高校理科(物理) センター本試験 H31(2019)年度の解説

問題, 正解

第1問

問1

意外と引っかかりやすい問題。「運動エネルギーと運動量について」というよりスカラーとベクトルの違いの理解を問われていると言っていいだろう。

正解は選択肢2だが、 運動エネルギーと運動量のそれぞれの和が保存されるかどうかは、 突き詰めればスカラーとベクトルの違いに起因している。衝突する前後の運動エネルギーや運動量の計算で、前者は向きを考慮せず後者は考慮している。

問4

次のような性質が直感的に分かるので、計算をしなくても選択肢5が正解だと分かる。

  • 気体の物質量nが増えればシリンダー内の圧力が増すのでhは増える。
  • 気圧p0 やピストンの質量mや重量加速度が増せばhは減る。

第2問

問2

ダイオードがない経路とある経路に抵抗がそれぞれ置かれている。前者をR1, 後者をR2とおく。

電位が正の場合、二つの経路に電流が流れて、I = I1+I2 = V/R1 + V/R2 である。負の場合、一つの経路に電流が流れて、I = I1 = V/R1 である。

このように二つの経路に流れる場合の方が電流は大きい。計算をしなくても、「抵抗を並列すること」は「一つの抵抗の断面積を増やすこと」に等しいので、抵抗値が減り電流が流れやすくなるのが直感的に分かる。

ちなみに、この二つの電流の比は (I1+I2) / I1 = (R1+R2) / R2 である。

第4問

問1は、tan θ はaが大きいほど大きくなり、gが大きいほど小さくなる。

問3は、αが大きくなるにつれてgを相殺する向心加速度の垂直成分が大きくなり、α=90°の時に等しくなるので計算しなくても分かる。

問4は、「a=0 ⇒ 張力T=0」になるはずなので、選択肢1~3は誤りと分かる。

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