高校数学 東京工業大学2017 (平成29)年度 前期入試問題の解説

分析

解答例

第1問

条件(ii)の12の約数が6個だから残り一個あれば良いと分かれば速いだろう。

第2問

シンプルな問題文だが計算量は多い。

式の形から周期πを持つ事は明らかだが、関数の周期性はt = u +πなどと置換する事で厳密に証明できる。さらに分母のsinが2乗されているので、 0≦x≦π において上に凸(極値を1つ持つ)でt = π /2で線対称なのも読み取れる。

面積の最大・最小値を求めるのでf(x)の極値が知りたいが、実は積分計算はする必要がない。なぜなら極値を求めるという事はf‘(x)を求めるという事だからインテグラルを外すことになるからだ。(パスナビは分母由来の三角関数に勝手に絶対値を付けて計算しているが正しいのか?)

三角関数を含む置換積分は、分母と分子でsinとcosの組み合わせが生まれるような形に誘導するのがコツ。

関数が絶対値を含むので、定積分を絶対値の影響を受けない区間(0≦x≦π /2)と受ける区間 (π /2 < x≦π)で分けて算出する必要がある。

第3問

2001年度・第4問の類題。数学的好奇心をくすぐる面白い問題だ。試験場で実験用の紙が配られたのが珍しい。数学好きならこの手の問題は自発的に考えた事があるだろうから、東工大が知的好奇心の高い学生を求めている事が伺える。

方針は見えやすいが、とにかく計算が大変。面白さと計算量を両立させた東工大ならではの問題だ。

三角法と三平方の定理を使う方法の他、紙の辺や折り目をxy平面上の直線と見立てる方法も有力。

第4問

電数の解説が図もあって分かりやすい。

場合の数ではなく漸化式と見立てる発想が必要な難問。捨て問だ。

(1)

「cがm個含まれる場合」のΣ和を取るという方法では計算が纏まらない為、方針を運悪く誤ると台無しになるという点で悪問だ。

連立漸化式を解いて3項間漸化式を作る。二次方程式型の特性方程式で等比型を作るが、係数をα, βと置いたままの方が楽だろう。

第5問

(1)

解と係数の関係を用いて、共役複素数同士の積が1になる事を瞬時に確かめられる。二次方程式に於いては、c/a = 1であれば複素数平面の単位円上にあるのだ。

(2)

「実数係数のn次方程式は必ず共役解を持つ」という重要な性質がある。

(3)

ここまでの誘導を意識すると良い。もはや複素数平面ではなく方程式の問題だ。

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