〔1〕
(1)
0 < x < π /2で単調減少、π /2 < x < π で単調増加する事も記述しておくと丁寧だ。
(2)
これは問題文の「sin αの式で表せ」の意味が紛らわしいが、sin α を含む項のみによって式を記述するということ事だ。
(3)
αの推定範囲を絞り込んでから、Jをαの関数として評価する。この範囲内で減少関数である事に注意。
f(α) = 0 という性質を利用するとJ = 2 sin α という単純な式になるという(2)の誘導を利用しているが、この誘導が無いと気づきにくいだろう。 もし誘導が無ければ、√2という値から連想して、sin やcos にある角度を代入するとJがこのような値になると予想しよう。
〔2〕
Math Station の解答が分かりやすい。
ガウス記号と来れば、[x] ≤ x < [x] +1 ⇔ x−1 < [x] ≤ x を連想できなければならない。
√(a +1) -1 < x ≦ √a に於いて解の無いaを求めるコツは、左辺とxが等号なしの不等号の関係になっているのを利用する事。左辺を整数にする事でxが整数になる余地を奪うという訳だ。また、漸化式の様に両辺の係数や指数を同じになるように整えるのもコツだ。
(3)は(1), (2)の誘導によって一般項が想像し易くなっている。誘導が無くてもこうやって具体的な項を求めてみる事が大事だ。
与式の「解を持たない」値を元に無限級数を求めるというユニークな問題。 短い数式とその奥深さのギャップが面白い。
〔4〕
今年度最大の難問。
与えられた条件を汲み取りにくいが、点Qは任意の点を意味するので取り得る範囲全てで成立する条件を図示する。そこでAQ = tAP (0 ≦ t ≦ 2)と立式する。
結論の式を代数的に整理していくと、”x2 +y2“という形式から円の式を含む事が分かる。複素数平面もそうだが、この手の問題はx, y の形式から見定めて円や直線の式を強引に作るのが良い。そしてそれらの式を崩さずに処理していく。東進とMath Station で円の式の形(中心位置)が異なるが、いずれも答えを出せている。
Math Station の解答で「f(t)≧0 ⇔ f(0)≧0∧f(2)≧0 」と置き換えられる理由は、 f(t)≧0 が「0≦t≦2を満たす全てのtで f(t)≧0」を表しているからだ。 f(t)の傾きである”x2 +y2 -2ax”は正負がxにより変化するので、tの定義域の両端のどちらで最小値を取るか決まっていないので論理積にする。
条件式の分母に0を取り得るOQがあるから、OQ = 0となる領域を除外する。
角の二等分線を使った解法
ちなみに、内外角の二等分線の性質を使って平面図形の問題として解くことも出来る。
- Pが中心(a /2, 0)、半径a /2の円周上にある場合、OPが△OAQの内角の二等分線だとすると、t = 2 のままQをA側に動かすと結論に反する。
- x < 0 の場合、OPが△OAQの外角の二等分線だとすると、QをA側に動かすと結論に反する。
この方法は、点を移動するとQP /OQ > AP /OA となる事を証明する必要があるだろう。