東京都の築地市場の豊洲への移転に関して、都議会はに石原慎太郎元都知事を証人喚問するが、これに先んじて石原氏はに自ら会見を開いた。
石原元知事の会見
石原氏は速やかに豊洲へ移転することを要求した。
会見では、一部に記憶違いが有った様だが、記者の挑発にも乗らず次のような冷静に筋の通った主張を行った。
- 「小池都知事は”安全”と”安心”を混同している」という本質を突いた指摘を行った。
- 「豊洲へ移転できないと、科学が風評に負けたということになる。これはまさに国辱である。」と衆愚政治に警鐘を鳴らした。
都知事とマスコミは結託して、石原氏を悪役に仕立て上げている。そんな状況でも彼は逃げずに老体に鞭打って勇ましく立ち向かった。
この様な彼の生き様を、私は政治家としてのみならず人として尊敬する。
今回の会見に際して私は彼の生き方に憧れを覚えたが、実際に彼のような生き方が出来る人は殆ど居まい。政治家ならば尚更である。彼が意志を曲げずに生きていけるのは、「作家としての権威」「豊かな語彙力」「威厳有る風貌」が相俟ってのことだろう。
小池百合子都知事の反応
小池都知事はこの度の石原氏の姿勢に対して、正面から立ち向かうことを避けて人格攻撃をするに終始した。
- 石原氏の「”安全”と”安心”を混同している」という本質を突いた指摘から逃げている。
- 「あの世代の人達は、よく”武士”とか”侍”とか言う」と粗悪な個人攻撃を行った。
- 小池氏は自身を支持した7人の自民党区議を「7人の侍」と呼んだ経験がある。
- 「武士」や「侍」という喩えは、石原氏の世代に限らず一般によく用いられている。
この小池氏のマヤカシは極めて安上がりなものだが、大手media は団結して彼女に同調している。
新田哲史・アゴラ編集長
新田哲史氏(アゴラ編集長)は、に書籍 蓮舫VS小池百合子、どうしてこんなに差がついた?を出版して以来、その書籍の宣伝を兼ねて小池氏を成功者として華々しく描いてきた。
しかしその筋書きに反して、小池知事は酷い衆愚政治を展開して来たので、新田氏は苦々しく思っていたことだろう。
新田氏は小池氏の衆愚政治に対しては今まで沈黙を守ってきたが、石原氏の会見を機に、遂に論調の方向転換を決意したようだ。
「蓮舫VS小池百合子、そんなに差がなくなっちゃうのか?」()
石原氏の一本筋の通った主張に対して、小池都知事が都民を著しく愚弄した反応を示した。これにより、予てから小池氏の政治手法を非難していた池田信夫氏を始めとして多くの有識者やネット民の反感が一気に強まった。新田氏もここまで来ると流石に方向転換せざる得なくなったようだ。
小池派のおときた駿都議
音喜多駿都議はアゴラにて小池氏に形振り構わず同調して石原氏を攻撃している。
石原氏が「豊洲は安全だから今すぐに移転しろ!」と言うべきではない
「豊洲新市場は築地市場より安全だ」と認めている点で小池氏よりマトモだが、結局は論点をすり替えて、小池氏とマスコミが作り上げた「豊洲問題」の原因を石原氏に押し付けている。アゴラは言論の質が高いので、彼の姿勢の醜さが際立っている。
私は彼の政治姿勢を「長いものに巻かれず、筋が通っている」と評価していたが、今回の彼の姿勢はそれを全く覆すものだ。音喜多氏がこの様な姿勢を示した理由は、「小池氏のコバンザメとなることで自らの出世に繋げる」という戦略上の行動であろうが、私は彼に失望を覚えた。
まあそうは言っても、この程度の姿勢が政治家の標準なのだろう。彼自身、Internet 世論を味方につけることで名を挙げてきた者として、Internet 上で小池氏に対する反感が強まっている現況は、「小池知事に対してどれくらいの距離を取るか」という身の振り方で懊悩が有ると推測している。
この風潮のなかでよくぞこの様に発信していただきました。
私もかねてより小池さんのやり方政治姿勢に少し先輩の者として疑問を持って周囲に話していましたがマスコミの取り上げにうんざりしていました。特に前知事を非難しだしたとき又同じシナリオを行こうとしていると思いこの記事に感動を覚え大いに共感しました。オリンピックもしかりみんなうんざりです。このあとも色々発信してください応援します。
妹尾 玲子さんへ
お褒めくださり有難うございます。励みになります。妹尾さんも大勢に安易に流されない優れた知性をお持ちだと思いますよ。