酸化還元反応における「酸化数」の本質的意味 高校理科・化学

酸化還元反応における酸化数の意味は分かりづらいものだ。特に次のようなことに疑問を覚える人は多いだろう。

  • 酸化数に例外がある。たとえば酸素の酸化数は”-2″だが、過酸化物を構成す酸素は”-1″。
  • 酸素や水素など特定の元素は酸化数が決まっているのに、Mnなどは分子の種類によって酸化数が違う

酸化数の本質的意味

酸化数の符号は電気陰性度の大小によって決定される。

電気陰性度の意味は、要は「陰イオンへのなり易さ」である。当然ながら17族や18族は電気陰性度が高く、アルカリ金属やアルカリ土類金属は低い。したがって、その元素の順位が「金属のイオン化傾向(陽イオンへのなり易さ)」とほぼ逆になっているのは偶然ではない。

そして酸素、水素、1~2・17族の元素は予め酸化数が決まっており、その数値はそれらの元素がイオン化した時のイオン価と一致している。

要は、酸化数とは、電気陰性度とイオン価をミックスした指標なのだ

疑問への回答

酸化数に例外がある理由

過酸化水素H2O2 は、過酸化物なのでOの酸化数を-1として計上する必要がある。もしこの例外規定を無視して-2として扱うと、水素の酸化数は-2となる。これだと電子の授受の実情に沿わない(詳細)。

酸化数が決まっていたり化合物によって違う元素がある理由

酸素の酸化数が2と決められているのは、酸素の電気陰性度がほぼ最強で、どの元素との化合物でも符号が+になる事は基本的には無いからだ。但しフッ素Fだけが酸素より強い。たとえば二フッ化酸素OF2 が、Fの酸化数が-1でOが+2である。

また、水素は酸化数+1なのは電気陰性度が小さいので電子を放出しやすいからだ。ただし水素化ナトリウムNaHにおいては-1だ。これは、電気陰性度で水素がナトリウムより高いからだ。

マンガンなどは化合物によってその酸化数が大きく異なるが、その値に対した意味はないと思う。大きく異なると言っても常に正の値をとる。要は「正の値をとる」ということが示せれば十分なのだ。

元素がその化合物によって酸化数が異なる様子は科学技術館「酸化数」で確認できる。

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