高校数学 東京大学1989 (平成1・昭和64)年度 理系前期入試問題の解説

「大学への数学」における各大問の難易度: C, B, C, D, C, D

解答例

第1問

見かけより難しい問題で、対称性を活かして計算するのが如何にも東大数学らしい。

「①かつ②」⇔「①+②かつ①-②」であり、右辺は片方のみでは成り立たない。それは、「y = x, x = y」や「y = -x, x = -y」といった関数同士を足したり引いたりしてみるとどちらか一方が0 = 0になってしまうことから納得できる。

グラフを描くと、両曲線はα = β, α = -β となる交点を持つが、これらは不適な解なので(α -β)と(α +β)の因数を消去できる。

東大入試に於いてはこのような対称性に着目する問題は頻出だが、当時としてはまだ珍しく難問だったようだ。

両関数を連立すると9次方程式が現れ、計算が大変になる。しかし、両関数は対称性が高く、y = x, y = -xと交点を持つことから因数(kx2 -k +1), (kx2 -k -1)を持つと分かり因数分解できる。

ちなみに、両関数同士はy = xに対称だが逆関数ではない。

第2問

S(a)はθを含む式になり、aだけでは表せないので、三角関数の極限公式を用いる。

第3問

(2)

計算が極めて煩雑なので何とか楽にしたい。

f10(z) = f5(z) より、fn(z)は周期5で同じ関数を繰り返す。したがって、f0(z) = f4(z)であるはずだ。f0(z)はf1(z)の逆関数である。更にf4(z) = f2(f2(z)) とすることで計算を少し楽にできる。

関数の入れ子構造を扱うのは珍しいので難しい問題だ。

第4問

整数部の桁数は簡単だが、1の位は難問。合同式の考え方を適用できるように、無理やり整数を作る。分からなくても数字を書いておけば10%の確率で当たる。

第5問

バウムクーヘン分割の証明はどの程度厳密に説明すればよいのかどうか分からないので、後回しにして、残り時間に余裕があれば厳密な証明をしよう。

第6問

並べ方において、「白玉が連続してk +1個以上並ばない」という条件が非常に分かり難い。これを無視して求めても部分点は得られる。

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