高校数学 東京工業大学2014 (平成26)年度 前期入試問題の解説

分析

解答例

第1問

(2)

an -bnを表すnの多項式を愚直に展開していくと面倒なので、因数を保持したまま解き進めていきたい。ここでヒントになるのが(1)で示した6の倍数の十分条件で、これを使うと上手く証明できる。

ある式がn倍数である事の証明は、連続する整数の積で表す方法を使うのが一般的だ。

第2問

(1)

f(t) = et, g(t) = 1 +t et /2 と分けて大小比較する方法も思いつくが、グラフで表して考察するときは便利だが、この場合はg(t) をグラフ化しにくいので筋が悪い。

一階微分では傾き具合が分からないので、tの定義域端での値が0である事と二階微分での増減から単調関数である事を証明する。二階微分しても関数が相変わらず複雑であっても、tの定義域端での値が0 なら方向性は正しいと信じてよいだろう。

この問題を解けばa = 2が範囲の境界であると分かるので、(2)で場合分けする際の目安になる。

(2)

a > 2 の場合は与式と比べれば計算するまでもない。

誘導の(1)が無ければ、aの境界を自力で探る必要があるので手ごたえのある面白い問題になっただろう。カギはlog (1 -a)の符号が変わるaの範囲である。

第5問

微積の問題だが、「解と係数の関係」とβ関数を使って微積の計算を一切せずにすべての答えを出せる!

(1)

共有点を求める式は、曲線Cが接線とxk -1で接しているので、(x – xk -1)2 という因数を含んでいる。

そして電数の解答の様に、3次関数と接線の接点以外の共有点であれば、3次関数の解と係数の関係「α +β +γ = −b /a」を用いてxk の値を得られる。 接線の方程式を求めたり複雑な因数分解を回避できる凄いテクニックだ。

求積にはβ関数の公式を使える。

(2)

x0 = 1を出発点として、それに続くxk が次々と決まっていく様をイメージすると、数列を形成する事が分かる。

これも電数の解答の様に、(1)と同じく接線の方程式を求めたり複雑な因数分解をせずにxkの漸化式を得られる。

(1)で扱ったC上の点(1, 3)はk = 0に相当するので、等比数列の公式の次数は「k -1」ではなく「k」となるので注意。

(3)

何はともあれSk の一般項を求める必要がある。立式には(1)で行った手順を使うが、積分区間として現れるxk とxk -1を置き換えるのが(2)で求めたxkの一般項だ。

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