の14時頃、近所に住んでいる人が、近くの駐車場に猫の死骸が在ることを私に伝えてくれた。
確かめてみると、確かに猫の死骸が在った。詳しく見ると、次のような特徴があった。
- 毛は茶色
- 尻尾が短い
- 腹が異常な迄に膨らんでおり、それが原因で死骸にも関わらず前足が浮き上がっていた。死んだ所為で臓器内に細菌由来の気体が溜まっているようだ。
- 弱い腐敗臭が漂っており、蝿も集っていた。
見た目は我が家で産まれたタレメという名の猫に酷似していたので、その猫が死んだ事を疑った。
尤も、毛がボサボサで痩せたノラ猫が近頃我が家の周辺に出現していて、その猫にも似ていたので、それである可能性もある。
タレメの叔母にも似ているが、この猫は半年ほど姿を見せていないので、確率は低い。
タレメはその日の2時頃には生きていたのを確認している。その直後に死んだとしても、たった半日で腐敗臭を漂わせたり、臓器内の気体発生で腹が膨らんだりすることは考えにくい。したがって、その死骸の正体がタレメであるという事には半信半疑だった。
私の家族はタレメが死んだと思い込んでいた。タレメは太っていて、その死骸も腹が膨らんでいたこともそう判断した理由らしいが、腐敗に因り体内に気体が溜まることは判らなかったようだ。
我が家にはタレメとマックロの2匹が住み着いており、2匹はよく一緒に居るが、その日の夕方はマックロは姿を見せたがタレメの姿はなかった。
その日の夜、タレメが近くに居ないかと扉を開けて外を見てみた。すると、一匹の猫がこちらへ歩いてきた。初めは暗くて誰か分からなかったが、直にタレメだと分かった。タレメは生きていたのだ。
という事は、あの死骸の正体はノラのボサボサ猫だった蓋然性が高い。