高校化学 東京工業大学2006 (平成18)年度 前期入試問題の解説

有機分野に難問が多い印象だ。

[1]

  • (5)イオン化エネルギーは、原子から電子を奪うのに必要なエネルギー。電子親和力は、原子が電子を受け取った時に放出するエネルギー。両者は基本的に正の値なので0にはならない。両者の和は電気陰性度に対応している。

[2]

  • (1)中和反応と燃焼反応は物質に依らず発熱反応である。
  • (5)黒鉛は固体なので、圧力は”CO2 (気) +C(固)”の方が小さい。

[5]

反応前後で温度と圧力が一定という条件なので、”モル比 = 分圧比”の考え方を使える。

[6]

(B)鉄や酸素の物質量について情報を纏めながら解くと良い。答えからFe2O3と判断できるが、勘で答えられない様に答えは0.67ではなく0.68となっている。

[8]

水酸化物で有色なのは鉄と銅だ。

  • (1)錯イオンのうち、銅を過剰なNH3で再溶解した場合のみ深青色になる。銅アンモニアレーヨンの再生に使われるシュバイツァー試薬も深青色だ。
  • (2)酸性にするとNH3 の中和により錯イオンから金属イオンに戻る。硫化物は、イオン化傾向Al以上は溶解し、ZnS, FeSは中性・塩基性でのみ沈殿する。
  • (5)ろ液Bは元々塩酸酸性だが、NaOHを加えてアルカリ性にするとZnSやAl(OH)3の沈殿が生じる。

[11]

硫酸鉄(II)が還元剤である事を知っている必要がある。硫酸鉄(III)は酸化還元反応に関与しない。先に問iiの答えが出る。

[14]

  • (1)SnCl2ではなくSn単体との酸化還元反応を考える。Snは酸化するとSn+4となるが、細かい知識だ。

[15]

選択肢6, 7に答えるには、考えられる化合物を全て書き出す必要があるが、高々7個なので意外と時間はかからない。

[16]

「アクリル酸」や「実験式」は恐らく現行課程では教わらない。

[17]

計算が煩雑で、時間内に解き終えるのは困難。簡易表記の構造式を描いていく方がミスも少ないし効率的に解けるだろう。

[18]

糖類1mol のアルコール発酵でエタノールとCO2が2molずつ発生する。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です