高校理科 東京大学2005 (平成17)年度 物理・化学 前期入試問題の解説

前年度より易化した。

物理

解説

第1問

地球トンネルがテーマの力学問題。

[II]

(1)原点を中心とする円周上をP ,Qが(0, 1)から出発する事を想像すれば速く解ける。円周上を動くなら両者は衝突しないが、x方向を潰して一次元化したから衝突してしまうわけだ。

(2)単振動をしている場合、ある地点を通過するときの速度は向きに依らず常に一定。よってP ,Qが衝突すると速度0になる。また、P, Qが合体することで質量が2mに変わるが、周期の式には質量は含まれてないのでそのまま適用できる。

[III]

(2)ここでも円周上の運動を考えると、P, Qは衝突後に周回の向きが逆になるので、角度π/2進んだ先で再び衝突するとわかる。

第2問

[III]

電磁誘導の法則を用いて解けるが、コイルを想定する一般的な考え方は使えない。深い理解が必要な問題だ。

[IV]

よくある「レール上を動く導体棒」の問題のような帰結。[III]が解けなくても解けるし、勘で書いても正解しやすい問題だ。

第3問

原子分野からの出題。

[I]

(3)(2)で求めた式を考察すると、分母に速度が含まれているので、速度が大きいほど縞間隔が小さくなると分かる。

[II]

スリットを通過したのは粒子だが、干渉縞を作るのは波である。これは、原子に波と粒子の二重性があるからこその現象だ。

スリットを通過してからは波として考察していく。本来なら ⊿x = lλ /d から⊿xとlは比例する。ここで着目するのが、波動性と粒子性を結びつける式”λ = h /mv”だ。この式によると粒子が加速すると波長は短くなると分かる。

化学

東進の解説

第1問

[II]

ク.A, Bのモル数が等しいことも記述に含めよう。

第2問

[I]

よくあるCODの問題。

ウ.酸化剤が異なっていても、酸化還元反応において取引される電子の数は等しいので、半反応式を比較すれば良い。

エ.(ウ)が誘導になっている。操作5の空試験から、試料の酸化で消費した過マンガン酸カリウムは2.60mLだと分かる。

[II]

.(キ)が誘導になっている。物理でよく使うエネルギーE = qVを利用する。

第3問

[I]

ア.反応物の一方を大量に用意することで反応を促進できる。プロピオン酸とエタノールの沸点を比べると、プロピオン酸はその分子量が大きく、かつ二量体を形成するので高い。よってエタノールを蒸留で回収できる。

.酸無水物でエステルを作れば、水が生じないので加水分解による逆反応は起きない。

[II]

ク.実験2では、安息香酸は溶媒と水素結合をしている。一方で、ベンゼンのような無極性溶媒中では安息香酸は二量体を形成する。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です