Windows対応web browser おすすめランキング 2016-04号

世界中のWindows(Vista~10)対応ウェブブラウザーから、お薦めの物を5つ選び、ランキングにした。

前号発行時までの主な出来事

前号発行時までに起きた主な出来事を挙げる。
今季は、重要な出来事が多かった。何と言っても、Opera関連の話題がbrowser界隈を賑わせた。

Opera社が、中国企業の団体に買収された
中国製softwareは信用性が低い為、今後Operaがランクインすることは無いだろう。本件に因る順位表への影響は、前号で当browserはランクインしていないので、無い。
Vivaldiの正式版が公開
Vivaldiは、「page拡大のkeyboard shortcutが効かない」不具合が長らく有ったが、それが直らないまま正式版に至ってしまった。Vivaldiは開発版の時点で多くの注目を集めており正式版になった事でそれは一層強くなっているが、実際は完成度が低い。
Pale Moonが、rendering engineを独自の「Goanna」に替えた
私は予てからGoannaに期待していたが、実際に公開されると「YouTubeの動画を60FPSで再生できない」といった欠点を抱えており期待外れだった。とは言え、どんな物も初めは不具合が有るものだ。YouTubeの問題は結構重大なので、その内改善されるだろう。Goannaの今後に期待している。
Slimjetが、更新時の手間が減るように改良
私は既に当browserを「Chromium勢最強」と評価していたが、幾つかの欠点も抱えていた。今回、その欠点の内の主な物が一つ取り除かれたことで、Chromium勢最強の地位を確固たるものにしたと云える。
Iron(SR Ware)がH.264 codecを搭載
Ironは人気が高いが、今までH.264 codecが非搭載だったので私は低く評価していた。それが本件により評価は段違いに高まった。それでも、SlimjetやChromeには敵わないのでランクインは逃した。

第5位:Ancia (y-kurimoto)

特徴
  • IEの派生
  • 日本人による個人開発で、更新は活発。
  • 知名度が非常に低い。
  • メモリ消費量がとても少ない。
  • アドオンは使えないが、機能は豊富。
レンダリングエンジン Trident
安全性 ★★★★☆
IE系で、更新頻度は月に数回。
安定性 ★★★★★
Beta版ながら不具合は少ない。メモリ消費量がとても少ない。
機能性 ★★☆☆☆
アドオンは使えないが、様々な機能が用意されている。

第4位:Chrome (Google Inc.)

特徴
  • シェアは世界で1位、日本で2位。
  • Googleが開発
  • Chromiumの派生
  • Web標準への対応度が高い。
  • Chromeウェブストアを利用可能。
レンダリングエンジン Blink
安全性 ★★★★★
Googleの製品なので、信頼性は高い。セキュリティ更新の頻度は月に数回。
安定性 ★★★☆☆
不具合が少ない。Chromium系なのでメモリ消費量がかなり多い。
機能性 ★★★★☆
Chromeウェブストアが利用出来、拡張性が非常に高い。
H.264コーデック搭載でTwitter動画を再生可能。

※類似のブラウザにVivaldi等が存在する。

第3位:Slimjet (FlashPeak Inc.)

特徴
  • 平成27年に誕生した新興ブラウザー。
  • 知名度が低い。
  • Chromiumの派生
  • Chromeウェブストアを利用可能。
  • 機能性・カスタマイズ性が高い。
レンダリングエンジン Blink
安全性 ★★★★☆
更新頻度は月に数回だが、Chromiumのバージョンが少し遅れている。
安定性 ★★★☆☆
不具合が少ない。
Chromium系なのでメモリ消費量は多いが、メモリ解放機能を搭載している。
機能性 ★★★★★
タブ上の閉じるボタンを非表示に出来る(右clickで閉じる機能もある)。
「中国ドメインのコンテンツにのみproxyを適用させる」機能がある。
Chromeウェブストアを利用出来、拡張性が非常に高い。
H.264コーデック搭載でTwitter動画を再生可能。

※類似のブラウザにKinza、Ironが存在する。

第2位:Pale Moon (Moonchild)

特徴
  • Firefoxの派生で、Windowsなど各OSに最適化されている。
  • 独自のレンダリングエンジンを搭載している。
  • アドオンが利用可能。
  • Firefoxから無駄な機能を削り、高機能とメモリ消費量の少なさの両立を実現している。
レンダリングエンジン Goanna
安全性 ★★★★☆
Firefoxの派生でセキュリティ更新の頻度は月に一回程度。
安定性 ★★★★★
不具合が少ない。メモリ消費量が非常に少なく、Firefox系ブラウザー全体でも最少。
機能性 ★★★★☆
Firefox アドオンを利用出来、拡張性が非常に高い。互換性の無い物も有るが、特に困らない。
YouTubeの60FPS動画を再生できない。

※類似のブラウザーにWaterfox等が存在する。

第1位:Firefox (Mozilla Foundation)

特徴
  • 世界や日本でシェア3位
  • 14年の歴史がある。
  • マルチプラットフォーム
  • アドオンが利用可能。
  • 特筆すべき欠点が無い。
レンダリングエンジン Gecko
安全性 ★★★★★
セキュリティ更新の頻度は月に数回。
安定性 ★★★★☆
不具合が少ない。メモリ消費量も少ない。
機能性 ★★★★★
Firefox アドオンを利用出来、拡張性が非常に高い。

※類似のブラウザーにCyberfox等が存在する。

前号からの順位表の変化は、前号公開から本号公開の期間に大事件が幾つか有ったけれども、結果的には1位と2位が入れ替わるだけだった。

Pale Moonはbrowserランキング創刊から3号連続で1位を獲って来たが、今回初めて首位陥落となった。この原因は、当browserがHTML rendering engineを「Goanna」に変えた事により幾つかの不具合が現れた事だ。
私自身は、FirefoxではなくPale Moonを常用している。本順位表のFirefox系に於いて劣る方を選んでいる理由は、元々Pale MoonをSlimjetと併用しているからだ。Pale Moonの欠点はSlimjetが補ってくれているので、Firefoxより安定性が優れたPale Moonを使っているのだ。

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