数学 東京工業大学 1996 1997 1998 1999 2000 後期入試問題の解説

1996

解答例

第1問

(2)軌跡の方程式はx, yで記述するわけだが、θの範囲が指定されているのでxの範囲も示す必要がある。

1997

第1問

2x = tan θの置換積分をするが、積分区間のx = aの置換では2a = tan αと文字の仮置きをする。

第2問

確率漸化式の問題。Xn がA, B, C, Dにある時は「Oにある時の余事象」として扱えるので、対称性に着目する事でA, B, C, Dにある時の漸化式を作る必要がない。よって一つの漸化式を解けば良いので簡単だ。

1998

第1問

指数aを含む式と指数bを含む式の積の極限。指数aを含む式は無限級数と極限のコラボだから、区分求積法を使おう。すると指数aを含む式が収束すると分かる。分母が”1 -a”となるのでa = 1を例外処理するとlog 2となる。

指数aを含む式は0以外の値に常に収束すると分かったので、次は指数bを含む式を調べる。lim(n→∞)n1-a-b が収束すれば良いのだが、lim(n→∞)n0 = 1としてよい。

第2問

2018年度第4問が類題。

(1)

問題文中に「楕円の方程式」と書かれているので、曲線が楕円となる事は前提として解いてよいだろう。

楕円となる事の証明はMath Stationに掲載されている。Cがl1からの距離が1であることに注目してベクトルで方程式を作り、z = 0を代入している。

(2)

Cは内部を含まないものとして定義されているので、Rは領域内部に空洞ができる。勘違いで内部を含むとして解いてしまった人もいるだろう。

回転体の断面を考察するのが自然な発想だが、空間認識力を要する。z = kに於ける空洞とz軸との距離は、(1)で求めた楕円形との距離に等しいと分かる。(1)はやたらと簡単だったが、重要なヒントになっていたのだ。 この距離は平方完成で最小値を求めるが、同じ手法を2018年度第4問でも使う。

1999

解答例

第1問

挟み撃ちの原理に持ち込む事を狙って被積分関数を”sin2 nx”や”1 /(1 +x)”で挟んでみても上手くいかない。

そこで、「”sin nx”や”cos nx”を積分すれば”1/n”が得られてn→∞により0に収束させられる」という発想が必要になる。感覚的には「三角関数が1乗なら、周期性によりsin nxやcos nx をn→∞としたときに積分結果が0になる」と言い換えた方が腑に落ちやすいだろう。

極限の問題では、対数関数から定数を絞り出して極限を取ると対数関数を0にできるというテクニックがあるが、その積分関数バージョンといった感じだ。よっぽど数学に精通してないと解けないだろう。

2000

解答例

第1問

(1)からf(x)がx = -a でx軸と共有点を持つのが確定したので、これを土台にして a≧0 とa <0で場合分けしていく。a≧0のときは極小値が非負であればよいが、f'(x) = 0の解をf(x)に代入して極小値を求めるのは煩雑なので、平方完成が良い。

第2問

(2)

xy座標系を用意して、伸開線(インボリュート曲線)の回転体積として扱う。これを丁寧に記述すると手間が掛かるし解答用紙の余白が無くなるのでグラフで図示すれば良いだろう。

主な媒介変数表示の曲線でよくある「出っ張り」をθで置換する事で上手く処理できる。実はこの図形に出っ張りがある事に気付かなくても正しい答えに辿り着けてしまう。

置換した後は、途中計算で(1)を使うために各項に含まれる三角関数をsinまたはcosのみに纏めて、3倍角の公式で次数を1にする。3倍角の公式は媒介変数表示の問題でよく使うので憶えておこう。 計算量が多く解答用紙の余白もギリギリだ。

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