高校理科 東京大学2008 (平成20)年度 物理・化学 前期入試問題の解説

物理

前年度より難化。

「ネオンランプ」や「密度の勾配」といった目新しい設定が見られるが、もはや即応力を測る問題となっており、物理の学力を測るという本来の趣旨から外れている様に思える。受験生の得点分布を散らばらすにはこうせざるを得ないのだろう。

解説

第1問

[III]

どんな力の加え方をしても、箱を押す力以外の外力は加わってないので、与えた仕事は最終的な速度に依存する。

[IV]

最初に強い力で短時間の内に押すのが効率的だという事実は意外性があり面白い。ボールを遠くまで飛ばす為に、バットで打撃するのは理に適っているという事だ。

これは正に撃力の概念だが、理論上は幾らでも力を大きく、接触時間を短くすることが出来てしまうので、上限値 F0 が設定されている。

F(0) = F0, F(T)= 0のグラフが描けていれば部分点が得られるだろう。

第2問

ネオンランプを用いた回路図の問題。

ネオンランプの回路記号はコンデンサーの様に導線が接続されてない様に思える奇妙な物だが、改定した方がいいのでは?

[I]

計算量が多いが、手計算においてCA = a, CB = b, Von = n, Voff = f と置き換える事で効率化できる。

[II]

「Qは一定」というヒントがあるので電荷保存則を利用しよう。

第3問

難問。浮力による単振動というよくある問題を、液体を気体にして考える。

東大物理では目新しい定義の文字や関数が頻繁に登場する。混乱を避ける為に、問題文の中で定義している箇所に印をつけると良い。

[I]

(1)東大物理は導出過程を書く必要がないので、分からなければ適当に答えておこう。

(3)不要な文字を消していくのではなく、係数比較をする。物理というより数学的問題だ。これが解けなくても(5)は解ける。

(5)(*)式から微分方程式を建てる。実は、微分方程式を使わなくてもz = 0 に於ける力の釣り合いを立式する事でも解けるし、こちらの方が速い。

化学

東進の解説

第1問

[I]

計算問題は1問当たり10分程度掛かるのでコスパが非常に悪い。こんな問題を出題したいなら電卓を使用可能にすべきだ。時間が掛かる問題かを調べる時間が勿体ないので計算問題は全て後回しにしよう。(オ)だけ解けば良い。

[II]

.錯イオンは配位子が4つ以上あると必ず立体になる。銅は例外的に平面になると教わるが、実は水が配位子として上下に結合している。

第2問

[I]

.一部が酸化還元反応を起こしてしまったヨウ素の「昇華精製」の方法。

イ.フッ素は酸素を上回る電気陰性度を持つ。

ウ,エ,オ. 東工大化学の様な重厚な計算問題。思考力を要する良問。

[II]

ア.尿素は炭酸とアンモニアのアミド。

第3問

[II]

ケ.立体異性体は16個あるので不適切問題。

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