高校数学 東京大学1984 (昭和59)年度 理系前期入試問題の解説

「大学への数学」における各大問の難易度: C,B,C, B,C,C

解答例

第1問

東大らしい求積の良問。

(i)

求めたいのはSの輪郭の方程式だから、この曲線上の点を(X, Y)として、点Pとの関係からベクトル方程式を建てよう。そしてその直線がCの円周上を通るという条件を与える。

ちなみにCの円周上の点を(X, Y)と置いてしまうと、結局はX, Yを消去する必要があるので、答えを出せなくもないが厄介な計算になる。目的地を意識して方程式を建てるのが大事だ。

(ii)

空間認識能力が要求される。

(i)が解ければSは円だと分かるので(ii)が解けるのだが、(i)が解けなくてもSの面積をTとでも置いて答えを出しておこう。

第2問

(i)は図形的に考察すれば、f(t) → 0, g(t) → -∞となるのは明らかなので簡単。

(ii)も直観的に1に収束しそうだと感じられる。

第5問

実験をしていく内に状況を把握できるので難解ではないが、Pn(3)は計算が煩雑。

P = 0, 1やn = 1の場合分けも生じる。しかし気付かなくても大した減点にはならないし、細かい事に調子を狂わされるよりは計算を進めていく方が良い。

第6問

各放物線の共有点の個数を考察することで、解の配置の問題に落とし込める。

「D ∩ E ∩ U = ∅」を表すのが難しいところ。部分点狙いで「D ∩ U ≠ ∅, E ∩ U ≠ ∅」だけ図示するという手もある。

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