高校化学 東京工業大学1999 (平成11)年度 前期入試問題の解説

解説

[1]

  • 3.イオン結晶では、陰陽イオンが均等に結合している。分子結晶以外の結晶は分子としては存在していない。
  • 4.この性質のお陰で、界面活性剤は油汚れを包み込んでくれるのだ。

[2]

  • 4.アンモニアはNとHの電気陰性度の差が大きいので水素結合をするので、沸点が最も高い。
  • 5.分子間力が小さいので気化しやすい。ドライアイスの昇華がヒント。
  • 6.分子の運動エネルギーの「固体→液体」と「液体→気体」における差の大きさを考察する。

[3]

6.アンモニアソーダ法。

[4]

  • 3.水素を水に変えるために、減極剤として酸化剤が用いられる。
  • 4.導線を通じて電子が移動するので、陽イオン交換膜法と同じように両者の溶液は次第に電気的に偏る。これを解消するのが素焼き板で、硫酸イオンを負極側に移す。

[5]

  • 1.反応が十分に進むと平衡状態に至る場合は可逆反応。過酸化水素は不安定な物質なので全て水と酸素に分解するので不可逆反応。
  • 2.この反応は一次反応なのでd[H2O2]/dt = -k[H2O2] が成り立つ。

[6]

  • 1.分子に依って、アルミナとの極性といった親和性が異なる。そこでアルミナはカラムクロマトグラフィーに充填剤として用いられる。マニアックな問題。
  • 2.不純物は濃度が低いので溶液に残る。

[9]

高校化学の範囲では、「スクロース以外の単糖類・二糖類は全て還元性を持つ」「全ての二糖類には、グルコースが構成要素として必ず含まれる」と覚えておいて良い。

腸液に含まれるインベルターゼ(Invertase)はスクロース(転化糖)を分解する。Invertには「反転、転化」という意味がある。

[11]

黄燐P4 を固体として析出させるとPとなるので、物質量が4倍になっている点に注意!ここに引っ掛けられた受験生は多かっただろう。

P4 とArの物質量が分かれば、モル比 = 分圧比 を利用して解が得られる。

[12]

X, Yの元素は特定する必要がない。

[13]

NaClの様に陰陽イオンのサイズが同程度ならば、イオンが格子点に並ぶ。CsClの様に差が大きいと、斜めにズレて並ぶ。

[16]

B. BaSO4だけでなくCu(OH)2も沈殿するので6が正解。駿台の参考書は間違えて5としている。

[18]

問II

水酸化バリウム水溶液を塩酸で滴定しているのではなく、塩酸を水酸化バリウム水溶液で滴定している点に注意。

問III

ヘンリーの法則の問題は気体を物質量ベースで計算するのが基本。bとdでの物質量差が0.0388molなので各状態での密閉容器中の二酸化炭素の物質量を算出する。

注目すべきは、ヘンリーの法則に関する問題なのに「単位圧力あたりの溶解量」の数値が示されていない点だ。これは、その数値を未知数として立式する必要があることを示している。

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