〔1〕
東工大にしては非常に簡単な問題。
点A, Bの座標を表すのに使う記号は、xA, xBなどの添え字付きの物だと書く時間が長いし見にくいので、α, βなどにしておこう。
式をα, βで表現したまま計算を進めていくのが王道だ。グラフを見ても分かるように左右対称性を持つ問題だから、 α, β のいずれかをもう片方で表して計算していくというのは筋が悪いのだ。
面積を定積分して求める際、積分範囲もα, βで表す事で、積分結果がα, βで表された簡潔な式になる。
最小値に関しても微分せずに相加相乗平均などで素早く求められる。
〔3〕
二次方程式について、与えられた条件を満たす解を持つような係数(m, n)の組み合わせの個数を数える。
問題の意味を捉えにくいが、まずは
- 放物線の軸はn /2
- 2N以下の正の整数(1 ≦ m ≦ 2N, 1 ≦ n ≦ 2N)
- 解がN以上(N2 -Nn +m ≦ 0)
- 実数解を持つ(n2 -4m ≧ 0)
といった条件を確認していき、立式・グラフ化する。ちなみに、「係数が未知数である二次方程式の実数解」と来れば「解と係数の関係」を使いたくなるが、この問題は特に使わない。
(m, n)の個数は、上記の4つの不等式を満たす組み合わせだ。不等式によって範囲が定まると言えば格子点なので、視点を変えて(m, n)を平面座標に置き換えて格子点として数え上げる。(m, n)という二つの未知数の組み合わせになっているのも、格子点として解くという事に気づくヒントだ。
一見すると実数解条件 “n2 -4m ≧ 0″という曲線で囲まれた領域の格子点を数えなければならない様だが、実際には「解がN以上」という条件により直線で囲まれた領域を扱うことになる。
複数の条件と照らし合わせて領域を確認して格子点を数え上げるのは骨が折れる作業で、馴れが必要だ。しかもこの問題ではN = 1 を例外として場合分けする必要がある…領域が狭いので” N2 -Nn +m ≦ 0 “という斜線部分に掛かってしまうからだ。
東進の解説では細かく場合分けしているが、却って分かり難くなっている。
〔4〕
(1)
直線l と垂直な平面πは内積で表せる。そしてxy平面と交わるという条件は”z = 0″を代入するだけで求まる。”x +y = t”だけでは平面を表す事になるので、”z = 0″も併記する。
(2)
今年度最大の難問。「斜軸回転体の体積」というだけでも発展的な内容だが、更に空間的に捉える必要がある。
(1)が誘導になっており、平面と領域Dが交わる線分をlを軸として円の面積を求め、tで積分することになる。放物線は平面π がt = 1 の時に丁度接するようになっているので0~1 の範囲で積分する。
tはx, y, z軸により定められておりl とはスケールが異なるので、tとsの関係式を作り置換積分する。
軸が空間的に傾いているので、RP, RQを算出してドーナツ状の面積を求める。
被積分関数の項の一つ”-2√(1 -t)・(t -2)”の積分方法については、東進は部分積分を使っているが、Math Stationのように”2√(1 -t) +2(1 -t)√(1 -t) “と分けた方が部分積分を使う必要が無いので速い。