共感性に関する覚書(H29) 発生過程・精度・構成要素 心理学

むぎが研究している心理学に於ける「共感性」に関するH29年時点での覚え書き。

共感とは

共感の発生過程
  1. 相手を同一化する。
  2. 相手の境遇を認知する。
  3. 相手の境遇を自分の価値観で解釈する。
  4. その解釈に基づいて感情を発生させる。
  5. その感情を”相手が持っている”と信じる(投影)。

「共感」は「感情移入」とも呼ばれるが、感情移入は超能力であり、これは起きていない。実際に起きているのは、「相手の感情の推測」である。具体的には「相手の境遇」という数値を「自身の価値観」という関数に代入するという手続きである。
共感が「相手の感情の推測」に過ぎない以上、そこには「相手の感情」とのズレが生じる。つまり、共感には「精度」の概念が存在するのだ。この精度は、自分と相手の価値観の類似性に比例する。これは、民族や宗教、風習などが近い人同士の方が共感が成立しやすいことを示している。
また、「他者に厳しく接するならば共感性は低い」という命題は誤りである。自分に厳しい人は、相手に共感した結果としてその相手にも厳しく接することになる。

共感性の構成要素

共感性の構成要素として「他者理解の能力」、「他者への関心(対象愛)」の2点を挙げ得る。
この2点を満たす動物であれば、共感性を持っていると言える。

他者理解の能力
発達障害はこの能力が弱いため、共感性が低い。「投影同一化」に他者理解力が与えられると「共感」となる。
他者への関心
自己愛性パーソナリティ障害などの自己愛機能障害は関心が自身に対して極めて強くて他者へは極めて弱いので共感性が低い。
他者への関心が低くなる原因は必ずしも自己愛だけでなく、単に忙しくて他人に構っている余裕が無い場合も他者への関心は弱まり、結果として共感性が下がる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です