高校物理 東京工業大学2019 (平成31・令和元)年度 前期入試問題の解説

〔1〕

(a)

O’を原点とする単位円を考えると、O’P上の万有引力は負であるから、そのx成分も負号を付ける。

(b)

問題の題材が単振動である事を見抜くコツは、「物体にかかる力が、ある地点からの距離に比例する」という点に気づく事だ。一般的には誘導によって気付かせるようになっている筈だ。

(c)

「振動中心での速さ = 振幅×角振動数」を用いると速い。

(e)

ここでも「振動中心での速さ = 振幅×角振動数」を用いてXP = vP‘ /ω, XQ = vQ‘ /ωとすると速い。

(h)

弾性エネルギーと動摩擦力がした仕事との間でエネルギーの原理の式を立てる方法と、小物体Pの運動方程式からPが単振動をする事を示して振動中心の等式を立てる方法がある。

〔2〕

(a)

「重力 = 質量 ×重力場」と同じように「静電気力 = 電気量 ×電場」が成り立つ。同様に「磁気力 = 磁気量 ×磁場」も成り立つ。

(b)

xの値によって弾性力の符号が変わるのが難しいところ。こういう場合は具体的に位置を設定して立式してみよう。

(e, f)

ここまでの誘導問題が解けなくても感覚的に解ける。

〔3〕

(c)

ポアソンの式は、ある気体の断熱変化について述べたものだ。したがって、状態Aの気体全体にこの式を適用する事は出来ない…状態Bへの過程で気体の一部が失われているからだ。そこで、状態Aの気体の中で、状態Bと等しい物質量の部分の断熱変化に適用する。

証明すべき式から逆算してPVγの形を復元する方法も有効だ。

(d)

問題文から、x = h1 /P0 やx = h2 /P0 と置くと良いと分かる。後は試行錯誤して近似式の形を作る。

どの近似式を採用するかで近似方法は幾つかに分かれるが、近似計算に慣れてないと難しい。東工大は近似計算の問題が多いので鍛えておこう。

(e, f, g)

ここまでの問題とあまり脈絡がないし、急に簡単になっているので、この答えで本当に良いのかと疑ってしまう。

こういう事もあるから、終盤の設問でも考えてみよう。

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