高校物理 東京工業大学2013 (平成25)年度 前期入試問題の解説

分析

解答

今年度辺りから問題は基本的だが深い理解を問う形式に変化してきた。簡単なようで意外と思考力を要し、各予備校も評価を誤った。

[1]

(a)

エネルギー保存則の式を変形して「vA2 -vA2 = vB2 -vB2」、運動量保存則の式を変形して「vA -vA‘ = vB‘ -vB」 とすれば煩雑な計算を回避できる。二次式を差の形に誘導する数学的テクニックだ。

2物体の弾性衝突と同じように速度が交換するのが面白い。

(c)

〔B〕では速度に動摩擦力、重力の影響が加味された。

(d)

このような条件下でも、紐の撃力による速度交換が起きる。

文字T1は中問では与えられてないので使ってはいけない。

(e)

重力gに慣性の加速度が加わり見かけの重力√(g2 +a2)となる。そして「十分に振幅の小さな周期運動」とあるから単振り子の公式に当てはめる。

(f)

周期性があり、バネの挙動に似ている。

加速度運動の影響を除けば運動量保存則が成り立っている。

[2]

(b)

実験の様子をイメージすると、棒2がx正向きに力を受け加速する一方で、棒1はx負向きに力を受け減速する。これによりいずれ両棒は速度が一致する。

起電力を発生させる因子は、V = vBl より「棒の速度」「磁束密度」「棒の長さ」の三つだ。電流が0という事は起電力の総和が0という事であり、v1 -v2 = 0と分かる。

電流が流れてないからと言って、電位差が0とは限らない。それは棒内の電子におけるローレンツ力の発生を考えると分かる。二つの棒が磁場中を動くから逆向きの誘導起電力を生じるのだが、二つの電池を逆向きに配置している様なものなので、レール間で電位差が生じるのだ。当然ながら、磁場中でなければ電位差は生じない。

(d)

  • (オ)(b)が足掛かりになっている。運動量 = 力積の等式を使うだけだ。
  • (カ)IとΔtからΔqを連想し、そこからCを使う事を考えよう。
  • (キ)マイナスが付くのに注意。

(e)

(b)の応用。

[3]

(b)

(カ)は発想を要する。LAC -LBC≒da /L というヒントや、Sをlずらしてもスクリーン上のdズレた位置では光路差が不変である事実から、光路差について立式しよう。

(c)

(ケ)は煩雑な三角関数の計算が必要だが、そこまで手が回らないだろう。

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