分析
解答例
第1問
(1)
ex log yの様にeの指数部に対数が含まれている場合は、yx と単純化できる。またlog bs は、bsが真数であるという性質を考えると、log b +log s とせずにそのままにしておいた方が指数関数的な計算がしやすい。
(2)
h log h のh→0の極限は証明しなくてもよい。証明した方が良いのか分からない事は、後回しにして時間が余ったらやれば良い。
第2問
床関数(ガウス)がテーマなので、「定義に基づく不等式」と「挟み撃ちの原理」を使う事を想定しよう。
関数f が存在するせいで、そのままでは極限を求めることはできない。挟み撃ちの原理で代替となる式の極限値を求めるか、関数f を極限を求められるような形に変形する必要がある。
実のところ、この問題では「定義に基づく不等式」と「挟み撃ちの原理」を使わなくても解ける。寧ろカギは場合分けが出来るかという点にある。
一般に、 lim(x→∞)xnはn = 0のときに収束する。{1 /f(ax -7)} -{1 /f(bx +3)} (A式とおく) の極限を求める為に、 xcからxを幾つか分配することになる。この分配の過程で場合分けが必要になるのだ。
a = b とa ≠ bの場合では、A式のxの次数が異なる。故にcの最大値に分岐が生じる。
第3問
確率の問題だという観念に縛られると、代数的な発想が出てこない。「いびつなサイコロ」という時点で確率の要素は薄いと見るべきだ。
相加相乗平均、平方完成、Schwarzの不等式といった不等式の証明に使う様々な武器をふんだんに利用する問題だった。
Schwarzの不等式は便利なのだが、それを使えるという事に気づくのが難しい。ポイントは「2乗の和」や「和の2乗」があるという点だ。
不等式の証明として平方完成を利用する場合は、完全平方式の中身が差の形「(a -b)2」(a,b≥0)となる必要があるので注意。等号成立条件を意識すれば間違えないだろう。
(1)
Schwarzの不等式を利用すると簡潔・エレガントに求められる。この不等式は(2乗→和→積)≧(積→和→2乗) となっているが大小関係を忘れやすい。そんな時は、a1 = b1 = 0, a2 = b2 = 1 を代入してみるとすぐに分かる。
p1 + p2 + … + p6 = 1 となるのは当たり前だが、代数的に処理していく上では重要な式になる。
(2)
相加相乗平均、Schwarzの不等式が使える。
第4問
点Rの座標x, yの関係式を作り、それが楕円の方程式になっている事を示す。R(x, y)は原点Oからの距離や角度により定義されているので、ベクトルや複素数平面の手法が有効だ。
P, Qの座標は自分で設定する必要があるが、直線上にあるのでそれぞれ変数は一つで良いと分かる。原点を通る半直線上にあるので、方向ベクトルで表す。
そして距離と角度の情報を元にR(x, y)を組み立てる。PQ = 1という情報も組み込む。