H27 (2015)年
再現答案(点数): 73
第1問
設問1
- 優れている指標
- D社の技術は市場から一定の評価を受けている(第2段落)一方、与件文には販管費が嵩んでいるという記述はないので、売上高営業利益率より売上高総利益率の方が良い。
- 課題となる指標
- X社への依存が大きいため債権の回収効率が低い⇒売上債権回転率
設問2
- 技術力があるため収益性は高い。
- X社依存により債権の回収効率が低いため安全性・効率性が低い。
第2問
設問2
(a)設問1で売上高減少に言及されているので、このことに触れる必要がある。
(b)営業レバレッジといった指標に言及できていると良い。
設問3
(1)目標売上高=(固定費+目標利益)÷限界利益率
(2)BEP=固定費÷限界利益率
第3問
設問1
この設問には以下の二点の難点があり、不適切問題の可能性があるので取り組まない方が良い。
- 機械設備g の減価償却費をCFに含めるべきかどうか議論が分かれている。KECは含めるべき、「資格とるなら」は埋没費用なので含めるべきでないとしている。
- 第✕3期の投資額の意味が不明。
「プロジェクトZを採用したことによって増加するCF」と述べられているのて、CFに他事業の損失を含めてはいけない点に注意。
設問2, 3
設問1を捨てると設問2のNPVは計算できないのだが、実は採用するべきプロジェクトは正しく選べる。
設問3を読んでみると、「プロジェクトの流動性を考慮するべき」と書かれている。両プロジェクトの損益予測を比べると、プロジェクトEの方が収益性は高いが初期投資額の回収に時間がかかることが読み取れる。このことから、設問2~3は「投資評価方法の特徴の違い」の理解度を問うために「収益性から判断するとプロジェクトEが望ましいが、安全性の観点からはプロジェクトZが望ましい」という結論を用意したものだと推測できる。
よって、設問2で採用するべきプロジェクトはE。そして、設問3における適切な財務指標は回収期間法であり、その評価方法を用いるとプロジェクトZが望ましいという結論になることが分かる。
第4問
財務の勉強をすれば分かるが、「リスク分散」という語は使わない方が良い。なぜなら、「リスク=分散」だからである。
経営リスクという語には「収益が改善するリスク」も含まれているのだが、この種のリスクはデメリットではないので、この語を答案に使用するのは不適切。「収益の安定化」と表現するのが妥当。
H28 (2016)年
第1問
設問1
- 食材にこだわり(第5段落)
- 材料費の高騰⇒棚卸資産回転率(効率性)の悪化
- 事業は好調なので課題にする必要性は低い。
- 創作料理店の業績不振が全社業績に影響(第6段落)
- 売上高総利益率(収益性)の悪化
- 当期に特別損失を計上しているが、与件文には原因が書かれていない。売上高純利益率を採用するとこの特別損失を加味することになるが、設問2でこのことを説明できないため、避けた方が無難だろう。
- 新社屋の用地として市内の好適地を取得(第8段落)
- 短期借入金計上に伴う流動比率(安全性)の悪化
- 有形固定資産回転率(効率性)の悪化
設問2
例年、第1問設問2では財務の収益性、安全性、効率性について分析するのが定番。しかし本問では「課題が生じた原因」を問われているので、収益性、安全性、効率性の良し悪しを述べると不正解となる。
第2問
設問2
「税引後CFの増加分のPV+売却資産(6年後)のPV>当初投資のPV」というNPVの式から導出するので、法人税率を用いて計算する必要がない。
問題文中に意思決定モデルや割引率が指定されていないため、没問になる可能性がある。時間を有効利用するために、「①で導出した数値を用いて、NPVの式を作る」とでも書いて後回しにしよう。
第3問
bは次の要素を満たす必要がある。
- 共通固定費配布額は料理店にとって埋没費用であり、
- 貢献利益が正なので、
- この配布額を一部相殺できる為。
第4問
設問1
- 収益
- ネット上の露出増
- 営業時間外の予約受付
- 費用
- 予約システムの利用料と管理費の増加
設問2
送客手数料とは、店舗に予約や入客が入った際、これに関与した旅行代理店に支払われる手数料のこと(出典)。一般的でもなく一次試験でも扱われない用語を解説なしに用いるのは不親切だ。
損益分岐点売上高BEP=固定費÷限界利益