テレビ朝日系列の番組「M-1グランプリ2018」に関して、審査員を努めた上沼恵美子さんに対するお笑い芸人のとろサーモン・久保田かずのぶさんの発言が炎上している件。
私はこの手の芸能ネタには全く興味がないのだが、この件で唐澤貴洋弁護士が見解を述べていたネット記事が目についた。
上沼批判騒動にホリエモンも…炎上弁護人が語るSNSの恐怖
唐澤貴洋弁護士といえば、2ちゃんねる(今の5ちゃんねる)を主な舞台として、日本のインターネットにおいて過去に類を見ない嫌がらせの標的とされた人だ。
そんな彼が、このM-1騒動について見解を述べていた。
専門知識や自身の体験に基づいた考察は、迫真性があり読むに値する意見だ。
でも、最後の「炎上しないためには、SNSは見るだけにして、発信しないことが本来ベストです。」という意見には同意できない。
日本においては、インターネットで発言することは表現の自由として憲法で保障されている権利だ。
また、ネット上での表現活動は経済や文化を発展させる有意義なものだ。エジプトのジャスミン革命のように、SNSでの言論活動がキッカケで一国の政治体制を変えたという例もある。
だから、私はインターネット上での表現活動は積極的に行うべきという立場だ。もちろん、表現する際は他者を十分に尊重する必要がある。
彼はインターネット上で自己表現することを危険視するバイアスがかかり過ぎていると思う。それはやはり、唐澤さんが今までインターネット上で前代未聞の迷惑行為を受けてきたことに起因しているのだと思う。
実際のところは、暇を持て余した幼稚な連中の標的にされるという彼のようなケースは極めて異例で、一般にその手の被害を恐れる必要はないだろう。
そもそも久保田さんと唐澤さんとでは、炎上した原因が本質的に異なっている。久保田さんは相手を侮辱する発言をして非難されるべくしてされている。でも唐澤さんの場合は彼自身に非はなく、萎縮せずに迷惑行為をする者たちに毅然と立ち向かうのが正しい。
唐澤さんの場合は匿名の者たちがその匿名性を悪用して迷惑行為を働いたのだが、怖じずに実名で情報発信する人の割合が増えれば、匿名コミュニティの勢力を弱めることができ、日本のウェブ言論の質を高めることができるだろう。
私も微力ながら貢献していきたい。
ところで、唐澤さんが「炎上弁護士」という著作を出版していたというのはこの記事を読んで初めて知った。しかもその発売日は今日らしい。
あれだけ凄まじい嫌がらせを受けていながら、それに耐えて糧にしてしまうとは逞しい人だね。尊敬します。
そういえば、10月にはAbemaTVにも出演して西村博之さんと対談したらしい。これからはメディアへの露出を積極的にやっていく方針なのだろう。それは少なくともビジネスの面からは正しい。なぜなら、「100万回の殺害予告を受けた」という極めて特殊な肩書きを得て、それを活かさない手はないからだ。