解答例
第1問
(2)
二回目の反射点の座標から求める方法が思い付きやすいが和積公式など駆使する必要があり時間が掛かる。一方で△OCPに正弦定理を用いると瞬殺できてしまう(符号に注意)。三角関数を含む計算は、加減ではなく乗除になるようにした方が良いという教訓かな。
解き方によって解答速度に大きく差が出るので、センスが要求されるという点で東工大らしくない問題だ。
(3)
Pのx座標の最大・最小値を求めるわけだから、(2)で得た関数を微分するのが自然な流れだが、微分し始めると沼に嵌る。
やっぱり東工大らしくない問題だった。受験者の正解率は思いの外に低かったはずだ。方針を誤ると時間を浪費してしまうので、これを第一問に持ってきたのはタチが悪い。
第2問
(1)
両辺を2乗する事で絶対値を外す常道。最初にz = r(cos θ +i sin θ)を代入するより|z +1 /2|2 = (z +1 /2) (z + 1/2) = |z|2 +(z +z) /2 < 0とそのまま展開していった方が楽。
(2)
前年度に続いてまた複素数列が登場した。z = 2として級数式が正しいか検算しよう。さらにz = 1のときの場合分けも必要だ。これもzのまま展開した方が楽だ。
(3)
与式を直接示すのではなく(2)の式で示すのは気づけるはず。しかし cos(n +θ) を式変形で消化しにくい。そこで、(1)で得た不等式を使って不等式証明の手法「数値置換法」を使う。|cos(n +θ)|≦1も使おう。
もし解けなくても、「(2)の式を(1)の条件式を使って数値を置き換えて、値がより大きな式を作り、それが1以下となる事を示す」と方針を書いておくと部分点を貰える。
第3問
第1問がダミーであったのに対し、これこそが微分法で最大・最小値を求める問題だ。
三角柱の各側辺の任意の高さをx, y, zと設定して直角三角形の関数を作る。空間ベクトルでも式を作れる。
第4問
(2)
an = 0に収束するのは容易に想像がつく。そこで挟み撃ちの原理を使うのだが、n→∞とするので両辺の分母にnがある形を作る。そこで(ア)と(イ)の形の違いを利用する。
(3)
n(ean -1)の不定形は、どちらかが0でない数に収束するように積を調整する。するともう片方がexの導関数の形になり成功。