Windows対応web browser おすすめランキング H2810号

Windows 対応web browser の、世界一マニアックなおすすめランキング。(号 #6)

browser 利用者比

世界に於けるweb browser の利用者比を考察する。情報源はNet Applications の調査

Chrome (54%)は過半数を獲得した後も増加傾向は衰えていない。

Firefox (9%)はこれまで減り続けていたが、9月から大幅な増加が見られた。

Opera (1.4%)は、開発元を中国企業が買収する話題が広がってから下がり続けているが、9月に入って増加している。

IE (25%)は急激に減った。Win10 の無償upgrade 期間が終わった事に因ると見られる。

一方でIE の後継ぎたるEdge は5%で、6月時点と殆ど変わっていない。Win10 への無償upgrade 期限が過ぎたにも関わらず増加が見られないという事は、Microsoft 社の戦略「IE 利用者をEdge への乗り換えさせる」は完全に失敗したと云える。
当browser は8月の「Windows Anniversary Update」が行われるまでは、公開から1年が経っているにも関わらず「アルファ版」と位置づけるべき程に未熟だった。8月の更新を経てbrowser としての基本機能を備え、拡張機能の実装も果たした。これによって漸く”人並み”になったと思う。それでも利用者が5%に留まっているという事は、「改善が遅すぎた」という事だろう。

それでは、本題のbrowser ランキングを紹介しよう。

第5位:Ancia (y-kurimoto)

特徴
  • IE の派生
  • 日本人による個人開発。
  • 知名度が非常に低い。
  • RAM 消費量が少ない。
  • 拡張機能は使えないが、機能は豊富。
  • install が不要。
対応OS XP 以降
HTML RENDERING ENGINE Trident
安全性 ★★★★☆
IE 系。更新頻度は月に1回ほど。
安定性 ★★★★★
試用版ながら不具合は少ない。RAM 消費量が少ない。
機能性 ★★☆☆☆
拡張機能は使えないが、様々な機能が用意されている。
Twitter の動画を再生できない。

5号連続で5位。
5位の選定に於いて、Ancia とPale Moon の何方を選ぶかで迚も悩んだ。Ancia は「Twitter 動画を再生できない」「拡張機能が使えない」というPale Moon と似た欠点を持っていた。Ancia を選んだ決め手は、「YouTube の60FPS 動画を再生できる」という点である。
創刊号以来、日本製品がランクインし続けている伝統は何とか維持された。

第4位:Edge (Microsoft 社)

特徴
  • Microsoft 社が開発。
  • 利用者数は世界と日本で4位。
  • tablet 機器で使い易い。
対応OS 10
HTML rendering engine EdgeHTML
安全性 ★★★★☆
Microsoft 社が開発。更新頻度は月に1回程度。
安定性 ★★★★☆
不具合が少ない。
機能性 ★★★☆☆
拡張機能が利用可能。(※種類は少ない)
tablet 機器で使い易い。

「Edge」が初のランクイン。
8月の「Windows Anniversary Update」によって漸く常用に耐える程の機能を揃えた。
目玉機能として「Webノート」を実装しているが、これは便利とは特に思わない。こんな物より拡張機能の種類を増やして欲しいところだ。用意された拡張機能の中で使う価値が有る物は、現状ではAdBlock系ぐらいだ。

第3位:Chrome (Google 社)

特徴
  • 利用者数は世界と日本で1位
  • Google が開発
  • Chromium 系
  • 拡張機能を利用可能。
対応OS 7 以降
HTML RENDERING ENGINE Blink
安全性 ★★★★★
Google 製品。安全性更新の頻度は月に数回。
安定性 ★★★☆☆
不具合が少ない。Chromium 系なのでRAM 消費量が多い。
機能性 ★★★★☆
Chromeウェブストアが利用出来、拡張性が非常に高い。

前号から3位を維持。4号連続のランクイン。

第2位:Slimjet (FlashPeak 社)

特徴
  • 平成27年に誕生した新興browser。
  • 知名度が非常に低い。
  • Chromium 系
  • Chrome の拡張機能を利用可能。
  • Chrome の安定性・機能性における弱点を克服している。
HTML RENDERING ENGINE Blink
対応OS 7 以降
安全性 ★★★★☆
Chromium の版が少し遅れている。
安定性 ★★★★☆
不具合が少ない。
Chromium 系なのでRAM 消費量は多いが、RAM 消費解放機能を搭載している。
機能性 ★★★★★
Chrome web store を利用出来、拡張性が非常に高い。
H.264 codec 搭載。
tab の閉じるbutton を消せる。
tab 上の右click でそのtab を閉じる機能を持つ。
新規tab に拡張性の高い「よく見るpage」を表示できる。

※類似品: Vivaldi, Brave, Kinza

前号に続き2位を維持。5号連続でランクイン。
本browser は前号で紹介した時点では、「NPAPI 対応」「Windows XP, Vista 対応」というChromium 系としては独自の特徴を持っていた。しかし12版への更新に伴いこれらの特徴を失った。
近頃は更新頻度が下がっており、安全性評価はギリギリで「4」を維持した。これ以上に更新頻度が下がるならば、次号でランキングから姿を消す恐れがある。

第1位:Firefox (Mozilla Foundation)

特徴
  • 利用者数は世界と日本で3位
  • 14年の歴史がある。
  • 拡張機能が利用可能。
  • 特筆すべき欠点が無い。
対応OS XP 以降
HTML RENDERING ENGINE Gecko
安全性 ★★★★★
安全性更新の頻度は月に数回。
安定性 ★★★★☆
不具合が少ない。
機能性 ★★★★★
Firefox add-on を利用出来、拡張性が非常に高い。

※類似品: Tor Browser, Waterfox, Cyberfox, CLIQZ

本browser は創刊号からランクインし続けて、今回3連覇を果たした。

順位決定の難しさについては、1~3位は簡単だったが、4~5位については難航した。
ランキングの変動は、前号の4位・Pale Moon がEdge に置き換わった事だけだ。これによってランキング上のbrowser のHTML rendering engine の種類が四つになったが、この数は創刊号以来単独最多である。
Firefox 系が創刊号から1位を取り続けている。

Pale Moon は創刊から前号までの5回全てでランクインしていた。本browser は創刊号から3連覇を果たした後、次第に順位を落とし、今回遂にランク外になった。
ランク外に至った理由は、「YouTube の60FPS 動画を再生できない」「Twitter 動画を再生できない」「拡張機能”NoScript”のbutton がtoolbar に表示されない」という機能面での問題である。但し安全性・安定性の高さは健在であり、今後の機能性の改良次第では復活を果たす可能性を持っている。

「Vivaldi」は一部の人々から絶賛されているが、その評価は過大であり、実際の性能はEdge と同等である。Vivaldi とEdge は同時期に誕生したbrowser であり、これから何方が優ってゆくか楽しみだ。
Vivaldi が今回ランクインしなかったのは、Slimjet やChrome に勝る点が無かった為だ。

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