前年度より易化した。
物理
解説
第1問
地球トンネルがテーマの力学問題。
[II]
(1)原点を中心とする円周上をP ,Qが(0, 1)から出発する事を想像すれば速く解ける。円周上を動くなら両者は衝突しないが、x方向を潰して一次元化したから衝突してしまうわけだ。
(2)単振動をしている場合、ある地点を通過するときの速度は向きに依らず常に一定。よってP ,Qが衝突すると速度0になる。また、P, Qが合体することで質量が2mに変わるが、周期の式には質量は含まれてないのでそのまま適用できる。
[III]
(2)ここでも円周上の運動を考えると、P, Qは衝突後に周回の向きが逆になるので、角度π/2進んだ先で再び衝突するとわかる。
第2問
[III]
電磁誘導の法則を用いて解けるが、コイルを想定する一般的な考え方は使えない。深い理解が必要な問題だ。
[IV]
よくある「レール上を動く導体棒」の問題のような帰結。[III]が解けなくても解けるし、勘で書いても正解しやすい問題だ。
第3問
原子分野からの出題。
[I]
(3)(2)で求めた式を考察すると、分母に速度が含まれているので、速度が大きいほど縞間隔が小さくなると分かる。
[II]
スリットを通過したのは粒子だが、干渉縞を作るのは波である。これは、原子に波と粒子の二重性があるからこその現象だ。
スリットを通過してからは波として考察していく。本来なら ⊿x = lλ /d から⊿xとlは比例する。ここで着目するのが、波動性と粒子性を結びつける式”λ = h /mv”だ。この式によると粒子が加速すると波長は短くなると分かる。
化学
第1問
[II]
ク.A, Bのモル数が等しいことも記述に含めよう。
第2問
[I]
よくあるCODの問題。
ウ.酸化剤が異なっていても、酸化還元反応において取引される電子の数は等しいので、半反応式を比較すれば良い。
エ.(ウ)が誘導になっている。操作5の空試験から、試料の酸化で消費した過マンガン酸カリウムは2.60mLだと分かる。
[II]
ク.(キ)が誘導になっている。物理でよく使うエネルギーE = qVを利用する。
第3問
[I]
ア.反応物の一方を大量に用意することで反応を促進できる。プロピオン酸とエタノールの沸点を比べると、プロピオン酸はその分子量が大きく、かつ二量体を形成するので高い。よってエタノールを蒸留で回収できる。
イ.酸無水物でエステルを作れば、水が生じないので加水分解による逆反応は起きない。
[II]
ク.実験2では、安息香酸は溶媒と水素結合をしている。一方で、ベンゼンのような無極性溶媒中では安息香酸は二量体を形成する。