高校化学 東京工業大学2008 (平成20)年度 前期入試問題の解説

解説

[1]

問i

  • 3,4,5.エタノールはアセトアルデヒド→酢酸と段階的に酸化する。Ca(OH)2と反応するのは酢酸のみ。 巧い引っ掛け問題だ。Bがアセトアルデヒドだとすると、(5)ではビニルアルコールが生成し、ケトエノール互変異性によりアセトアルデヒドに変化する。よって正解が3つになってしまうので勘違いに気付ける。

問iii

炭素原子を追跡すると良い。脱炭酸反応で炭酸カルシウムが生じる時にCを一個失っている点に注意。

[2]

「ナイロン6, 6を扱った問題だろうから、ジアミンはヘキサメチレンジアミンだ」と思ったら間違い。

ポリアミドAの繰り返し単位の分子式はすぐに分かる。その後に構造式を描いて調べるのは非効率。繰り返し単位の末端と結合部位にH2Oを足せば、ジアミンとアジピン酸の分子量の和が得られる。

[4]

問ii

1.クラーク数とは、各元素の地表付近の地殻における質量パーセント濃度のこと。酸素は50%にも及び、意外にも大気中より高濃度。ケイ素は25%だ。

[5]

問ii

平衡定数の式を作っていくが、答えは対数の形式だから、式を10の累乗の形に整える。

[6]

問ii

  • B.鉛蓄電池では、放電すると正負の両極で同じ質量のPbSO4 が析出する。
  • D.酸性溶液中では、KMnO4は還元されるとMn2+になる。また、H2O2 は金属ではないので酸化された際にSO42-と結合することはない。よって、酸化還元反応が完了すると、SO42- は K+, Mn2+ とのみ結合する。こう考えれば、反応式を書く必要がないので圧倒的に速く解ける

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