匿名配送を悪用したヤフオク詐欺?嘘の発送連絡後に出品者が住所を聞くトラブル

私はヤフオクを2年以上使っており、取引数は数百回に上るが、今まで大きなトラブルは一度もなかった。

ところが2019-01、匿名配送を悪用した詐欺の疑いがある取引に直面した。そこで、その実体験とその後の展開をご紹介する。同じような状況に直面した方の参考になれば幸いです。

入札から支払いまで

問題となる取引の商品は、ある玩具の中古品が数十個セットになったもので、開始価格は10000円だった。ちなみに、この商品の相場は20000円程度。

入札する前に出品者が受けている評価を確認するのは当然のこと。確認すると、この出品者の評価値は0。取引数は2件で、いずれも落札によるもの。良い評価と悪い評価が一つずつ付いているのだ。多くの人はこんな出品者の商品に入札しようと思わないが、私はリスクテイカーなので躊躇なく入札した。8日、結局ほかに誰も入札しなかったので落札できた。相場の半分程度で落札できたので、良かったと思った。

10日に支払いを済ませた。

最初の異変はメルカリで起きた

最初の異変に気づいたのは、支払いを済ませた翌朝。

朝食を摂りながらスマホでメルカリのタイムラインを見ていると、あり得ない光景に遭遇した。私がヤフオクで購入したはずの商品が20000円で出品されていたのだ。メルカリに出品されていた物の商品画像は、ヤフオクに掲載されていたものと全く同じ。商品説明文も同じ。

中古セット品で、しかも商品画像が同一であることを考慮すると、ヤフオクとメルカリでそれぞれ出品されていたものが別物であるとは考えられない。
この時点で初めて私は「詐欺ではないか?」と疑った。

ところでこのメルカリに出品されていた商品、私による「いいね」が押されていた、いつ押したのか憶えていないのだが。これが意味するのは、タイムラインに現れたのは新規出品ではなく商品情報が更新されたためという事だ。つまり、商品のオリジナルはヤフオクの方ではなくメルカリの方であるという事だ。いや〜、それにしても、ヤフオクで当該商品を入札するときにメルカリに同一商品がある事に気づければ良かったが、全く気付かなかった。

2つの商品の発送地は大阪府で一致している。住所、氏名、電話番号も確認したいところだが、匿名配送であるためそれができない。発送地が大阪府であるという事は、両商品の掲載者が同一人物である蓋然性が高い

出品者の怪しい要求

その日の夜、出品者から発送連絡とともに次のようなメッセージが届いた。

「まだ発送手続きは完了していないが、間違えて発送連絡をしてしまった。だから、あなたの住所を教えてほしい。」

 匿名配送を使って発送できなくなったので出品者自らが荷物に私の住所を書いて送るということらしい。

ますます怪しくなったので調べたところ、匿名配送を無視して発送すると次のようなことが起こることが分かった。

  • こちらは出品者の偽りのない住所、氏名、電話番号を確認できないため、トラブルが発生した際に警察への被害届の提出や出品者への内容証明郵便の送付がてきない。
  • 匿名配送でなくなるため、商品満足サポートの対象外となってしまう。

つまり、出品者の言うとおりに住所や氏名を教えてしまうと、荷物が届かなかったときに返金する手立てがなくなるのである。この時、匿名配送を悪用した詐欺行為が可能であると気づいた。同時に、この件が詐欺である疑いが強まった。

戦術を練る

詐欺の疑いが濃厚になったので、相手の術中にはまらないように慎重に事を進めよう。

まずはインターネットで同類の事案がないか探すことにした。ところが、匿名配送を悪用した事案は見つからなかった

そこで、初めてYahoo知恵袋を利用して助けを借りることにした。そこで私は、次に取るべき行動として次の4つの案を挙げて、アドバイスを頼んだ。

  • 自分の銀行口座を教えて代金を返してもらうよう伝える
  • 発送連絡から8日後に現れる「Yahoo! JAPANに報告する」ボタンからYahooに連絡する
  • すぐにYahooに連絡する
  • 以上の選択肢をいくつか組み合わせたものを出品者に提示して選んでもらう

様々な回答を受けたが、多くが「すぐにYahooに連絡する」を推奨していた。確かに、出品者とやり取りをせずにシンプルにYahooに連絡する方が展開が早いだろうし問題が複雑化する恐れもない。

Yahooに連絡

ということで14日、Yahooに報告した。15日にYahooから改めて情報提供するよう促すメールが来ていたのだが、それが広告フィルタにかかっていたので気付くのが遅れ、16日に回答した。

そして17日にYahooから返答が来た。「当事者間で話し合え」とのこと。規約通りの対応だが、Yahoo側による返金処理を期待していたので少し残念。

出品者とのやり取り

さて、今後どうするか。銀行口座を教えることは、自分の氏名を教えることに繋がるので気が進まない。それならば、発送連絡から8日経つのを待って「Yahoo! JAPANに報告する」ボタンからYahooに改めて連絡するという手もある。ただ、Yahooは当事者間で話し合えと言っているので、その過程を飛び越えて連絡した際に確実に返金処理が行われるかに一抹の不安がある。

そこで、出品者と話し合うが、すぐに振込先を教えるのではなく、「これより取引を続ける意志はないので私の銀行口座に返金してもらっていいか」と一度ボールを投げる事にした。これによって時間稼ぎをして、「Yahoo! JAPANに報告する」ボタンが表示されるまでに返金処理が完了しなかった場合はそのボタンを押して返金処理を完了させるという作戦だ。

そして同日、出品者にこれ以上取引を進める意志がない旨を次の理由とともに述べた。

  • この商品に入札したのは匿名配送が利用できるから。
  • こちらは出品者の偽りのない住所、氏名、電話番号を確認できないため、トラブルが発生した際に、警察への被害届の提出や出品者への内容証明郵便の送付ができない。
    匿名配送でなくなるため、商品満足サポートの対象外となってしまう。

そして「銀行口座に振り込んでほしい」と頼んだ。

すると18日、出品者は「入金が確認されたら返金する」と返答した。これでは意味がない。もし返金してくれなかった場合、こちらは被害届提出などができないため、泣き寝入りすることになるからだ。

交渉決裂、と言って良いだろう。そこで満を持してYahoo! JAPANに報告した

その後数日間音沙汰なかったが、23日にYahooから返金が完了したことを伝えられた。これで一件落着!

終わりに

出品者の雰囲気や取引回数から察するに、彼は詐取するつもりはなく、単に手続きを間違えただけだろうと思う。出品者はこの件で1000円程度の落札手数料を失ったわけだが、それは自業自得だ。

今回、ヤフオクで初めて詐欺の疑いのある場面に直面したわけだが、終始焦ることはなかった。それは私が「世の中はこんなものだ」と普段からリスクを織り込んで行動しているためでもあるが、ヤフオクの仕組みを理解しており損をすることはないと分かっていたからだ。

今回の経験で学んだことは、怪しい出品に入札する際は、事前にその商品画像をGoogleの類似画像検索を使って流用でないか確かめると良いということだ。

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