高校数学 筑波大学2014 (平成26)年度一般入試問題の解説

難しくはないが、手間のかかる問題ばかりだ。

〔1〕

(1)

(2)で点Gの座標を表す必要があるが、三次方程式の解を求めるのは難しいので「解と係数の関係」を用いてエレガントに導き出す。

α+β+γ, αβ+βγ+γα, αβγ が出てきたら三次関数の「解と係数の関係」を使うのは確実。α, β, γ はP(a, b)からf(x)に引いた接線のx座標であり、f(x)と直線との交点ではないので気づきにくい。しかし接線の座標を(p, q)として方程式を立てて(a,b)を通る情報を与えると…

2t3 -3at2 +a +b = 0 ※g(p)とおく

となり、pの解が α, β, γ となる。

ここで「解は3つある」という条件を確認しよう。まずグラフの形からa ≠ 0であると分かる。加えてg(p) の極値はg(0) = a +b, g(a) = -a3 +a +b であるから、(a +b>0 ∧ -a3 +a +b < 0)∨ (a +b < 0 ∧ -a3 +a +b>0) となるが、よりシンプルに(a +b)(-a3 +a +b) < 0 とも表せる( a ≠ 0 も含まれている)。

三次関数の解と係数の関係は次の通り。

  • α+β+γ = −b/a
  • αβ+βγ+γα = c/a
  • αβγ = −d/a

解と係数の関係には、方程式の次数に依らず次の法則が成り立つ。これを知っていれば関係式を憶える必要はない。

  • 左辺の次数が偶数の場合は右辺は正数、奇数の場合は負数となる。
  • 「左辺の次数」と「右辺の分子が対応するxの次数」の和は、その関数の最大次数に等しい。(二次関数では2、三次関数では3)

(2)

α333 = (α+β+γ){(α+β+γ)2 -3(αβ+βγ+γα)}を憶えている必要がある。

重心の問題は2016年度〔1〕でも出題されている。

(3)

(1)で説明した「解は3つある」という条件がここで必要となってくる。問題(1)を解く上では必要のない条件なのでスルーしてしまいがちなので厄介。大問を解く前に各小問に目を通しておくと良いかも。

y = 9x3 /4 -2x, y = -x, f(x) = x3 -x の三つのグラフを交点に気を付けながら描く必要があるので大変だ。 y = 9x3 /4 -2xとf(x)の大小を比較する際は次のやり方が速い。

  • 両関数を辺々引いて交点のx座標を導く。
  • (1, 0) がf(x) とx軸との交点なのでx = 1を代入して比較。

「境界は除く」という事も書こう。

〔3〕

(3)

Z(a)の極限は、Y(a)とY(b)で分けると速い。Y(a)の極限は(1)で求めた通り1。 Y(b) はbをaに置き換えるのではなく、b = 1/a を利用して”a → +0″を “b → ∞” とすることで(1)の結果を再利用できる。

Z'(a) /a の極限について。Y'(b) = {Y(1 /a)}’は合成関数の微分で(-1 /a2)・Y'(1 /a) とできる。この後、東進やパスナビの模範解答ではaを再びbに置き換えて”b → ∞”とする事で証明なしで使える極限の形に持って行っているが、極限の速度は多項式より指数関数が大きい事を知っていればすぐに答えを出せる。

〔4〕

(4)

隣接三項間漸化式の一般項を求める。特性方程式または数学的帰納法を使う。

〔6〕

(1)

楕円の方程式は x2 /a2 +y2 /(a2 -c2) = 1 、双曲線の方程式は x2 /a2 -y2 /(c2 -a2) = 1 で表される。式変形すれば両者は同じものである事が分かる。違いは前者がc < a, 後者がa < c であるという事。要は焦点が曲線の内側か外側にあるかの違いだ。

「点Pの座標をaを用いて表せ」とは、tも消去する必要がある。

(2)

C1, C2 の接線公式から傾きを求め、それらの積が-1になる事を利用する。このほか、方程式の偏微分で法線ベクトルを導き、内積が0になる事を利用する方法もある。

(3)

aが媒介変数となっているのでaを消したx, yの方程式を作る。

計算過程で、点Pは第一象限にある事や正負の条件により範囲が絞られることに注意。

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