高校数学 東京工業大学2012 (平成24)年度 前期入試問題の解説

分析

解答例

第1問

センターレベルの易しい問題。

(1)

OCとDEは垂直なので、DEOA, OB, OCで表すとOC の項は0になりそうだが、もしこれが0ならばEはOに一致する。つまり直交座標系とは見做せないのが原因だ。

(2)

要するに目の積が2と5の倍数であれば良いのだから、電数のように、それぞれの事象でベン図を描き、余事象に加法定理を用いるのがエレガント。

数え上げる方法でも数分で答えられてしまうのは流石に出題に工夫がない。

第2問

(1)

与えられた対数の値から3100の桁数は分かるので、これを元にして考察していく。問題自体は簡単なので、論証問題のように扱い、-1 /2についても丁寧に論述すべきだろう。

(2)

ガウス記号が登場しているので、定義通りの不等式を立てるのが常道。そして整数問題は実験が有効だ。

第3問

(2)

簡単な様に見えて意外に計算が厄介な東工大らしい問題。ここまで簡単な問題ばかりだっただけに面喰ってしまうが、それが出題者の狙いなのだろうか。

いかに工夫して計算量を減らせるかが試されている。共有点のx座標をα, βと置くのは定番。さらにS(a)をaで表すと根号が出てきて扱いにくいのでαで表すのが自然だ。

a = 0とならないのが意外なところで、解はa = 38 -27√2 ≒ -0.18である。これは、直線lの回転軸がCの変曲点ではなく原点にあり、そこから遠いほど変位が大きい為だ。答えが出せなくてもこれを説明して-1 /4 < a < 0と書いておくのもアリだ。

第4問

(2)

明らかにパターンに当てはまらない漸化式なので、一般項の予想が必要になる。そして数学的帰納法で証明する。

漸化式に「全ての前項」を参照する級数が含まれているので、ここでは応用的なn≦k型の数学的帰納法を用いる。

(3)

級数と極限の組み合わせと言えば区分求積法である。(2)を答えられなかったとしても予想した一般項で解答できる。

挟み撃ちの原理を使わずに解答しても間違いではないだろう。

第6問

東大理系98年前期[6]で出た四角錐の部分が三角錐になった問題だ。空間認識力が必要とされる。

断面積を求めるとき、正三角形から扇形と二等辺三角形を除くことになるが、その際にθを設定する必要がある。二等辺三角形については三角関数で、扇形はθで面積を求める。

xy平行平面(y = t)で積分するのが自然だろうが、実はMath Stationのようにxz平行平面(z = t)の方が簡単。

類題の経験が無いと難しいが、方針くらいなら書けるだろう。

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