Ⅰ
問4
錘と糸による接触力が追加されたのでこれらの力を問1の解答に書き足せばよい。
問5
問2と比べて状況が複雑になっているが、同じように水平方向、垂直方向、力のモーメントの釣り合いの三つを立式していく。
水平方向と垂直方向の力に関しては、力を分解しなくてもNA‘ = FB‘ 、NB‘ = (M +m)gなのは分かる。
Ⅱ
交流コンデンサーが題材。正弦波を模した導体の上で導体棒を動かす事で交流電源を再現している。
交流を扱うので、電場や力の向きに注意を払う必要なのが大変。
問1
ローレンツ力はevBで表される。
電磁力の式F = IBl を使って表そうとすると上手くいかない。I = e /t なのは間違いない。l はx = vt なのを利用してl = f(vt)と書けそうだが、電子の動く向きはy軸方向ではなくx軸方向なので金属棒Mを導線として扱えないのだ。正しくはl = vt であり、この式とI = e /t を F = IBl に代入すると結局 evB が得られるので、無理やり電磁力の式を使うことも出来る。
問2
ローレンツ力により金属棒内で正電荷と負電荷の分離が進むが、次第に静電気力も強まりこの二つの力が釣り合う。
静電気力は「電荷 ×電場」で表される。これは力学の「質量×加速度」に対応付けられる。
問3
OとP1 の電位は、それぞれの導線が金属棒Mに接している点の電位に等しい。
金属棒Mにはy軸正方向が負に帯電するのでP1 はOより低電位である。
問4
V0 は、誘導起電力V1 が含むsin関数が0になる時に関数全体が0になるような値にする。
誘導起電力V1 は問3の結果を利用できるが、微積を用いても出せるので軽く説明しておこう。
誘導起電力は磁束(刈り取る面積×磁束密度)の時間微分であるので、f(x)・Bをxで積分してx = vtに置き換えた後tで微分する。P1 はOより低電位なのでマイナスをつける。
これは、電磁誘導はローレンツ力が元になっている事を示している。
問5
電流の向きは、電位差を考えるとP1 < P2 なので時計回りだが、問題文で反時計回りと定義されているので、マイナスをつける必要がある。
微積を用いて、I = -dQ /dt , Q = CV よりI = -C・dV /dt と書ける。
問6
交流なのでローレンツ力の向きは時間とともに変わる。だから式の符号に注意し、力の正の向きは明記しよう。
もし誘導が無ければ
ゴールであるF = IBl のうち、Bとl は明らかなので電流Iを調べることになる。
まず交流電流として振舞う事を見抜く事が必要。そして電流の状態は電圧に由来し、電圧は金属棒を動かす事による誘導起電力によって特徴づけられている。
Ⅲ
問1
開管の固有振動数はfn = nV /2l である。ちなみに閉管は f2n-1 = (2n -1)V /4l で表される。
問2
「空気の密度は0 < x < 0.1L の範囲では最大にも最小にもならず」というのは振動数の上限を示している。
変位のグラフにおいて、曲線の傾きが小さい(マイナス)ほど密度が高い。
「音が無い時」とは、時間変化する定常波の振幅が0になる時を指す。物質の密度は常に非負なので、曲線はx軸の上に位置する。
問3
波長は、共鳴している場合なので気柱の長さに依存する。振動数は、音源が近づいてドップラー効果で変化した結果として共鳴しているのでこれを踏まえて立式する。
問4
基本振動する場合なので、n = 1である。近づく音源と遠のく音源のそれぞれの振動数fa , fb と気柱内の振動数の関係式を作り、fa – fb = |δ| に代入する。
問5
うなりの振動数はf = |fa -fb| で表されるので、fa -fb = ±10 という事だ。