視覚情報媒体の縦横比の進化、面積・長さを求める式

テレビやスマホといった視覚情報媒体の画面の大きさや形について。

面積・横幅を求める式

まず、最も伝統的な視覚情報媒体といえば「紙」である。歴史的にはその形には無数の種類があるが、国際規格として圧倒的に利用されている縦横比が「1.4 : 1」(厳密には「√2 : 1」)である。
この縦横比が採用されている理由としては、次のようなことが挙げられる。

  • ヒトが美しいと感じる白銀比である。
  • 二つ横に並べると、同じ縦横比の長方形が現れるので製造や管理の上で都合がいい

20世紀半ばからテレビやパソコンといった電子機器が現れた。これらの画面の縦横比は、より正方形に近い「1 : 1.3」である。

日本において2000年頃からハイビジョンに対応した16:9 (1.8:1)のディスプレイの普及が進み、一気に横長の画面が定着していった。

2010年頃から、メディアの主役はスマートフォンに取って代わられていく。これと同時に、1.8:1 の縦横比が世界的な標準となっていった。
ちなみに、iPhone が16:9 になったのは、意外にも「5」からだ。それまでは3:2 とか4:3 だった。

スマホが画面の巨大化と携帯性を両立する方向に進化し続けて、2017年から2:1が主流となり始めた。その象徴が「iPhone X」だ。
情報媒体の主役がスマホに代わってからは、画面の縦横比を決定する要素として、従来の「映像の見易さ」に「端末の携帯性」が加わったのが特徴的だ。

面積・横幅を求める式

一般に画面の大きさを表す指標として用いられているのは対角線長である。
しかし長方形というのは、対角線長が一定でも縦横比が大きくなるにつれて面積は小さくなっていく。したがって、画面の大きさの指標として適切なのは、対角線長よりも面積だ。しかし現実には面積は全く用いられていない。
これではスマホの画面の大きさを比較する際に不便だ。そこで、対角線長と解像度から面積を求める式を作った。

  • 対角線長 = X
  • 縦のpixel 数 = A
  • 横のpixel 数 = B

とすると、面積と横幅は次の通りになる。

  • 面積S = X2 * A * B / (A2 + B2)
  • 横幅W = X * B / (A2 + B2)0.5

それでは、これらの式を各種スマホに当てはめてみよう。例として、私が今まで使っていた「g07++」、これから使う予定の「ZenFone Max (M1)」、Max (M1)を選ぶ際のもう一つの候補だった「ZenFone 4 Max」そしてiPhone の最新機種「iPhone XSXR」を利用する。

製品 X(inch) A B S(inch2) W(inch)
g07++ 5.5 1920 1080 12.93 2.70
ZenFone 4 Max 5.2 1280 720 11.55 2.55
ZenFone Max (M1) 5.5 1440 720 12.1 2.46
IPHONE XS 5.8 2436 1125 12.80 2.43
IPHONE XR 6.1 1792 828 14.17 2.56

iPhone XS の画面はカメラ部分が欠けているので、面積は計算より小さくなる。

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