高校物理 東京工業大学2018 (平成30)年度 前期入試問題の解説

分析

解答

[1]

二体問題なので運動量保存則を使うはずだ。

(a)

重心の公式は数学の内分点の公式と同様だ。

(b)

(a)も含めてここまで解いた式を組み合わせて(エ)を導くという構成。

複数の物体間で運動量保存則が成立していれば、それらを合わせた重心は等速運動をするという有名事実を示している。これは憶えておくべきことだ。

(g)

力がテーマになっているので小球についての運動方程式を立てる。小球に作用する力は重力と垂直抗力なので、垂直抗力に平行な力を抽出する。

[2]

一様でない磁場がテーマ。〔A〕は電磁気学と力学が融合している。

(a)

ジュール熱はIVt = I2Rt = V2t /R で表せるが、tは解答に使えないし、落下中のコイルの磁束の変化率は一定でないので誘導起電力を算出するのが困難だ。そこで、ジュール熱を落下するコイルの力学的エネルギーの減少分と見なす。

保存則にはこういう出題の仕方があるわけだが、発想の転換が必要なのでいきなり難しい問題だった。

コイルが発熱した分だけ落下速度が下がるというのが面白い。

(b)

電磁誘導の法則またはV = vBl を使って起電力を算出できる。

(g)

(f)が解けなくても、「(f)の解をvfとおく」として答えを書けば部分点は得られるだろう。

(h)

電流の向きが実際のものとは逆に定義されているので、I’を含む項の符号を逆にする必要がある点に注意。

(i)

直感で解ける問題。

[3]

誘導を如何に活かせるかが重要だった。

(b)

回折格子の実験装置の間に凸レンズがあるが、これがどの様に働くかを検証させている。

回折格子により光は縦方向に回折する。光軸に平行でない平行光線が一点集中するという事実は無名だろう。

横並びの平行光線はレンズが無ければそのままスクリーンに届いて縞模様が映し出されるが、レンズによって一点集中する。

(c)

(a)と(b)の考察を元に導く。sはm = 1の場合の明点なので、d sin θ = λ となる様なθ に対応している。

(f)

(d), (e)の考え方を利用した問題。(d)から、スクリーン上の点はG1, G2,G3の配置場所に依存しないと分かる。また(e)から、格子の角度を変えるとスクリーン上に原点を中心に回転した点列が現れると分かる。

パズル的な性質がある。tanの値は中途半端な数値にはならないと予想して0や1を適当に書いておく手もある。

(h)

(g)の考え方を利用する。

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