高校化学 東京工業大学2006 (平成18)年度 前期入試問題の解説

[2]

  • (イ)常温常圧では不導体だが融解すると導体になるのはイオン結晶の性質。
  • (エ)希ガスの気体は単原子分子。

[4]

(問i)問題文に、ある瞬間の反応速度はその時の[H2O2]に比例すると書かれているので、[H2O2] を求めよう。その為には最初の[H2O2] を求める必要がある。

(問ii)値を代入するだけ。

[5]

H2 (1.000 atm)捕集時、”水蒸気の分圧” = “水の飽和蒸気圧”。0.500 atmの場合は最初より低い圧力なので、水蒸気を蒸気圧を考慮しないで普通の気体として扱える(状態方程式を適用できる)。4.000 atmの場合は最初より高い圧力なので蒸気圧の考慮が必要。

0.500 atmの場合と4.000 atmの場合とでは水の物質量は変わってしまっているが、H2については不変なのでボイルの法則を適用できる。

[6]

問i

  • (5)硫酸はアルカリ土類金属以外となら可溶性の塩を作るので次第に反応が進むが、鉛の塊に希硫酸を加えると、表面だけ反応したあと緻密な皮膜を作るのでそれ以上は水素を発生させない。

問iii

この問題だけでかなり時間が掛かりそうだ。Mg, Ni, H原子の物質量をそれぞれx, y, zとおく。

  • (ア)金属が塩酸に溶けた際に発する水素と吸蔵されていた水素の和が0.41 molである。
  • (イ)電解質にはMg2+とNi2+が含まれているが、イオン化傾向が小さいNiが析出する。Mgはイオン化傾向がAl以上なので析出しない。この問題では陰極ではNiと水素が現れるが、現実の実験では水素のみが発生してもおかしくない。

[7]

(4)イオン化傾向がAl以上の金属は融解塩電解で生成する。

[8]

  • (4)どちらも硝酸銅を発生するが、気体は濃硝酸がNO2, 希硝酸がNOなので酸化還元反応式が異なる。
  • (5)ヨウ化カリウムデンプン紙は、KIが酸化されてI2 になり、これがデンプンの環構造の入り込む事で呈色する。

[9]

5, 6は「全ての異性体」なので注意。

[10]

問i, iiは細かい知識を要する難問。

  • (1)アセチレンに硫酸水銀を触媒として水を付加するとアセトアルデヒドが出来る。この過程で使った水銀が水俣病の原因となったので、現在はエチレンに(4)塩化パラジウムと塩化銅を触媒として工業的に生産されている。
  • (2)10族元素Ni, Pd, Ptを触媒として脂肪族やベンゼンの二重・三重結合に水素を付加する事が出来る。
  • (3)ナトリウムフェノキシドを高温高圧下でCO2と反応させサリチル酸を作る。
  • (7)十酸化四リンに水を加えて加熱するとリン酸が生じる。
  • (9)エチレンにリン酸を触媒として水を付加するとエタノールになる。

[13]

実験キの「もとの化合物であるかどうかを調べる」という記述が曖昧なので不適切問題。

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