルギーや運動量の計算で、前者は向きを考慮せず後者は考慮している。

問4

次のような性質が直感的に分かるので、計算をしなくても選択肢5が正解だと分かる。

  • 気体の物質量nが増えればシリンダー内の圧力が増すのでhは増える。
  • 気圧p0 やピストンの質量mや重量加速度が増せばhは減る。

第2問

問2

ダイオードがない経路とある経路に抵抗がそれぞれ置かれている。前者をR1, 後者をR2とおく。

電位が正の場合、二つの経路に電流が流れて、I = I1+I2 = V/R1 + V/R2 である。負の場合、一つの経路に電流が流れて、I = I1 = V/R1 である。

このように二つの経路に流れる場合の方が電流は大きい。計算をしなくても、「抵抗を並列すること」は「一つの抵抗の断面積を増やすこと」に等しいので、抵抗値が減り電流が流れやすくなるのが直感的に分かる。

ちなみに、この二つの電流の比は (I1+I2) / I1 = (R1+R2) / R2 である。

第4問

問1は、tan θ はaが大きいほど大きくなり、gが大きいほど小さくなる。

問3は、αが大きくなるにつれてgを相殺する向心加速度の垂直成分が大きくなり、α=90°の時に等しくなるので計算しなくても分かる。

問4は、「a=0 ⇒ 張力T=0」になるはずなので、選択肢1~3は誤りと分かる。

高校公民(倫理政治経済, 現代社会) センター試験 H31(2019)年度の解説

問題, 正解

東進の解説

倫理・政治経済

第2問

問6は、西田がプラグマティズムの「有用であるから真理」という考えに影響されていることから、選択肢1, 2に絞れる。

現代社会

第2問

問5の選択肢1は指名と任命の違い。何ともいやらしい。

第4問

問7は「つぼ型」が誤りなのだが、下部が膨らんだ壺だってあるんだから、呼称を変えた方がいい。

高校数学IA IIB 大学入学共通テスト試行調査(プレテスト) H29年度の解説

数学IA

問題, 正解

第3問

全体的に簡単な問題だが、計算に手間がかかる。

第4問

(3)は正解率3.2%。論理的思考力が試される問題で、二次試験の記述問題にも要求される能力だ。これは花子の説明aと説明bの間の論理を確認した上でそれに見合うものを選ぶ。

(4)は正解率5.9%。この問題が解けるかは、花子の考えた条件の正しさを検証できるかに懸かっている。

第5問

(3)

(ii)の正解率は6.5%。ユークリッドの互除法が必須だが知らない人が殆どだったろう。答えは27なので地道に1から代入していっても辿り着かない。

(5)

正解率はなんと0.8%。時間が残されていない所に、4つを複数選択する必要がある問題をぶつけてくるのだから仕方ない。

この問はユークリッドの互除法ではなく整数の性質を活かして解いていく。これについてはなかけん氏の解説が参考になる。

  • 選択肢0・・・5と56は互いに素なので余りは0にならない。
  • 選択肢1・・・56=28*2 であるので28行目が0となる。
  • 選択肢2・・・9と56は互いに素なので余りは0にならない。そして各マス目に1~55の数字が一つずつ入るという点が面白い性質。したがって1が入るマス目がどこかにある。
  • 選択肢3・・・偶数同士で割った余りは偶数にしかならない。
  • 選択肢4・・・2と同じ。
  • 選択肢5・・・これは「3の倍数を8で割った余りが1となるか」という問いに置き換える。

数学IIB

問題, 解答

第1問

〔1〕円x2+y2=r2 と 直線x+y=a が接するとき、a=±21/2rとなる事は覚えておいてもいいだろう。stの値は直線の式を二乗したものから円の式を引く方法が速い。

〔3〕(2)は複数選択で正答率13%。選択肢1が正解で、選択肢4もcosの角度が選択肢1のsinの中身と比べてπ/2多いので正解。選択肢5は選択肢4と位相が2πずれたものなのでこれも正解。

第3問

(3)と(4)は、解答にたどり着くまでの計算が長いので、グラフにbnを描き足して比較する方が速いかも。数列の収束という数Ⅲの内容を示唆した問題。

高校理科(化学) 大学入学共通テスト試行調査(プレテスト) H29年度の解説

問題, 正解

専門家の解説

第1問

問4

凝固点降下についての問題だが、正解率は低かった。

aはグラフを書かないと解きにくい。

bは正解率5%。凝固点降下の仕組みを知っておく必要がある。計算が少し煩雑。

第2問

問1は問題文が意味不明。「小問の概要」に明確に述べられているのだから、これをそのまま問題文にすれば良いのに何を考えて出題したんだ?正解率が低いのも仕方ないが、問題文が意味不明でも、文中の2つのモル濃度の数値から、何を求めれば良いかは何となく分かるだろう。

第3問

問1は、C3H8Oという化学式になる。アルコールとエーテルだけがCnH2n+2Oという形になり該当する。その他の選択肢であるアルデヒドとケトンとカルボン酸とエステルは二重結合を持つので該当しない。

第4問

問2は不適切問題。「加えた Na2C2O4 と過不足なく反応するKMnO4 の物質量をn₂〔mol〕とする。」という説明文が、「加えた Na2C2O4 のうち過不足なく反応する未反応のKMnO4 の物質量をn₂〔mol〕とする。」と解釈することができ、その場合適切な選択肢を選べないからだ。

第5問

問2は、メタノールとアセトアルデヒドを合わせた化学式C3H8O2と同じものを2と4に絞る方法がある。

問4は、水素結合の仕組みを知っていればボーナス問題だが、正解率は21%

高校理科(物理) 大学入学共通テスト試行調査(プレテスト) H29年度の解説

問題, 正解

解説動画

第1問

すべてセンター2009年の過去問だった。この試験が共通テストの試行調査であるにも関わらずセンター過去問を出したのは、受験者の学力を測って共通テストの難易度調整に利用するためだろう。

問2

正解率10%という難問。問1が簡単だっただけに、引っかかった人も多いだろう。

ネット上でも解説が見つかるが、どれもピンと来ない。

それで私なりに考えて、電位差に着目する考え方が最も腑に落ちやすいのではと思った。

この問題では、手回し発電機を使った際の起電力(電位差)はどの繋ぎ方も同じだ。キルヒホッフの法則により、回路のどこかに起電力を相殺する電位差が必要となる。回路の抵抗が少ないほど、それを導線のジュール熱で補う必要がある。したがって抵抗が少ない方が手回し発電機を回すのに必要な力が大きくなるのだ。

第2問

問1は、単振り子の式1を考察するもの。πとgは定数なので、Lの値が変化し得る選択肢が正解。(3)は直感的に分かる。(1)も正解なのは、重心が上に移動することで、Lの値が実質的に小さくなるからだ。

問3は、「科学とは何たるか」という哲学的な理解を試された面白い問題。

第3問

速度、加速度、向心加速度と、色々な制限が付いていて戸惑う。

問1では、1, 2, 3に入る数値に関しては向心加速度制限を考慮する必要はない。なぜなら4, 5, 6で向心加速度を求める問題があり、制限に収まっている事は明らかだからだ。

問2はまず、向心加速度の式を用いてC地点における最大速度vを求める。そして25m/s からvまで減速するのに掛かった時間を加速度制限を用いて求める。後は図3における減速区間の面積を求めれば完了。根号を含む乗算が必要だが、計算を工夫すれば(x+y)(x-y)の形になる。簡単ではあるが計算に時間が掛かるので捨ててもいいだろう。

問5は正解率2.6%。難しくはないがやはり計算に時間が掛かる。解答12は選択肢の数値が1.0刻みなので、計算過程の数値を有効数字2桁で処理しても良いだろう。理論化学のような問題で、化学を学んでいる人は有利。

第4問

見慣れない図が示されているが、これは「コイルに磁石を近づける」というあの電磁誘導のやり方を変えて、わざと電磁誘導だと認識するのを難しくしているだけだ。次の二つの条件を満たせば電磁誘導が起きる。

  • 磁束とコイルがある
  • コイル内の磁束が変化する仕組みになっている

問1

正解率15.1%。

ここで生じる電位は、磁束の変位を時間で微分したものなので、カクカクとした形になる。

電流は初めは「端子b → 端子a」で、次に「a → b」と変わるので、グラフは正の山から負の山になりそうだが、これが上手い引っ掛け。これは電位の本質を理解していないと解けない。

電流は水流のように、電位の高いところから低いところへ外力を受けずに自然に流れ、電池という名のポンプで引き上げられる。では、この問題での電流は自然に流れているか?NOである。電磁誘導により外部からの働きかけで流されているのである。これはまさにポンプで、電池と同じ役割を果たしているのである。したがって正解は(6)となる。