竹内まりや”Plastic Love”など世界中で日本の80年代のシティポップがブームに

私は近頃tofubeatsの音楽が気に入っていてYouTubeでよく聴いているのだが、なぜかオススメにしばしば80年代の楽曲が表示される。しかもその動画は海外の人が投稿したもので、映像にセーラームーンなど昔の日本アニメのシーンをつなぎ合わせたものが使われていて、しばしば「City Pop」という名称が与えられている。その時は「マニアックな人がいるのだな」という程度に思っていた。

そして03月29日にYouTubeのあるプレイリストでtofubeats の曲を聴いていたら、竹内まりやの「Plastic Loveが流れてきた。

動画自体は海外のファンが自作したもののようだ。そのコメント欄を見てみると、英語ばかり。その中に一つ日本語で「海外でこんなに高く評価されているとは・・。」というものがあった。

気になって調べてみると、3年ほど前から日本の80年代に作られた、都会の洗練された雰囲気を持つ曲が、「City Pop」として海外でかなりのブームになっているというのだ。中でも「Plastic Love」は特に人気が高く、ファンによる非公式の動画が大量に投稿されている。再生回数を全て合計するとこの一曲だけでも1億回以上になっていると見られる。

それを知って驚きを覚え、思わずそれらの動画の英語コメントを読み漁ってしまった。興味深いのは、外国人である彼らが「fake memory (偽りの記憶)」という表現を用いていることだ。彼らはこの曲を聴くと、まるで「自分が80年代の日本にいた時の儚い恋の記憶を辿っている」かのような感覚になるというのだ。この曲の歌詞は基本的に日本語なので、外国人をしてメロディだけでそこまでの情景を惹起させているわけだから、恐るべしだ。

このブームの中でカバー曲も幾つか生まれており、tofubeats も2019年にこの曲をカバーしていたのだ。実はその曲は以前に聴いたことがあり、その時は「昭和の香りのする曲だな」くらいに思っていて、竹内まりやのカバーだとは知らなかった。

さらに、Plastic Love の誕生から35年を経て初めてPVも制作された。

ちなみに、このブームを受けて竹内まりやの夫である山下達郎の曲も人気が高まっている。

海外の人たちが日本の名曲を見つけてくれたのは嬉しいことだ。彼らが未だ気づいていない日本の名曲は数多くあるはずで、是非とも知ってほしいと思う。歌詞は日本語でも、「Plastic Love」の様に、ブームになる上ではタイトルが英語であるというのは大事だと思う。

ちなみに、”plastic”は「可塑性のある」という意味なので、初めは英語としては意味が通じないのではないかと思ったが、「見せかけだけの」という意味もあると知った。

初めは、エレクトロ系を聴き慣れているせいで、この曲に用いられている音色が貧相に感じられたのだが、海外の人々の熱いコメントを読んでいるうちにこの曲を気に入ってしまった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です