高校物理 東京工業大学2008 (平成20)年度 前期入試問題の解説

分析

解答

[2]

非常に不親切な問題文で何をすればよいか分からないが、ポワソンの式の導出過程を記述するだけ。暗記&忖度だけが要求されるので殆ど不適切問題だ。

(a)

ΔV = (正)ならば、気体は外部に仕事をしているのでΔE = (負)の筈だ。同時に、U = 3/2 PVだからΔP = (負)の筈だ。

断熱過程では体積だけでなく圧力も変化するが、ピストンを動かす際は力が釣り合っていると近似するので、ΔE = -pΔVとなる。

(c, d, e)

近似式が示されている場合はそれを元に立式する。示したい式にはTが含まれてないので、T +ΔTを近似式で変形した後に関係式T = CVaを近似式の形にするためには微小量の項が必要なので、ΔTとΔVを加える。を用いてTを消去するというシナリオを考える。

関係式 T = CVa を繰り返し使うのが印象的。

[3]

〔A〕までは基礎的だが〔B〕からは状況把握が難しく時間を浪費しそうなので後回しが良いだろう。題材が面白いが、装置が特殊なため、状況把握の程度が成績に大きく影響してしまう。よって物理の学力を試す観点からは劣っている。

(c)

ローレンツ力により円運動する荷電粒子の周期(角速度)は、比電荷q /mと磁束密度Bによって決まり、速度には依存しないのだ。

(d)

〔A〕では、粒子はYによる加減速に関わらず周期的な円運動をすると判明した。

図を描いて考察してみれば、粒子が通過するYは1回目と2回目で電位差の符号が逆になっているものと分かる。さらにりるらるのように、粒子の周期Tと交流電圧の周期1 /fn をプロットしたグラフを描いてみよう。

(f, g )

最初の半周と最後の半周では円運動の半径・速度が等しい。

粒子がスリットをd /2ズレて通ったという事は、スリット内のギリギリを通ったという事だから、質量の誤差の最大値を示す。

[4]

(d)

弾性力kxと静止摩擦力4kl/3を比較する。μ = 2μ’, kl = 3μ’mgと指定されているので、動くか静止するかの判断が出来る。

(e)

(c)と同じように、xは二次方程式の解なので候補が二つ現れる。(c)の場合は解の正負で判断できたが、今回は一筋縄ではいかない。Eの大きさが分からないせいでxの大きさも分からないのだから、(c)で得た式においてx > lとすればE > 8kl2 と分かる。

(f)

具体値を求めなくても良いなら、イメージでほぼ正しいグラフを描ける。

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