高校物理 東京工業大学1999 (平成11)年度 前期入試問題の解説

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自己採点する際の推奨配点: a;8, b;8, c;8, d;6, e;6, f;8, g;8

慣性力や摩擦力を含む力学問題。〔B〕は典型問題で、〔A〕の方が難しい。

(b)三角台が受けている力を全て見つけ出し、それらの水平成分を足し合わせる。ここでは、小物体から受けるから受ける力が2つあり、斜辺に対して垂直なmg cosθと、平行な動摩擦力がある。

(c)慣性力が働いているので「mg cosθ = N」とはならないのだ。(b)では床、(c)では三角台と、慣性力が関わる2つの視点で運動を考察することでNを求めることが出来る。

(d)水平方向に関しては、外力が働いてないので運動量保存則が成り立つ。

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自己採点する際の推奨配点: a;6, b;4, c;4, d;10, e;16, f;10

電磁気問題。法則を元に問題を解くというより、実験結果を元に法則を作り、検証するという面白い趣旨の問題。

(a)青本では「電池の内部抵抗」を答えとして挙げている。導線1を一回巻きのコイルと見做して、「自己誘導」を挙げても良いだろう。

(d)万有引力やクーロン力に似た式になる。電流は有効数字1桁だから、有効数字1桁で答えよう。

(e)導線cdの動く方向は鉛直方向に限られているので、水平方向に電磁力が働いても比例係数に影響しない。

(f)導線同士に作用する力の正体はローレンツ力F = IBl であり、この実験では磁束密度Bを電流によって発生させたものである。よって(d)で求めた式と等価である。電流は有効数字1桁だから、有効数字1桁で答えよう。

[3]

自己採点する際の推奨配点: a;20, b;6, c;10, d;6, e;8

原子分野からの出題。基本的な(a)は全問正解すべきところ。

(c, e)(aキ)の式を利用することは、全ての文字の数値が与えられている訳ではないので不可能。よって水素原子についてのデータを利用する。文字が多数登場するので煩雑だが、与えられた値を利用できるように1/λの式を変形していこう。

(d)n = 5からm = 2へ移行するというのは図を考察するだけで分かるが、計算過程を示すように求められているのが厄介。こういう時は、(aコ)の式に n = 5とm = 2 を代入した式を書いて、恰もλを計算したかのように装えば楽だ。

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